
『Virgin(ヴァージン・グループ)』は15日(火)、マノー・グランプリとの提携を正式発表した。また、ティモ・グロックのチームメイトとしてルーカス・ディ・グラッシを起用することも明かしている。
リチャード・ブランソン卿率いるヴァージン・グループの投資によって、マノーはヴァージン・レーシングというチーム名で2010年F1世界選手権に参戦することとなった。
グロックは数週間前にマノー加入を発表していたが、15日にイギリス・ロンドンで行われた記者会見でディ・グラッシの起用も明らかになっている。
ディ・グラッシは今月初めのヘレステストでルノーのマシンをドライブしていたものの、2010年はヴァージン・レーシングの一員として活動することとなった。GP2シリーズに4年間とどまったブラジル出身のディ・グラッシは、2007年に同シリーズのランキング2位に輝いている。ちなみに、その年のGP2王者はグロックだ。
また、リザーブドライバーにはポルトガル出身のアルバロ・パレンテ、テストドライバーには20歳のブラジル人、ルイス・ラジアが就任。新マシンの名称はVR-01となるようだ。
ブランソンは長年F1に興味を示してきた人物で、2009年シーズンはブラウンGPと提携。しかし2010年、ついに自らのブランド名でF1世界選手権を戦うことになる。
ブランソンは「(ブラウンGPと提携した)われわれのF1活動1年目は、ヴァージン・ブランドにとって素晴らしいものとなった。再びゼロから立ち上がる新しいチームと組まない理由などない。ヴァージンの歴史をひも解いてみたときに、われわれが技術的革新や素晴らしいエンジニアを愛していることがわかるだろうが、今回のプロジェクトも120名のエンジニアたちが加わっているのだ」とコメントしている。
2010年にF1を戦う13チームのうち、ヴァージン・レーシングを含めた4チームが新規参入組だ。この4チームはいずれも、年間4,000万ポンド(約58億414万円)以下というF1チームでは最も少ない資金で戦うことになるだろう。
"新時代の新しいチーム"というスローガンを抱えるブランソンは、こうも語っている。
「新しい時代では、エントリーに必要なコストが少なくなると考えられている。このチームはF1において、最も少ない資金で戦うチームだ。年間4,000万ポンド以下で運営されることとなる」
「しかし、資金がすべてではない。われわれはエンジニアリング技術や素晴らしいドライバーたち、そして一般からの親近感を用いて、うまくやれることを証明しようとしているのだ」
マノー代表のジョン・ブースもチームにとどまり続ける予定であるが、コンペティティブなマシンを製造するという点については楽な作業があるとは感じていないようで、以下のようにコメントした。
「どのようにこの状態までこぎつけるのかという点は、何度も考えてきた。しかし、資金制限によってわれわれはF1に関与することができ、今は至福の状態だ」
「だが、われわれは新入りなわけだし、グリッドに居場所を見つけなければならない」
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