シンガポールGP

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ファインダー越しのF1 - 2016年シンガポールGP

Mark Sutton / Jim
2016年9月24日

F1フォトグラファーのマーク・サットンが各グランプリで撮影した特選画像を紹介する『ESPN』独占コラム。2016年シーズン第15戦シンガポールGP編!

【マーク・サットン 2016年9月22日】

空の上から

カメラモデル:Nikon D5 | レンズ:70-200mm F2.8 | シャッタースピード:1/320秒 | アパーチャー:F4 | ISOスピード:1,600 | Photo by Mark Sutton © Goria/Sutton
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これはちょっと一風変わっている。FP2(金曜フリー走行2回目)はフライヤーから最終コーナーを真上から撮影してみることにした。ここに行くにはあらゆるものを検査する必要があるので若干面倒だったのだが、それだけの価値はある。もう何年もここには来ていなかった。一番上に向かって高く高く上りながら撮影した。

その中でロマン・グロージャンが最終コーナーでスライドした場面に出くわし、なんとか撮ったのがこの1枚だ。ただ、ものすごく悔しいことに、彼がウオールにぶつかった瞬間はない。私の視界に支柱があって見えなかったのだ。こういった角度からの写真は数が少ないのでいろんな人が気に入ってくれた。

一発退場

カメラモデル:Nikon D5 | レンズ:24-70mm F2.8 | シャッタースピード:1/500秒 | アパーチャー:F5.6 | ISOスピード:1,600 | Photo by Mark Sutton © Mark Sutton/Sutton Images
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雰囲気のある写真を撮りたいと思い、グランドスタンドに向かった。グリッドでの撮影を終え、国歌斉唱の整列も撮り終え、この場所にたどり着くため、文字通り裏をすり抜けてきた。橋を渡ってホスピタリティエリアを抜けることもできるのだが、なんとかスポットを見つけられた。ただ、観客で満員になるとレンズの視界に入り込む可能性があるのでやや心配ではあった。

幸い、皆さんが避けてくれたのでグリッドを撮影するのには十分なスペースだ。実際、クラッシュをこの目で見たわけではなく、観客の叫び声を聞いただけで、次の瞬間にはマシンがコースのど真ん中に止まっていた。直後、私は500に切り替えてニコ・ヒュルケンベルグがマシンを脱出し、歩いて行く姿を収めようと構えた。メディアセンターに戻り、画像を送りながら、「クラッシュの場面は撮れただろうか?」と思い、画像を確かめてみると、なんと連射に成功していたという、うれしいサプライズ。本当に素晴らしいショットになった。

飛ぶ跳ね馬

カメラモデル:Nikon D5 | レンズ:24-70mm F2.8 | シャッタースピード:1/30秒 | アパーチャー:F16 | ISOスピード:1,600 | Photo by Mark Sutton © Mark Sutton/Sutton Images
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どんどんポジションを上げていくセバスチャン・ベッテルの姿。おそらく、最後の瞬間を除けば今回のレースで最も盛り上がったシーンと言えるだろう。この写真は第1コーナーに向かうところ。フルタン状態でレーシングラインを外れると、路面にマシンがバンバンバンと打ち付けられるような格好でマシンリアからは火花が上がる。見ているにはとても感動できたった。目の前を通り過ぎていく彼の姿をカメラに収められたおかげでまたひとつ良い画像が撮れた。

シャッタースピードを相当低い1/30秒に落とすと火花が見えるので、集中して火花がどこで上がるかを思い描きながらシャッターを切る。基本的には動きが出て火花の効果を生み出し、マシン後方から飛び散る火花が強調されるのだ。シンガポールでなぜこれだけマシンが火花を上げるのか、その正確な理由は分からないが、2008年から路面が再舗装されたことはなく、それが大きな違いを産んでいるのかもしれない。他のF1サーキットもそうであってほしいものだ。

レース前のご挨拶

カメラモデル:Nikon D5 | レンズ:70-200mm | シャッタースピード:1/30秒 | アパーチャー:F16 | ISOスピード:1,600 | Photo by Mark Sutton © Mark Sutton/Sutton Images
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かなり奇妙な光景だった。ルイス・ハミルトンがグリッドに来たのはかなり遅く、やや緊迫感を漂わせていた。マシンに乗るところをカメラに収めたら、また出てきてヘルメットを取り、エンジニアたちと話し出す。ほとんどのドライバーはグリッド前にトイレに行くのだが、彼はそうせずにとどまっていた。

マンチェスターシティの会長が来ており、ルイスの手を握っていくと、今度はリオ・ファーディナンド(イギリスの元サッカー選手)が呼びかけた。彼らが言葉を交わしていたのはほんの数秒だったと思うが、その間にシャッターを切り続けた私は6フレームを確保している。素晴らしい画になったと思うし、笑顔を見せる2人の間にちょっとした感情的な雰囲気を見て取れる。グリッドを訪れる他のスポーツの選手や関係者とドライバーたちが触れ合う場面はいつだって歓迎だ。

チェイス・ケアリーの挨拶回り

カメラモデル:Nikon D5 | レンズ:24-70mm F2.8 | シャッタースピード:1/250秒 | アパーチャー:F6.3 | ISOスピード:1,600 | Photo by Mark Sutton © Mark Sutton/Sutton Images
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金曜日はチェイス・ケアリーの姿を見ることはなかったが、到着と同時に取り囲まれたことは知っている。この画像を撮ったのは土曜日。パドックを歩き回っていると、突然、ケアリーが『CVC』のドナルド・マッケンジーらを含む集団と共に現れた。いろんな人に紹介されながら挨拶して回っており、ロン・デニスと言葉をかわした後はHondaの八郷隆弘CEOも挨拶にやって来た。

ちょっとおもしろかったのはケアリーが八郷氏に向かって「あなた方が主催するここのレースは本当に素晴らしい」と言ったこと。八郷氏はシンガポールGPではなくHondaのCEOだ! ケアリーが短時間で多くのことを学んでいるところなのは間違いない。彼に対する関心度の高さやバーニー・エクレストンのリアクションに注目が集まっていたので本当に興味深かった。バーニーは確か、パドックで自分が話題の中心にならない状況には不慣れのはずだ。

表彰台の頂点

カメラモデル:Nikon D5 | レンズ:Nikon 500mm F4 | シャッタースピード:1/500秒 | ISOスピード:1,600 | Photo by Mark Sutton © Mark Sutton/Sutton Images
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表彰台でのこのジャンプがニコ・ロズベルグのトレードマークになりつつある。いつもながら素晴らしいシーンだ。メインストレートの撮影を終えてから撮った一枚がこれ。メインストレート終わりの付近では花火が上がっていたはずだが、そっちじゃないと考えた。だから、私は"そうだ、これは表彰台にダッシュするチャンスだ"と思い、カメラ機材を抱えて走った。

おかげで最高のスポットをゲット。ロズベルグはすべてのレースでジャンプするので、その準備を整えておかなければならないのだ。500mmレンズを取り出し、彼がやって来る前には万端だった。表彰台に上ってきた彼は観客に手を振り、そしてジャンプを披露。一瞬で8フレームをおさえ、最高のショットを手に入れた。隣には数名、携帯で写真を撮っている人たちがいたので、カメラで撮った写真がいかに素晴らしいかを見せてあげたのだが、それでも、ファンがこれだけ近くでこういったシーンを見られるようになったのは素晴らしいことだと思う。

Sutton Images | Twitter

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