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極端な安全対策はドライバー不要論につながるとホーナー

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2017年8月10日 « Honda、ようやく開幕前のターゲットを達成 | 父の金だけではないことを証明したとストロール »
© Mark Sutton/Sutton Images
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FIAが2018年にハローの採用決定を発表したのは窮地に追い込まれてのことだと語るレッドブル代表のクリスチャン・ホーナーは、この対策によって全てのモーターレースに劇的な結末が訪れることを恐れているという。

散々物議を醸しながらも、F1はこのコックピット保護デバイスを導入することになった。これはスポーツ史における非常に大きなレギュレーション変更となるはずだ。ここに至るまでにF1内でも激しい議論が火花を散らした。ドライバーの意見は分かれ、多くのファンがその外見に不満を叫び、メルセデスの非常勤会長で3度のワールドチャンピオンであるニキ・ラウダは、F1のDNAを破壊するデバイスだと発言した。

FIAが実装を決めたのは、空中を飛んでくる物体によってドライバーが致命的なけがを負うリスクを減らそうとい考えを突き詰めた結果だ。存在する最善のソリューションがハローだと彼らは考えている。レッドブルは昨年、エアロスクリーンと呼ばれる独自コンセプトを発表し、フェラーリもシールドと呼ばれる類似のキャノピー式デバイスを今年のイギリスGPでテストした。しかし、セバスチャン・ベッテルがスクリーンによってめまいが起きると訴えたため、テストは短時間で終了している。

元はメルセデスが考案したハローは2016年シーズン前のテストで初登場したものだが、この瞬間にFIAは何らかのコックピット保護を将来的に選択せざるを得なくなったのだとホーナーは感じたという。

「非常に難しいよ。ハローがマシンに搭載されたことで、FIAは非常に難しい立場に立たされたんだ。なぜなら、それが使われた瞬間、今後事故や不運が発生した場合にハローが命を救えたとなれば、存在するテクノロジーを導入しなかった彼らの過失になってしまうことが確定したからだ」と彼は述べた。「だから、われわれはもう少し美学的にF1に見合うエアロスクリーンを設計し、ゴム草履のようなハローよりもましなものを提案しようとしたんだ」

「最新のシールドはかなり未熟なものではあったが、それでも美学的にはハローよりは満足できるものだった。だが、それにはまだ十分な投資がされておらず、時間も足りなかった。FIAはある意味、ハローしかないというコーナーに追い詰められた格好だったんだよ」

今のところハローを使用することが決定しているシリーズはF1だけだが、FIAはレースの全レベルにコックピット保護が広がることを願っている。ホーナーが恐れているのは、安全を追求するあまりに現在ある形のモーターレースが殺されてしまうことだという。そして、このスポーツには決して完全に除去することのできない最小限のリスクがあることをFIAは受け入れるべきだと忠言した。

「純粋主義者、そして元ドライバーである私がドライブした全てのシングルシーターはオープンコックピットレースだった。マシンに乗り込むということはすなわち、オープンコックピットレースに伴うリスクを受け入れるということだった。心配なのはハローの導入によって、それが全フォーミュラに取り入れられるようになることだ――カートレースなどではどうする? 世界には何十万ものカートドライバーがいるが、一体どこでストップをかけるんだ?」

「MotoGPにロールバーやスタビライザーなどない。このままいくと、いずれ究極的に・・・ドライバーをなくせば安全だという結論に達してしまう。それが不安だよ。何のためのドライバーだ? 自動運転のマシンでいいじゃないかということになる」

「だが、それはスポーツのコンセプトと異なる。ドライバーという要素は不可欠なものだ。その場合、ドライバーはリスクを受け入れなければならない。どこまでが許容できるレベルなのかを決める責任は統括団体であるFIAにかかっている」

2018年に実際に搭載されるハローの最終形態はプロトタイプのものより見た目が良くなるというのがFIAの考えだ。

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