モナコGP

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「アルベール公にシューイを!」

Jim
2018年5月30日
© Dan Istitene/Getty Images
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レッドブルのダニエル・リカルドがダメージを抱える愛車をかばいながら必死の勝利を遂げたモナコGPより『ESPN』特選の無線メッセージを紹介する。

「50%完了。明日、総仕上げといこう!」

モナコでポール獲得も、同じく一番時計を刻んだ2016年に勝利を逃したことを思い、レッドブルに控えめなメッセージを送ったリカルド。もしかすると、またしても容赦ない試練に直面するかもしれない運命を知っていたかのようだ・・・。

「おいおい、正気かよ? あぶねーだろ!」

周回遅れのウィリアムズマシンに対するストフェル・バンドールンの不満が爆発。道を開けるよう青旗が示された後、タバココーナーのインサイドに最小限のスペースしか与えてもらえなかった。

「マジで? チェックしてって言ってよ。やってないと思うんだけど・・・」

ピットレーンの速度違反で5秒ペナルティを受けたブレンドン・ハートレーは驚きを隠せず。

「パワーを失っている! 僕にできることがあれば教えて」

19周目、リカルドのエンジントラブルが発覚。

「そう、こっちで何が起きているのか確認できる。とにかくスムーズに、集中せよ」
「分かってるけど、パワーがないんだよ・・・」

またもや勝利が手からこぼれ落ちていく可能性を思いながら懸命に格闘しなければならなくなったリカルド。レッドブルは任務達成に集中させようと努めた。

「ダニエル、とってもいいぞ。難しいのはちゃんと分かってる」
「良くなる?」
「否、ダニエル、否だ」

無線のやり取りが続く中で、いかなるF1ドライバーであれ最も聞きたくない言葉のひとつに違いない。とりわけ、勝利に向かって先頭を走っているならば特にそうだろう。リカルドは後に、優勝はおろか、フィニッシュさえできるとは思わなかったと認めている。

© Yann COATSALIOU / AFP
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「今後のオーバーテイクはクリーンに頼むぞ、いいな」

シケインで不格好にルノーのカルロス・サインツを追い抜いた直後、もう一台のレッドブルを駆るマックス・フェルスタッペンに向けられた優しい注意喚起。フェルスタッペンは土曜フリー走行でクラッシュを喫して予選に参加できず、週末全てが台無しとなった。

「残り3周、できれば・・・」
「大丈夫、分かってるから!」

勝利に向けて奮闘するリカルドはチームに言葉を慎むよう求めた。

「なんつー明日だ! やったね、みんな。すげー! 雪辱だ」

そしてついに勝利を手に入れた瞬間、その感情を爆発させたリカルド。週末を通して狙っていた"雪辱"をようやく果たした。

© Dan Istitene/Getty Images
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「すごいぞ、ウソみたいだ! 今日は本当によくがんばった! 1995年にシューマッハがやり遂げたようなトップクラスの走りだ」

いつも通り、勝利したドライバーにお祝いのメッセージを送りながらも、かろうじて感情を抑えられている様子のクリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)。興奮に免じて、正確な年でなかったことには目をつぶりたい。正しくはミハエル・シューマッハが1994年スペインGPで披露した勇敢なパフォーマンスだ。シューマッハはレースのほとんどを5速にスタックした状態で走っていたにもかかわらず、2位フィニッシュを果たした。

「アルベール公にシューイを!」

モナコの皇室儀礼に記載されているかどうかは定かでない。リカルドはモナコ公国君主に勝利の美酒のおすそ分けというホーナーの思いつきを適切な形で実行に移すべきと考えたようだ。おそらく最善だったと言えよう。

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