Mercedes

/ News

  • メルセデス

ハミルトンは完全無欠とアリソン

Jim
2020年4月28日 « イギリスGPは開催実現でも無観客決定 | F1、ファクトリー閉鎖期間を再び延長 »
© Marc Gonzalez / AFP7 / Europa Press Sports via Get
拡大

メルセデスのテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンいわく、他の偉大なF1チャンピオンたちと違い、コース上で見せるルイス・ハミルトンの完全無欠さは「前例のない」ものだという。

ハミルトンはこれまでに6回のチャンピオンシップ制覇を成し遂げており、史上最多記録を持つミハエル・シューマッハの7回まであと1回に迫っているほか、同じくシューマッハが保有する最多勝記録91勝にも8勝差のところにきている。数字の上では史上最高のドライバーとして評されるシューマッハだが、数々の不名誉な出来事がそのキャリアに影を落としており、その最たる例が1997年、チャンピオン決定戦となったレースでタイトル争いのライバルだったジャック・ビルヌーブに追い抜かれまいとした行動が原因で選手権から除外されてしまったことだ。

一方、多くの人々が史上最高と呼び、ハミルトンの幼少期のアイドルでもあるアイルトン・セナもまた、1990年日本GPのスタートで王座をかけて争ったアラン・プロストをコース外に押し出したことがある。

メルセデスに加わった2017年以降、ハミルトンと密接に関わってきたアリソンは、その3年間で達成した連覇を含め、クリーンな経歴で圧倒的なレースを演出するハミルトンに感銘を受けたと明かした。

メルセデスの『YouTube(ユーチューブ)』公式チャンネルでインタビューに応じたアリソンは「私は父がRAF(イギリス空軍)だったので軍人の家庭で育った。軍隊ではすべての価値において完全性が何よりも高い位置に置かれていたのだと思う。それについては家庭環境が確実に影響していると思っている」とコメント。

「最高の完全性を持った人々と働ける私は幸運だ。それに、ルイスを特徴づけるものでもあると思っている」

「今や彼は現役ドライバーの中でも最年長の1人だ。それでも、今でも自分が一番若手かのようにドライブする。ただ、複数のチャンピオンシップ制覇と多くの勝利を記録したキャリアなのに、ルイスの悪行を見つけようと思ってもなかなか見つからないはずだ」

「ヒヤヒヤする場面や果敢な場面は見つけられるだろう。でも、下品な行為、ダッジェムカーやバンパーカーのような行為など、彼の走りに策略的なものは見られないはずだ」

「完全無欠の記録なので、彼には何とかこのままを保ってレースキャリアを終えてほしいものだね。多くの世界チャンピオンの中でも、これほどまでの成功を収めてなお、少しの影もなく、スポーツマンシップに欠けるようなこともないのは前例がない」

また、アリソンはこのインタビューでメルセデス加入前の自らの精神状態に若干の光が投じられた経験についても明かしている。まだフェラーリに勤めていた2016年3月、アリソンの妻レベッカさんが髄膜炎で急死したのだ。

「4年経った今でも悲しいが、当時は仕事に向かう車の中で泣くこともあったし、自宅に戻る車の中で泣くこともあった。何をするのが正しいのかが分からなかった。あの頃の私はとにかく穴に潜り込んで二度と出てきたくない気分だったんだ」

「でも、トト(ウォルフ/メルセデス代表)がこのチャンスをくれたし、時間が経てば、また世界とつながっていたいと思えるようになっていればと、そう願っていた。ブラックリーのファクトリーのゲートを歩く頃には少し強くなれていたし、少しは役に立てる気がしていた」

「ベッカ(レベッカさんの愛称)を失った痛みはあったけれど、それでも私にもまだ何かできるかもしれないと、そう思えるようになっていた。数週間が経ち、数カ月になり、数年になった今、トトが私にかけてくれたギャンプルがしっかりと役に立って儲けになっているといいのだけどね」

2020年のF1シーズンは新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、いまだ開幕できずにいる。F1は無観客で開催することになろうと、7月初旬のオーストリアGPを皮切りとするシーズンスタートを願っている。

© ESPN Sports Media Ltd.