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メルセデス、注目のステアリングシステムは「氷山の一角」

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2020年2月21日 « 特別ヘルメットでコービーに敬意を示したリカルド | バルセロナテスト2日目:2月20日 »
© Jose Breton/Pics Action/NurPhoto via Getty Images
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プレシーズンテストでメルセデスのマシンに見慣れないシステムが見つかり、F1パドックを騒然とさせている。

ワールドチャンピオンチームのテスト2日目はルイス・ハミルトンがステアリングを握って始まったが、すぐに彼が操舵(そうだ)のためだけにステアリングホイールを使っているのでないことが明らかになった。

ハミルトンはストレートで明らかにホイールを自分の方へ向けて引っ張っており、コーナー手前ではそれを元のポジションに押し戻している。オンボード映像をさらに分析すると、ステアリングの動きに合わせてマシン前輪の角度――トーと呼ばれる――が変化していることが分かった。

ハミルトンは全てのラップでシステムを起動してはいなかったが、使う際にはステアリングに付いた"マーク"ボタンを押していることが映像から分かる。これは、ドライバーがデータ上のタイミングを記録し、ガレージのエンジニアたちが確認できるようにするためのものだ。

しかし、システムの名称がデュアル・アクシス・ステアリング(DAS)だという以外にメルセデスのテクニカルディレクター、ジェームス・アリソンは詳細の公表を拒否している。

「皆さんがテレビで見た以外のことを大っぴらに明かすつもりはないが、そう、確かにマシンにはそのシステムが付いている。新しいアイデアだ」とアリソンは述べた。「名前があって、DASと呼ばれている――もし興味があるならね。それはドライバーのステアリングに新たな次元を加えるもので、シーズンを通して役立つことを期待している」

「だが、使い方や理由についての詳細は、自分たちの中にとどめておこうと思う」

システムは基本的に、コース上の位置によってドライバーがマシンのセットアップとハンドリングを微調整できるようにするものだ。これには複数のアドバンテージがあると考えられる。F1マシンは通常、高速コーナーにターンインする際の安定性を高めるためにトーアウト(上から見て車輪がやや外向き)でセットアップされている。

ところが、トーアウトのセットアップというのはストレートでは理想的ではない。キャンバー(前から見た時のタイヤの角度)との組み合わせによって過剰な熱が生まれてしまい、タイヤの内側のショルダーにブリスターを発生させてしまう恐れがある。コックピットでトー角を変更することで、メルセデスはベストな形で両方にアクセスし、フロントタイヤの温度をもコントロールする手段を得ることになる。

このDASのようなシステムを規制する明確なレギュレーションはなく、アリソンによるとメルセデスはシステムの開発中にF1統括団体のFIAと密接にコミュニケーションを取ってきたという。

「FIAにとってはニュースでも何でもない。少し前から彼らとは話をしてきた。ステアリングシステム上で何が許可されかのルールはかなり明確であり、これはその条件を満たしているとわれわれは確信している」

ハミルトンは次のように付け加えた。「まだ今日の午前中しか使っていないから、あまりたくさん話すことはないよ。それをしっかり使いこなし、理解しようとしているところ。でも安全上は何の問題もなかったし、FIAもプロジェクトを認めている」

「僕にとっては自分のチームが革新を続け、優位に立ち続けようとしていることがすごく励みになる。それはチームの精神がいい状態だからだと思うから、自分たちの利益になればうれしいよ」

DASがメルセデスにどれだけの恩恵を与えるかは分からない。だが、W11の新たな開発はこれだけではないだろう。テスト中、彼らのリアサスペンションも大いに注目されており、マシンのフロアから空力的ゲインを得るためにロアウィッシュボーンのレイアウトが変更されている。

DASへの注目を楽しんでいるかと聞かれ、アリソンは述べた。「もちろん楽しいよ。とても愉快だ。だが、これはあまり広く認識されていないようだが、われわれがコースに持ち込むマシンはどれもイノベーションで彩られている」

「今回のような独立したスタンドアローンシステムで、目に見えるものばかりではない。私がメルセデスで働いていて大きなプライドを感じることの1つは、ただ毎年製造を続けるだけでなく、いかに速く仕事をしてこうしたイノベーションをコースにもたらし、それを定着できるかを考えているチームの一員であることだ」

「これもまた楽しいが、マシン全体に張り巡らされた同様の工夫の氷山の一角に過ぎない」

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