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危険や技巧への認識向上を願うハミルトン

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2019年9月6日 « イタリアGPダイアリー:ロッシ大好きノリスが大はしゃぎ | レーシング・ポイント、予選Q3進出に自信 »
© Lars Baron/Getty Images
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F1で勝つということについて、それに伴う固有の危険や要求される技術がどうも過小評価されがちだと5度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンは嘆く。

ハミルトンはミハエル・シューマッハが持つ91勝と7度のタイトルというF1記録に近づいており、過去5年のドライバーズタイトルのうち4回を制覇している。ハミルトンが勝てるのは彼が最速マシンに乗っているからだという評価もしばしばされるが、彼はレースでのドライバーの影響は軽視されていると主張する。

「時々不思議になるよ」と彼は述べた。「パフォーマンスがすごく注目され、クルマもすごく注目される。僕に言わせればドライバーの方が重要なんだけどな。レースによって、僕の(メルセデスの)クルマが2台(グリッドに)並ぶこともあれば、間に1台かそれ以上のクルマが挟まることもあるじゃないか。一番速いクルマに乗っていることが重要じゃないんだ」

「僕がこのスポーツを始めた理由、父が僕を見て成功すると思った理由は、彼が買ってくれたおんぼろのカートで僕が他のドライバーたち以上のものを引き出したからだ。レースによっては過去にクルマ以上の力を引き出せたこともある。僕はそれを楽しんでいるんだよ」

「経験上、前戦のように最速じゃないコースに来ることもあるけど、レースではわずかな違いを見せられたはずだ。アプローチはいつも同じ。前回のレースのようにフェラーリほど速くはない場合もあるけど、クルマの性能以上を出そうとするだけ。ほんの少しそれがうまくいって、最速のクルマにあと少しのところまで迫ることができた」

ベルギーGP中のF2の事故で中でアントワーヌ・ユベールが亡くなり、ハミルトンはフランス人ドライバーへの追悼文を『Instagram(インスタグラム)』に投稿した。彼はこのスポーツの危険性がファンやF1で働く人々の間で"十分に認識されていない"と付け加えており、"夢を追うためにリスクを取った"ユベールはヒーローだと述べた。

今週末のイタリアGPを前に、ハミルトンはF1が現実からあまりにも切り離されてしまったと述べ、近年は安全性が高まったことで、外部の人々からは固有の危険が忘れられやすくなってしまったと述べた。

「難しい問題だと思う。いつも言っているように、これはボールを蹴って始められるようなスポーツじゃないんだ」と彼は述べた。「テニスでいいサーブを決めてロジャー・フェデラーのような気分になっても、難しいコーナーにゴールを決めてプロのような気分になっても、レーシングカーで僕らと同じことをして、同じような経験をすることはできない」

「死が常に身近にあったあった時とは違う。その頃の方が人々の意識は高かった。今ではそういうことがあまり起こらなくなり、楽しいスポーツイベントみたいに週末が進んでいくけど、本当はまだすごく危険で、時速200kmを出し、その大部分で僕らは限界ギリギリかそれ以上の所にいるんだ」

「今はランオフエリアが広いからそんなにクラッシュも起きないけど、危険という要素はまだそこにある。それが忘れられないようにするために僕はどうしても口にしなければならなかったんだ」

「僕たちみんな、一緒に働くエンジニアたちやガレージの人たちもそれを認識しなきゃならない。先週末のようなことは起こるし、誰でもショックを受けるけど、これは危険なスポーツであって、僕らはそれをもっと安全にするための努力を続けなきゃならないんだ」

ハミルトンのインスタグラムへの投稿は、彼が土曜日のフリー走行中にミスを犯してタイヤバリアに衝突した際にスパ・フランコルシャンのファンが歓声を上げたことも影響していた。同じく5日(木)のメディアデーでF1ドライバーの安全性について語ったのはルノーF1チームのダニエル・リカルドだった。彼はファンがアスリートたちの直面するタスクをなかなか理解できないことは理解できると言う。

「好きなドライバーだろうがなかろうが、誰かの転落やミスを喜ぶのは良くない」とリカルドは述べた。「(ハミルトンを見て)観客は大丈夫なクラッシュだろうと推測しているんだろうけど、そうじゃないんだ。コースに出るたびにそこにはリスクがある。ウオールに当たれば大丈夫かどうかにかかわらず、それは記憶のどこかに残っているものだ」

「一度クラッシュすればそのコーナーに入るたびに何らかの生理的影響はある。肉体的あるいは精神的に確実に影響が出る。彼はそういうことを言いたかったんだろう、たぶん」

「僕も彼に同意するよ。でもそれは同時に難しくもある。だってファンは、レースをして同じ立場にならない限り、僕らと同じ経験はできないんだから。僕らがボクシングやUFCを見ている時と同じ。つい歓声を上げ、ああしろ、こうしろ、戦い続けろ、起き上がれって叫んじゃうからね。本能的なものだよ。でも、僕らはその場の当事者じゃない。実際にその立場になったら、全然違う行動や反応をするだろう」

「競技者じゃないスポーツのファンってそういうものなんだよ。本当のことを知り、理解するのは難しい。僕らにできることといえば、もしあなたがファンなら、本物のファンになって、僕らのしていることを技術もリスクも含めてリスペクトしてほしいってお願いすることだけだ」

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