Mercedes

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11日(日)夜、レースウイナーとなったルイス・ハミルトンがレース終了間際に完全なエンジントラブルを抱えそうだったことが判明し、2018年ブラジルGPは土壇場でもう一度展開が変わる可能性があった。

メルセデスを駆るハミルトンはポールポジションからスタートしたものの、レース中盤の40周目にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)にオーバーテイクを喫してリードを奪われる。4周後にフェルスタッペンがバックマーカーのエステバン・オコン(フォース・インディア)と接触してしまい、ラップリーダーに返り咲いたものの、その時点でハミルトンのエンジン温度は天井知らずの状態になっており、パワーユニット全体が完全に故障しかけていたという。

「それを感じていた。このエンジンは今年の最初からドライブしているし、感触も何もかも分かっている。自分の手から感じ取れるあらゆることを知り尽くしているようなものだ」と明かすハミルトン。

「だから、いつものハーモニーじゃない形で動いているなと感じ始めたら、僕としてはどんなネガティブな発想も認めたくはないから、とにかくフルスロットルにしないようにして、エンジンに対して楽に行けるように集中するだけ」

実際はハミルトンの感触以上だったようだ。メルセデスを率いるクリスチャン・トト・ウォルフはエンジンが破壊してしまわぬようにエンジニアたちが徹夜で作業したと明かしている。

「エンジン部門のメンバーはこの現場にもいるし、拠点にもいる。10チャンネルのうち1つ――なにせ私は10チャンネルほどの無線を開いているのでね――ミーティングチャンネルから聞こえてきたのは、"ルイス・ハミルトンのパワーユニットはいつ故障するか分からない。次のラップにはダメになってしまうかも"という内容だった」

「私はボリュームを上げて、"え、ちょっと何だって?"と聞いたら、"パワーユニットに重大なトラブルを抱えています。次のラップにはダメになるだろうと"と返ってきた。次のラップに壊れることはなかったので、"時間があるタイミングで何が起きているのか教えてくれ"と伝えた。彼らに仕事をしてもらおうと思ってね」

「そうしたら、"エキゾーストが故障寸前なんです。あらゆる温度の限界を大きく超えています"と」

「だから私は"修復はどうした?"と尋ねた。彼らはすべてのものを下げることで修復し始めた。温度は1,000度から980度に下がったものの、それでも高すぎる。そうこうしていたら、ラップを取り戻したので本当に最悪だった」

コックピットの中では、レースに復帰して後を追いかけてくるフェルスタッペンを安全な距離で抑え込むため、ハミルトンが必要なあらゆるセッティング変更と格闘していた。

「ここにいるエンジニアもイギリスにいるエンジニアも、落とせるものは落として調整しながら必死にがんばってくれたんだ。だから、ドライビングしながら、他にもいろいろとやらないといけなくて、僕にも多くが託されているからね。スイッチの変更とか、"デフォルトのセッティングにできる?"と言われたらやってみるとか、いろいろと言ってくるから」

「エンジンがゴールまでもってくれて本当によかった。最後の10周はずっと、"よしよし、いい子だ、大丈夫さ。一緒にがんばろうな・・・"って、マシンに願いをかけながら叫んでいた。心拍数があれだけ上がっている状態のマシンの中でああいう気持ちになるのがどれだけひどいことか分からないでしょ。僕の場合は心拍数が190を超えるし、最後の10周はすでに苦戦しているマシンを保とうと猛烈なスピードを出していた。とにかく大喜びだし本当にうれしい」

もしハミルトンがエンジントラブルに見舞われていれば、フェラーリがメルセデスよりも8ポイント多く手に入れていたことになり、コンストラクターズ選手権は最終戦までもつれ込んでいた。

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