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技術的な後退を受け入れたメルセデス

Jim
2018年5月27日 « ルクレール、ホームレースに期待大 | 「我慢が足りない」とマルコがフェルスタッペンに説教 »
© Andrej ISAKOVIC / POOL / AFP
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F1のスペクタクル向上を目指す幅広い計画の一部として持ち上がった既存パワーユニットのMGU-H撤廃案にメルセデスが同意した。

MGU-Hはターボから生じる熱エネルギーを回生するシステムであり、ターボラグに有効なターボコンプレッサーの速度をコントロールするためにも使用される。現在、F1で使用されているパワーユニットの中で最も最先端なエレメントであり、市販車用ターボチャージャー付き内燃機関(エンジン)の開発手段にもなっている。

しかしながら、2021年に向けて現在のエンジンをより安価に、よりパワフルに、より音の大きなものにしようとする取り組みの中で、F1は4月のバーレーンGP週末にMGU-H撤廃を含む提案書をチームに示した。メルセデス、フェラーリ、ルノーは当初、既存エンジンからのMGU-H撤廃というアイデアを拒絶していたが、25日(金)、全チーム参加の下、FIAおよびF1オーナーらとの会合を経て、メルセデスを率いるクリスチャン・トト・ウォルフはチームに譲歩する構えがあることを明かしている。

「いくらかの見方を譲歩することにした。MGU-Hをなくすことを受け入れた。技術の観点から言えば後退することになると思うが、スペクタクルの利点に落としどころをつける点ではMGU-Hをなくし、レブを上げ、燃料制限――燃料でそれほどの制限を受けることはなく、音の大きなエンジンを手に入れられると思う」

「われわれが発している最大の持続可能なメッセージではないが、スペクタクルの見解から検討し、承認すべきことであることは理解できる」

2014年に現行のターボハイブリッドエンジン規約が採用されて以来、メルセデスは複雑なMGU-H技術をマスターし、メルセデス製エンジンはF1最高クラスを誇る。さらに、F1の成功を糧にマーケティングメッセージも効果的に発信しており、最近では、その開発したV6ターボエンジンを搭載するロードカープロジェクトの"Project One(プロジェクト・ワン)"を手がけている。ウォルフはF1ストラテジーグループの会議でエンジンに市販車技術との関連性を保ち続けられるよう必死に戦い、完全撤廃と燃料流量制限を拒んできたと明かした。

「ストラテジーグループでちょっとあったんだ。われわれが持っているすべての燃料流量制限やすべての燃料許可量、最初の地点から完全にオープンにしようと話した時には、アンガーマネジメントの専門医に話を聞いてもらわなければならないと思うほど、大きな怒りが湧き上がってきた」

「世界で起きていることに目をつぶることはできないと思う。ハイブリッドエネルギー回生システムは市販車にも適用されており、私の意見としてはF1でもやるべきことだと思っているが、それと同等に、ファンが興味のあることも理解しなければならない」

「技術的なメッセージが必要なのだ。F1は技術的なメッセージなくして成り立たない。それでも、スペクタクルが重要だと認めるレベルに達する必要もあるし、改善可能なエンジンサウンドで度肝を抜く必要もある」

FIAは既存メーカーと潜在的メーカーが開発に必要とする時間を確保できるよう、2021年のエンジンレギュレーションを6月までに公表する計画だ。しかしながら、ウォルフはコストを確実にコントロールできるようにすることが重要になるだろうと語った。

「議題の大半は合意に至っている。ダイノの制限に関する話し合いもあり、インフラを増やして互いに誇大化し続けたいと思っているわけではない。つまり、エンジンレギュレーションに関してはチェックが入ってほぼ終えようとしている」

「解決すべき唯一の大きな課題は今なおエンジン開発に巨額を投じていること。既存エンジンの開発を継続しつつ、新たなものも開発していくこの先数年を通して2倍になることは避けなければならない」

MGU-H撤廃の合意は将来に向けたF1計画の大きな障害を解消する。ウォルフはコスト制限を含む2021年以降のレギュレーションの進捗についてもこう話している。

「リバティ(メディア)がコスト制限をイベントとして捉えるのではなく、プロセスであるべきだと認識していることは非常に良いポイントだった。複数年に渡る必要があり、さまざまな構造が検討されるべきだ。われわれのフィードバックが集められており、われわれが彼らにすべてを伝えた構造もある程度は守られることがはっきりしている」

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