Mercedes

/ News

© Manuel Goria/Sutton Images
拡大

オーストラリアGPで計算を間違え、ルイス・ハミルトンの開幕戦勝利の可能性を台無しにしてしまったことをメルセデスが認めた。

25周にわたってレースをコントロールしていたはずのハミルトンだったが、バーチャル・セーフティカー(VSC)中のピットインで大量にタイムを稼いだセバスチャン・ベッテルに勝利を奪われてしまった。ハミルトンはベッテルのチームメイトであるキミ・ライコネンをカバーするために、通常のレースコンディション下でやや早めにピットストップしていたため、フェラーリの挟撃を受けやすくなっていた。

ハミルトンとライコネンがピットインして以降はベッテルがレースをリードしていたが、古いタイヤを履いた彼は2人に対して徐々にタイムを失いつつあった。頼みはセーフティカーかVSCが入ることだったが、25周目、ハースF1チームのロマン・グロージャンがホイールナットの問題で危険な位置にマシンを止めたことで読みが的中した。

結果として出されたVSCによって、ベッテルは他の人々が遅いラップタイムで周回する中、自身のピットストップを終えることが可能に。これにより、ハミルトンのように通常のレーシングスピードでは20秒以上必要なところを、ベッテルはわずか11秒ほどのロスで済ませることができた。結果、ベッテルはハミルトンの0.682秒前でコースに戻り、残りのレースでリードを守り切っている。

その時点では、ハミルトンが一連の不運に巻き込まれただけのように見えたが、これは本来なら避けられるはずの状況だったとメルセデスは考えている。ピットストップ後、ハミルトンはベッテルの15秒以内にとどまるように指示されていた。彼のエンジニアたちはそれだけのギャップがあれば、セーフティカーやVSCが出たとしてもリードを失うことはないと信じていたためだ。ハミルトンは多少のマージンを見込んで、12から13秒ほどのところを走り続けていたが、それでは十分ではなかったことが発覚してしまった。

「ルイスは何も悪くない」とメルセデスのクリスチャン・トト・ウォルフは説明した。「ソフトウエアのバグか、単純にアルゴリズムが間違っていたことが原因だ」

「われわれのコンピュータは彼がわれわれの前に出るためには15秒必要だと告げていた。そこで、常に3、4秒のマージンを持ってそれを保っていたんだ。すると突然、カメラがピットの出口を写し、セバスチャンがわれわれの前で出てきた。まだ説明がつかない状況だよ」

「単に不運なことに、セバスチャンが2本のセーフティカーラインの後ろで加速して、うまいタイミングでピットに入ったのかもしれない。私には分からないよ。今はまだ仮設に過ぎない。それならば、高速ゾーンで大きく減速しなければならなかったルイスと比べて、彼はVSCで失うタイムがずっと少なくて済んだことになる。われわれが5年ほど使い続けているソフトウエアかシステムが間違った数字を伝えていたんだ」

ベッテルがハミルトンのわずか0.6秒前でコース復帰していることから、メルセデスはVSCの前にもっとハードにプッシュするよう指示するべきだったとウォルフは悔やむが、タイヤとエンジンの摩耗も心配だったという。

「唯一われわれにできたことといえば、彼のピットストップ後にプッシュさせてもっとギャップを広げておくことだった。だが、そこからまだタイヤを40周ほど持たせなければいけないと分かっていたため、あまり酷使しないようにすることが非常に重要だったし、彼がセバスチャンより速く走っていたのは確かなんだ。ギャップは広がっていた。われわれはそのギャップがあれば、VSCの下でも自分たちがリードを守れると思っていた」

「あと3、4秒必要だと知っていれば、レースの最後にタイヤのリスクがあろうとプッシュさせていただろう――(知っていれば)そうしたよ」

「モーターレースの世界では常に、VSCや通常のセーフティカーでも、運に味方されることもあれば、痛い目に遭うこともある。今日のわれわれは痛い目に遭う方だった」

© ESPN Sports Media Ltd.