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メルセデス、「マジック」のような戦略

M.S.
2017年5月15日 « アロンソ、いざインディへ! | 結果で批判をはね返したウェーレイン »
© Charels Coates/LAT/Sutton Images
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メルセデス・ベンツ・モータースポーツ責任者のクリスチャン・トト・ウォルフはスペインGPの勝敗を左右したバーチャルセーフティカー(VSC)・ピリオドがチームにとって"見事"であり、ルイス・ハミルトンの戦略で"マジック"のような決断をするのに役立ったと振り返った。

ハミルトンはターン1でフェラーリのセバスチャン・ベッテルに先行されながらも第1スティントで離されることなくついていき、ベッテルに初回のピットストップを強いている。ここでスピードに優るソフトタイヤを選択したベッテルとは対象的に、スティントを延ばしたメルセデスはハミルトンにミデイアムタイヤを装着。さらに、そのチームメイトであるバルテリ・ボッタスが4周にわたってベッテルを抑えた。

両チームにとってカギとなる瞬間は34周目にやってきた。マクラーレンのストフェル・バンドールンがターン1でフェリペ・マッサ(ウィリアムズ)に接触し、グラベルにマシンを止めたことによってVSCが発令されたのだ。これにより、全ドライバーがデルタラップタイムまで減速した。マシン撤去に3周かかり、メルセデスは最後の瞬間までハミルトンのピットストップを引っ張ったため、ハミルトンがピットの白線をクロスしたときにVSCが解除されている。そのせいでフェラーリは低速の状態を利用して同様のピットストップを行なうことができなかった。

この思考プロセスについて、ウォルフは次のように説明している。

「スタート時はデフォルトの戦略を取る計画だった。ミディアムタイヤを履いてから、そうできることに期待しつつ2セットのソフトで終盤にアタックするというものだ。しかし、そこでVSCが発令された。われわれの戦略グループのプロセスにとっては見事だった。その段階でわれわれはセバスチャンと反対のことを計画し、ベッテルが反応できないよう、VSCが終わりそうなところでハミルトンをピットに入れるというマジックのような決断を下した」

「ゆえに、ジェームズ(ボウルズ/チーフストラテジスト)とストラテジストたちのおかげで完璧なタイミングだったし、その後のセバスチャンよりもずっと速いピットストップだった。コース上で彼を追い抜いたのはルイスのおかげ。出口ではセバスチャンと非常にタイトになって、そこから激しい争いがあり、実に勇敢な動きの末にストレートでリードを奪った」

ハミルトンがピットストップした後でフェラーリもベッテルを呼び戻し、ハミルトンとホイール・トゥ・ホイールになったものの、ターン1でしっかりと守りきったベッテルがハミルトンの前を維持している。しかし、メルセデスの戦略によって最終スティントではハミルトンにタイヤのアドバンテージがあり、ベッテルをパスしたハミルトンは最後までソフトタイヤを保たせてみせた。

とは言え、トップの2人が3番手ダニエル・リカルド(レッドブル)以外の全員を周回遅れにする中、メルセデスはフェラーリがフレッシュなソフトタイヤに履き替えてハミルトンに襲いかかることを懸念し、それに応じた走りをするようハミルトンに指示していたとウォルフは明かしている。

「もちろん終盤に1つの可能性があったため、われわれはフェラーリがもう一度ピットストップを行ってソフトタイヤを履き、われわれを狩ろうとするのかについて長い議論を重ねた。そのため、われわれは反応できるように2.5秒のピットストップギャップを保とうと努力した。最終的にはバランスの問題だったと思う。ギリギリのラインでバランスを取っていた。なぜなら、アンダーカットを避けるためにギャップを維持しようとする一方、ラスト32周でタイヤを保たせなければならなかったからだ。チームワークと戦略、ルイスのドライビングの素晴らしいコンビネーションの賜物だった」

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