
引退を表明したF1ワールドチャンピオンのニコ・ロズベルグは、今シーズンのタイトル争いで敗れていたら少なくとももう1年続けていたと語っている。
FIA表彰式を前にロズベルグは突然の記者会見を行い、F1でのレースを全て終えたこと、そして現役ワールドチャンピオンとしてこのまま引退することを発表した。メルセデスと彼の契約はこの先2年間続くはずだったが、これでチームは来季開幕までに大きな穴を埋める後任を探さねばらなくなった。
ロズベルグはドラマチックな決戦となった最終戦のアブダビで、チームメイト兼ライバルのルイス・ハミルトンに5ポイント差をつけてタイトルを手に入れた。結末が違っていれば、2017年もF1を続けていたと2日(金)に彼は認めている。
「僕は絶対あきらめないから、2位で終わっていたらもう1年やっていたね、間違いなく。それは確実だ」とウイーンのホーフブルク宮殿のステージでトロフィーを受け取った彼は語った。
「6歳でレースを始め、僕の夢はとてもはっきりしていた。F1ワールドチャンピオンになりたいと思い、それを追求し続けてきたんだ。これでミッション達成だよ。僕はやり遂げたんだ。夢がかなったんだから、次に進む。まずは家族だ。先のことがどうなるかは自分の心に従うだけさ」
ロズベルグがメルセデスに意思を伝えたのは今週に入ってからだが、アブダビでチェッカーを受けた時に気持ちはすでに決まっていたという。
「勝った瞬間に分かっていたよ、うん。自分にそれをやる勇気があるかどうかは分からなかったけど、こうして今ここにいて僕はとても幸せだ」
「最後の4戦は信じられない激しくて、とても言葉にできないほどだった。チャンピオンシップが全て自分に懸かっているんだ。最後のレースは今までで一番メンタルにこたえるレースだったよ。妻の出産に立ち会った時を除いてね――あれは完全に別次元の話だ」
「何よりもタフな出来事だったけど、それを乗り越えた後でチェッカーフラッグを受け、タイトルを取った時には一層スペシャルなものが待っていた。ルイスのことはもちろん心から尊敬している。彼は今までずっと僕の大きなライバルだった。驚異的なレベルにいるベストドライバーの1人だよ。その彼からタイトルを奪えたってことがまたさらにこの瞬間をスペシャルなものにしているんだ」
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