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苦痛の中でチームメンバーを励ましたハミルトン

Me / M.S.
2016年10月2日 « 「ペースに満足」とエリクソン | レッドブル、2013年以来の1-2を達成 »
© Rubio/Sutton
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2日(日)、シーズン第16戦マレーシアGP決勝でメルセデスのニコ・ロズベルグが3位表彰台に上った一方、終盤までリードを保っていたルイス・ハミルトンはマシントラブルでリタイアを喫した。

スタートでセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に当てられて大きくポジションを落としたロズベルグは、そのチームメイトであるキミ・ライコネン(フェラーリ)を追い抜いて3番手まで巻き返した際に、ライコネン車に当たったかどで10秒のタイムペナルティを科されるも、チェッカーフラッグまでに十分なギャップを開いて表彰台の最後のステップを確保している。

レースの大部分をリードしていたハミルトンは41周目に突如エンジントラブルに見舞われ、悲痛な叫びを上げながらコース脇にマシンを止めている。

ルイス・ハミルトン

「マックス(フェルスタッペン/レッドブル)は僕のピットウインドーにいたから、とにかくそこから押し出すようプッシュした。ほとんどそれができたんだ。でも、そのときストレートで突然パワーを失った。何か音がして、明らかにストップするしかなかった。正直なところ、僕の視点からはそれで理解してもらわなきゃ。一方で、僕らはここ2年間で本当に信じられないくらいの成功を収めてきたから、そのことはすごくありがたいと思っている。皆がすごくハードに働き、僕ら全員が今は痛みを感じているんだ。レースをリードしていたのにマシンにトラブルが起きて降りるときのあの感覚はすごくキツイし、そのときにポジティブなことを言うのはとてもむずかしい。TVのインタビューで言ったように、メルセデスは43基のエンジンを組んでいて、僕の追加の3基でもっと多くなっているかもしれないけれど、問題の全てじゃなかったとしてもほとんどが僕に起きている。だから、間違いなく受け入れがたいことだ。でも、僕は皆に100%の信頼を置いている。彼らと共に過ごすのは4年目で、ガレージにいる皆も、ファクトリーにいるメンバーも、100%信じている。僕はそれが好きだし、彼らがいなければ2度のチャンピオンシップで優勝できなかっただろう。今は確かに苦戦しているし、今年1年を通してそうだけど、率直に言ってこれは再び復帰して戦い続けるための僕の意思、スピリット、そして人として僕がどういう人物であるかの試練だと感じている。いかに落ちるかではなく、どう復帰するか。それは僕にだけに対するものではなく、皆に対してのものでもある。僕のメカニックたちの目に涙を見たんだ。だから、僕ら全員がこの苦しみに耐えていると僕は知っている。でも、言ったように問題は僕らがいかに再び団結するか。僕らはすでに築いたものが何であるかを念頭に置かなくちゃならない。短期的には良く見えないし、今季の長期的な視点でもあまり良くはないかもしれない。それでも、ポジティブなこともたくさんあるよ。まだ5レース残っていて、今週末のようなパフォーマンスができれば、できることは何でもある。僕らは学んでいく。彼らはエンジンを戻し、何が起こったのか突き止めるだろう。エンジントラブルが起こるたびに彼らは理由を見つける。それが来季に二度と起こらないようにしていくことによって、もしかしたらより良い位置につけるかもしれない。僕にできるのは、今週僕がやったことだけ。きちんと仕事をして、可能な限り集中し、こういうパフォーマンスを発揮してマシンがまとまることを祈る。僕にはまだ自信と希望があるんだ。それってパワフルなことでしょ。まるで神とか、大いなる力みたいなものがちょっと介入しているような感じ。でも、何よりここにいるという機会に恵まれ、この最高のチームですごくたくさんの素晴らしい人たちが周りにいて、ものすごく多くの勝利や何度も破り続けた記録と共に過去2年の選手権で勝っている。今は最高の気分ではなくても、その全てに感謝しなきゃ。もし僕がタイトルのためにすべてをやり尽くした後、今年の最後に何か大きな力が僕の戴冠を望まなかったとしたら、それを受け入れなくちゃね。全力を尽くしたと分かって1年を終える限り、そして自分にできる全てをやり遂げ、僕らにできるはずのことを全部やったと分かっているなら、それ以上求めるものはない。僕がワールドチャンピオンだってことを忘れないで。僕は大丈夫さ」

ニコ・ロズベルグ

「僕は勝とうという意思と共にここに来て、それが実現しなかった。だから、ハッピーだとは言えない。最初のコーナーの後はお先真っ暗だった。もう終わったと思ったし、続けられるなんて思えなかった。コントロールの利かない4冠チャンピオン魚雷(編集部注:ベッテルのこと)が僕にぶつかったようだね! ピットにかなりハードな接触だったと報告した。バトルしながらフィールドを前進できて幸運だったよ。でも、ものすごく集中してそれにトライしたんだ。戦いながら進み、その中でいくつか最高のバトルを心から楽しんだし、表彰台まで巻き返せてうれしかった。本音を言うと、一番後ろからそこまで戻れたことが信じられない! キミとのインシデントの後はペナルティが科されてびっくりした。僕はある時点で仕掛けて、チャンスが見えたからやってみたんだ。クリエイティブである必要があるし、どんなものであれチャンスがきたならそれをつかまなきゃ。アグレッシブな動きではあっても、正直なところOKだったと思うけどね。僕らはそのためにレースしているんだから! だけど、僕はこの判断を受け入れているし、幸運なことにフェラーリよりペースが良かったから結果には影響しなかった。終盤は10秒以上のギャップを開くために全力を出しつつ、エンジンをセーブする必要があった。ルイスの問題があったから、僕らは最後までエンジンを全開にしたくなかったんだ。ルイスにとってはタフな一日だったに違いない。僕のキャリアでも2014年のアブダビみたいに何度か経験があるから、こういう瞬間がどんなにキツイかは分かっている。ひどい感覚だけど、彼は強くなって戻ってくると確信しているよ。彼はファイターだ。でも、僕はレース毎にやっていくだけという原理に立ち返る。次に何が起こるかなんて決して分からない。考えを変えるつもりはないんだ。次のレースは鈴鹿。再びマシンに戻り、また勝利できるよう頑張るつもり」

クリスチャン・トト・ウォルフ(メルセデス・ベンツ・モータースポーツ責任者)

「今日のような1日を要約するのは難しい。ルイスのことについては言葉もない。彼の痛みはわれわれも感じている。これはテクノロジーを満載したメカニカルなスポーツだが、時として合理的な説明のつかない不意打ちを食らうことがある。今年のエンジントラブルの大半が彼に起こるのはおかしな偶然だ――カジノで6回連続で赤が投げられるようなものだよ。だが、われわれはエンジンの組み立て方、トラブルの分析に法科学的アプローチを用いている。これまでもずっとそうだったし、今回もそうする。必ず原因を突き止め、学んでみせよう。だが、今日のような日に法科学を持ち出したくはない――私はルイスの反応に注目したいんだ。今日は彼を失望させてしまい、そのことで自分たち自身を責めている。レースをリードし、チャンピオンシップのリードを取り戻せそうな状況でエンジンがブローするというのはどういうものか・・・テレビカメラの前で何を言っても責めることはできないだろう。気持ちはよく理解できる。だが彼は不満をぶちまけることなく、ガレージに戻ってきて、一人残さずチームのメンバーと握手を交わした。少人数で話し合いを持ったが、皆沈痛な面持ちだったよ。それから彼はチームの前に立ち、日本に向けて早く立ち直れるようにと励ましの言葉をかけてくれた。これは偉大なドライバーたち、真のチャンピオンたちにこそできる行為だ。今日の彼の振る舞いには敬意を払わねばならない。ニコはターン1の後で見事なリカバリードライブを見せてくれた。1コーナーについては2つの見方ができる。セバスチャンにぶつけられたことは不運だったが、あれ以上マシンにダメージを受けずに済んだのは幸運だった。そこから彼はミスのない見事なリカバリードライブによって、3位まで巻き返すことに成功している。ペナルティについてはあまり考えたくないし、結果的に彼のポジションには影響しなかった。だが、あれは完全なナンセンスだ。われわれはレースが見たいと結論づけ、誰かに明らかな非があるのでなければ、レースをさせようと決めた。その結果が、これだよ。コメントは他の人々に任せるとしよう。それは私のプライオリティーではないからね。われわれの課題は鈴鹿での復活だ。このグループの最大の長所の1つは、敗北からさらに強くなって立ち直れること。今回もまた、日本での週末までに立ち直ってみせる」

パディ・ロウ(テクニカル部門エグゼクティブディレクター)

「本当にばかげている。これは1年の中で困難なレースの1つであり、最高のリザルトを残すのはタフだと知りながら週末にアプローチした。実際にその通りの展開だった。最初は1コーナーでニコとセバスチャンの接触があったが、ダメージがなかったのは幸いだった。その次のチャレンジは、彼ができる限り上位に戻れるよう手助けをすることだった。勝利のための争いから1台が脱落したことで、ピットウオールでは2台のレッドブルに対する防御力が弱まるという連鎖反応が起きた。そのうちの1台は必然的にギャンブル的な戦略を選ぶと思われ、実際にそうなったのだが、われわれのマシンのペースはとても優秀で、ルイスとニコは2人とも素晴らしいスピードとタイヤマネジメントを見せていた。ルイスは勝利を確保しようとしている最中に決定的なエンジントラブルに襲われた。われわれも打ちのめされている。この数年、チームとして信頼性強化に懸命に取り組み、成功していたはずだった。実際に、これはレース中で起きた初めてのトラブルだ。だが、われわれはシーズンの最終フェーズでドライバーたちを技術的なトラブルなしで戦わせ、対等に競わせることをプライオリティーとしている。残念ながら今日はその目的を達せず、残酷な結末を迎えてしまった。ルイスは今年一番の週末を過ごし、最高の形でレースを迎えた。予選とレースのパフォーマンスだけでなく、金曜日と土曜日の午前中にチームに与える課題も的確だった。そんな瞬間にトラブルに遭うなど、あまりにも不公平だよ。ルイスは本当に残念だったが、ニコの素晴らしい巻き返しにはとても感心した。ペースやマネジメントの面だけでなく、レース技術も素晴らしかった。これがはっきりと示されたのは最終スティントだ。論争を呼ぶキミとの接触があり、10秒のペナルティを科されたにもかかわらず、彼は十分なギャップを広げてポディウムを守り抜いた。多くが約束されていたはずの週末で残念なリザルトだった。ベストな形で日本に到着できるように、今日のことは全て分析に回す」

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