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ハミルトン、F1の改善策を語る

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2016年3月23日 « NASCARではここまで5年かかったとハース | レースペースは「非常に良い」とアリバベーネ »
© Klynsmith/Sutton
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現役ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンが自身の考えるF1改善策を語り、来年からスポーツを良くしようと思うなら、何よりもホイール・トゥ・ホイールのレースを促進するべきだと提言した。

今年初めに発表された2017年の改革案にハミルトンは批判的な意見を述べており、ダウンフォースやマシンの重量を増やすことにプライオリティーを置くのは間違いだと主張している。日曜日のオーストラリアGPでトロ・ロッソをオーバーテイクするのに苦しんだハミルトンは、全体のラップタイムを縮めるよりも、オーバーテイクのしやすさにもっと目を向けるべきだという持論を再確認した様子だった。

「今日(日曜日に)感じたのは、ここアルバート・パークで他のクルマの後ろを走る時の状態が過去数年と何も変わっていないってことだった」とハミルトンは述べた。「すごく素晴らしいサーキットなのに、近づけないんだ」

「この前、昔のクルマの写真を眺めていたんだけど、確かエストリルでスタート後の1コーナーを写したものだった。ウィリアムズが前にいて、(アイルトン)セナと(ミカ)ハッキネンだと思われるマクラーレンが2台続いていた」

「ワイドなクルマとホイールは最高に格好いいよ――リアホイールは絶対にフロントホイールより大きい方がいい――それから、もっと前に近づけるように、メカニカルグリップを増やして重量を減らす必要がある。今の僕らは滑りまくっているだけ。このタイヤではグリップが得られないし、燃料が軽くなるともうどうしようもないんだ」

「もっと接近することができれば、ドライバーはもっと競り合えるのに、そうするためには変更が必要だ。ところが、実現しそうにない。僕らに5秒のダウンフォースを与えてくれたら、正確に5秒は速くなるだろう。でも、彼らは僕の言うことなんて、僕たちドライバーの言うことなんて聞いてくれない。勝手に他の方法を実行してしまうんだ」

「たとえダウンフォースが増えても、タイヤは良くならないだろう。そうしたら来年もまったく同じレースになるだけさ」

前車のタービュランスによってダウンフォースを失うことが問題の根幹だというハミルトンは、それがタイヤの負荷を増加させるために、ドライバーたちは次のピットストップまでペースを緩めなければならないのだと説明した。

「(オーストラリアでの)僕の最初のスティントを見てみればいい。その12周か15周、僕は何が何でもアタックして、前にいる人を抜くことに全力を費やしたかったけど、できなかった。そんなことをしたらレースが台無しになってしまうからだ。だから、ターゲットに届くよう、バックオフしてタイヤをいたわるしかなかった。でも、そうすると観客はレースを見ることができない。いつもそうなんだ」

「再スタートでも、僕は(カルロス)サインツをパスするためにタイヤ寿命を使い果たすわけにはいかなかった。だって、そうしたら戦略がダメになり、レースの終わりまでたどり着けなくなる。近づけば近づくほどスライドしてしまって、ドミノのように崩れていく。熱を持ち始めてスライドし、ラバーがどんどん燃えていくんだ」

ピレリは2017年にもっと持ちのいいタイヤを作ることに同意しており、提案されているワイドなマシンになればメカニカルグリップも増えるはずだ。だが、ハミルトンはそれを決めるのがドライバーたちの制約を正確に理解していない人々であることに懸念を示す。

「不思議な話だよ。(FIAレースディレクターの)チャーリー・ホワイティングが会合を開くと言っていたけど、僕は行かなかった。エンジニアとの仕事があったからだけど、理由は他にもある。僕らの言うことが真剣に受け止められることなんてめったにないんだ」

「行ったとしても、実際に話すのはセバスチャン(ベッテル)だけなんだし、そこにいたって意味がないじゃない。政策決定者の偉い人たちが形式的に"クルマにどんな問題がありますか?"って聞くふりをしているだけだよ。"パドルを1つにしたら、スタートは難しくなりますか?"とかさ。そんなの僕には別に難しくないのに」

「そういうことなんだよ。クルマのエルゴノミクスを知っているのは僕ら、クルマに起きていることを知っているのも僕らだ。他のクルマの後ろを走る時の制約については一度も聞かれたことがない。それを実際に知っているのは僕らだけなのに」

「決定をしたり、アイデアを出したりする段階で僕らは蚊帳の外だ。決定を下すトップエンドの人たちが多すぎるんだろう。それも、実際にクルマに乗るというのがどういうことなのかをあまり理解していない人たちだと思う」

「でも、今問題なのは決定権を持つ人々がみんな違う意見を持っていて、みんなが同意しなければ何もできないってことだ。僕が理解している範囲では、予算の多いチームは少ないチームよりも発言権が強い。僕たちドライバーも半分はあることを言い、残りの半分は別のことを言う。みんな意見がバラバラなんだよ。僕には正しい答えが何なのかは分からないけど、決断を下す人の数は減らすべきだし、正しい決断ができる人にしてほしいと思う」

F1に対する思いは今も変わらないとハミルトンは強調した。しかし、新しい予選方式が失敗に終わった今、これからは正しい判断ができることを祈るばかりだという。

「僕の発言をどう解釈したかは分からないけど、これを記事にする時は、僕がこのスポーツとレースを愛しているってことだけは忘れないでほしい。今週末もクルマに乗っている時は本当に楽しかったんだ。今日はレースができた。他の人たちの後ろにいたから、戦略を練ってレースをしなければいけなかった。僕はこのために生きているんだ。どんな変更をすべきなのか、すべてが分かるわけじゃないけど、これまでの判断はスペクタクルの改善にはならなかったし、ドライバーの視点から見てレースは良くなっていない」

「どうすればそうなるのか僕には分からないけど、正しい転換ができることを心の底から願い、祈っているよ。今のところそうなる兆しは見られないけどね」

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