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マクラーレンチーム代表のアンドレアス・ザイドルは、新型コロナウイルスのパンデミックによる財政的影響をF1への警鐘とするべきだと考えている。

COVID-19の感染拡大によってF1は休止状態に追い込まれており、10月までに再開できなければシーズンそのものを断念しなければならない可能性も出てきている。開催数を減らして実施したとしても、レース開催費や放映権料、スポンサーシップ契約によって存続しているスポーツの収入は大きく減少することになる。

こうした財政的影響に対処するため、今は全チームがファクトリーを閉鎖しており、マクラーレンを含むいくつかのチームはイギリスの一時解雇政策など、雇用を保護するための制度を利用している。

今こそF1は目を覚まし、来年のバジェットキャップを1億ドル(約107億7,000万円)程度に引き下げるなど、思い切った措置に踏み切るべきだというのがマクラーレンの考えだ。バジェットキャップは来年のF1に導入される新たな試みで、当初の上限は1億7,500万ドル(約188億5,000万円)に設定されていた。16日(木)に予定されているF1投資家たちとの会議を前にザイドルは、チームたちを守るためにスポーツがもっと大きな一歩を踏み出す必要があると強調した。

「今われわれが直面しているこの危機は、かつて不健康で持続可能ではなかったスポーツにとって最後の警鐘だと考える。それは今や大きな変化、抜本的な変化が必要な地点に到達してしまった」と彼は述べた。「われわれが示した通り、最も重要なことはバジェットキャップについて次の大きな一歩を踏み出すことだ」

「今年対面することになる財政ロスを考えれば、それが極めて重要だ。いつになればまたレースに戻れるか分からないので、損失の規模はまだ不明だ。まずは今年を乗り切るために、マシンの凍結といった他の方策と組み合わせることが重要だろう。そしてまた、株主たちには今年の損失を次の数年で補えると示すことも重要だ」

「もちろん、バジェットキャップは低ければ低いほど良い。われわれはあえて1億ドルという数字を挙げているが、これならば望ましいといえる数字を提示した。同時に、この議論には多くの異なる人々が含まれており、規模の違う複数のチームが含まれていることも理解している。われわれは明日の午後に行われる次の会議に期待している。そして近いうちに大きな決断が下せることを願う」

フェラーリはバジェットキャップの大幅引き下げに反対する意志を明確にしており、チーム規模によってキャップを2段階にしてはどうかと独自の案まで提示した。だが、収益が減った結果、小規模チームは存続が危険な状態になるとザイドルは警告し、たとえ今年の支出には影響しなくても、バジェットキャップは2020年の損失を取り戻そうとする全チームの負担を軽減すると述べた。

「それ(いくつかのチームを失うかもしれないというの)はただの懸念ではなく、現実だと思う」と彼は言う。「この危機によってチームを失ってしまう大きなリスクがある。繰り返すが、今年の収入がどうなるかは今のところ分からない。いつレースを再開できるかも不明だ」

「もちろん、みんな可能な限り多くレースができることを願っている。われわれが(FIA会長)ジャン・トッドのリーダーシップに感謝するのはそのためだ。大きな決断を下し、将来のためにバジェットキャップのレベルについてもう一歩大きく踏み出すことが重要だ。今年の助けにはならないかもしれない。今年に関してはコスト節約のためにマシンを凍結するなどの短期的な対策が必要だ。だが、少なくともF1に参加する全員に、これからはもっと持続可能で健康なスポーツになるという展望を与え、チームたちが生き残れるのだという希望を与えることができる」

F1はいつレースを再開できるだろうかと聞かれたザイドルはそう単純な判断ではないと言い、大きなスポーツイベントを開催することが社会的に認められるようになる前に決断を急ぐことは控えるべきだと述べた。

「それは非常に難しい話題だよ。多くの異なる側面に左右される」と彼は付け加えている。「最も重要なのは人々を守ること。つまり、われわれの人々が確実に安全だと分かるまでは決してレースを再開できないということだ」

「あとは各国の指針次第だ。まずは旅行に関する指針と日常生活に関する指針。それぞれの母国に出入りできるかどうか確認しなければならない。それからはただ、レースができるかどうか違う国々の判断を待つだけだ」

「またプロモーターの意向も確認しなければならない。多くのレースが日程変更されることになるので、プロモーターの協力が必要だし、商業的観点からもプロモーターとF1にとって意味をなすものでなければならない」

「そしてもう1つ私が重要だと考えるのは、イベントを再開してもいいという世間の認可だ。まずは保護具、人々のための検査数が確保されてからレースを再開することが重要だ。それらがそろい、実際に必要としている人々に行き渡ってからだ。レースを再開するために自分たちがそうしたものを台無しにしてしまってはならない」

「世間やファンの要望は大きいと思う。特にわれわれが今いるこうしたロックダウンの状況では、たとえテレビの中だけでもスポーツイベントが始まる意味は大きいだろう。それでもやはり、多様な側面を考慮する必要がある」

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