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「必死でF1にしがみつくつもりはない」とヒュルケンベルグ

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2019年9月20日 « F1マシンが10月にハリウッド大通りでショーラン | ピレリ、「大きなサプライズはなし」 »
© Lars Baron/Getty Images
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朝、ヘイジーなシンガポールでニコ・ヒュルケンベルグが目を覚ました時、彼はまだ来年以降も自身のF1キャリアが続くことに自信を持っていたに違いない。

ルノーが2020年にダニエル・リカルドとエステバン・オコンを組ませることを決め、ヒュルケンベルグは急いでシートを探しにいかなくてはならなくなった。だが、この時はまだオプションが残されていた。行き先として最も可能性が高いと思われたのはハースF1チームで、不振のロマン・グロージャンがケビン・マグヌッセンの隣でシートを維持する確率ははたから見れば良くて半々といったところだった。

ところが、19日(木)の午後3時。ようやくヘイズが収まり視界が開けたところで全てが一変した。ハースF1はグロ-ジャンの来季残留を発表し、ヒュルケンベルグの2020年のオプションはさらに狭まってしまった。

「何となく分かっていたよ。予想はできた」と落胆するヒュルケンベルグは詰めかけた記者団に答えた。「ハースF1は確かにオプションだった。話もしていた。でも、どうしても合意できなかったんだ」

「今は(自分がどうするか)分からないけど、まだ可能性や現実的チャンスはあるはずだ。少し時間が必要なだけ。何が利用可能で、何かそうじゃないかは自分で分かる。それは明らかだよ」

2020年に残された空席は現在5つ。

レッドブルはマックス・フェルスタッペンのパートナーをまだ発表しておらず、それが確定すればトロ・ロッソの2席もおのずと埋まる。メインシートを争っているのはアレキサンダー・アルボン、ピエール・ガスリーとダニール・クビアトの3人で、その中の不運な2人はまたジュニアチームに収まることになるだろう。絶対にないわけではないが、そこでヒュルケンベルグが考慮される可能性は低い――一番の理由は彼がレッドブル・ファミリーではないことだ。そうなると、現実的なオプションはわずか2つとなる。

まずは今季末でチーム離脱を発表したロバート・クビサがいるウィリアムズだ。だが、8シーズンで172戦を経験しているヒュルケンベルグほどのドライバーが、グリッド最後尾でジョージ・ラッセルと戦うことを本気で望むだろうか?

「続けたいと思う気持ちと同じくらい、そこに意味を見いだせることも重要だ」とヒュルケンベルグは言う。「僕は何が何でもF1にしがみつこうとは思っていない。やるなら理にかなっている必要があるし、適切な契約でないといけない。別にウィリアムズを無視しているとか軽視しているとかじゃないよ」

ウィリアムズがほぼ消去されたとなると、残るはアルファロメオ・レーシングで現在アントニオ・ジョビナッツィが座っているシートということになる。2018年初めにアルファロメオがチームに参与して以来、マラネロとの技術提携の一環としてそこにはフェラーリのジュニアドライバーが座ってきた。だが、ヒュルケンベルグがF1に残るには、今のところここが最善といえる。

ヒュルケンベルグのオプションが干上がってしまったのは明らかだが、だからといって彼がF1以外に目を向けていることにはならない。

「他の(モータースポーツ)シリーズから関心はあったよ」とヒュルケンベルグは述べた。「でも、まだ本気でそれを探求してはいない。僕の考えは今もまだここにある」

ハースF1はなぜヒュルケンベルグよりグロージャンを選んだのか?

ギュンサー・シュタイナーとジーン・ハースは夏休みを通して契約のないヒュルケンベルグと交渉を進めたが、彼が正式な契約をオファーを提示されなかったのには理由がある。

「時には新たな炎の点火が必要なこともある。だが、2017年から2018年にかけての自分たちの行動を考えてみるべき時もある」とシュタイナーは述べた。「ならば、なぜわざわざ変えてリスクを冒す必要がある? ロマンなら、われわれは十分に能力を把握している」

既知数だったことがグロージャンの大きなアドバンテージとなった。昨シーズン初めに散見された避けられたはずの事故を含め、33歳のグロージャンは多くの浮き沈みを経験している。だが、彼は2016年最初のレースからそこにいて、多くの好リザルトに貢献したのも事実だ。

才能ではヒュルケンベルグも負けていないだろうが、彼が新しいチームになじむまでにはどれくらいの時間が必要だろう。彼が同じ高みに達することができるかも未知数だ。加えて、ドライバーだけを責めることができないタイヤとの長い戦いの末にグロージャンを切り捨てるのは果たしてフェアと言えるだろうか?

「今年のマシンはわれわれの思い通りにパフォーマンスを発揮していない。それはクルマに乗るドライバーたちとは何の関係もないことだ」とシュタイナーは述べた。「ロマンは、クルマの何が間違っているのかを理解するために大きな役割を果たしてくれた。ドライバーを変えることがわれわれの改善に役立つという確信は持てない」

「彼らは2人とも非常にいいドライバーだよ。だが、最終的にわれわれはロマンを残すことを決めた。彼はチームと4年間を一緒に過ごし、チームのことをよく知っている」

グロージャンは確かに契約を手にしたかもしれないが、ハースF1で立場を守れたのは幸運だったと言っていい。彼は今年まだ8ポイントしか獲得しておらず、2018年初めからの総得点を数えると、74対45でマグヌッセンに敗れている。

彼がさらに先まで続けたいと思うなら、一貫性を身につけ、数年来の課題であるエラーを減らす必要がある。

だが、今のところはハースF1との旅を続けられることを喜んでいるようだ。

「5年連続このチームとシーズンを過ごせることになったのは素晴らしいニュースだ」とグロージャンは述べた。「僕らは最初の1日から一緒だったし、この物語はまだ終わっていない気がする」

「もちろん今年はチャレンジだったけど、チームの成長にはいい年だったし、何を間違え、これからどう動けばいいかを知るのためには良かったと思う。ブラック&ゴールドを着て、ハースF1のカラーの下でこれからたくさんのレースをするのが楽しみだよ」

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