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急ピッチで準備を進めるルノー

M.S.
2019年2月13日 « 新シーズンに向けてルノーが新車R.S.19を初披露 | ウィリアムズ、今週末のシェイクダウンをキャンセル »
© Renault Sport F1 Team
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2016年にF1に戻ってきたとき、ルノーは6年計画を描いていた。最初の3年は以前のオーナーシップの元で資金不足によって機能不全におちいっていたファクトリーの立て直しに費やされ、次の3年でグリッド最前方に戻る、というものだ。だからこそ、第2フェーズに入る2019年はチームの前進に多くがかかっている。

ルノーは2018年をコンストラクターズ選手権4位で終えたものの、トップ3との差はいまだ大きい。現実的に、今年の狙いも4位が精一杯のルノーだが、ギャップは縮めなければならない。2020年と2021年に上位の常連になるために、どれだけ差が縮まったかが2019年の成功を測る指標になる。

テクニカル部門を率いるマルチン・ブコウスキーは「われわれは再構築を終え、次のフェーズに向かう。われわれはそれに沿っており、最初の3年間はこのチームを崩壊の危機から救うためにやるべきことが多いので、つつましやかにやってきた」と述べている。

「全体的なロードマップから言えば、われわれはそのプランに沿っていると思う。インフラストラクチャーはあり、優秀な人々がいる。しかし、キャパシティの100%まできているかと言えば、まだ整えるべきものはあり、人々も起用しなければならない。ただ、インフラストラクチャーと仕事をするための頭数という点ではすでにそろっている」

「とは言え、ビッグ3とやり合うためには、あらゆる部分で改善が必要だ」

プレッシャーはかかっており、これから数日にわたってエンストンのファクトリーではことに厳しくのしかかってくるだろう。12日(火)に公開されたマシンは基本的には2018年のモデルに2019年のフロントウイングをつけたものだった。チーム代表のシリル・アビテブールは実際のマシンがまだファクトリーで"バラバラ"の状態だと明かしている。

それらのパーツは土曜日に初めてR.S.19として組み上げられ、バルセロナで実施するフィルミングデーでコースデビューすることになっている。しかし、現状では準備が整うという保証はどこにもない。

アビテブールは「100%確信していることなど何もないというのは、これまでに言ってきた通りだ。2人のドライバーが現場にいる予定で、もし茶飲み話でもしたいなら私もそこへ行こうじゃないか! モーターホームは持っていくだろうし、コーヒーマシンも動いているだろうが、私に確信できるのはそこまでだ」と付け加えている。

とはいえ、この最後の準備作業こそ、過去3年から決別した2019年のルノーを形成する過程なのだ。

「風洞で過ごしている時間と、どれくらいの競争力を持てるかの間には直接的な関係があるとわれわれには分かっている。したがって、リードタイムをどれだけ減らせるかと競争力の間にも、また直接的な関係があるわけだ。われわれに必要なのはそういった類のこと。われわれは常にレッドラインを模索しなくてはならない」

「もしかしたらややレッドラインを行き過ぎたのかもしれない。それが、われわれが話しているように準備を間に合わせてテストができるようにパーツを世に出すため、すでに懸命に働いている製作のことだけを考えている理由だ」

「シェイクダウンの場でうまくいっていないパーツがあるのを唐突に知るなど、避けたいものだ。ゆえに、これはバランスを取る訓練のようなもの。1歩行き過ぎてしまったので、おそらく来年はそこを見直さなくてはならない」

また、ルノーの意図を物語るもう一つのものが、2019年のラインアップだ。レッドブルからやってきたダニエル・リカルドがニコ・ヒュルケンベルグに合流し、今季のルノーはグリッドでも最もエキサイティングなコンビの一つを形成している。リカルドは2014年からレッドブルに在籍し、これまでに昨年のモナコGPを含めて7勝を挙げてきた。そして、ステアリングを握る前からチームに影響を与えている。

アビテブールは続けて「これは実際にわれわれの野心の声明だが、一方で当時を振り返って昨年にダニエルを獲得する機会をうかがっていたわれわれの立場になってみれば、それを選ばなかったとしたら何を意味することになるだろう? それはわれわれが自分たちを信じていないことを意味する。ファクトリーでみんなの前に立って士気を上げようとするとき、皆にわれわれがこのプランに沿っていると説明するのに、獲得可能な中で最高のドライバーを得ることなく、彼を捕まえようとしないのならどうなることか」とコメントした

「だから、それはあべこべのやり方だと思う。われわれはデフォルトで、チャンスをただ逃すわけにはいかなかった。今や私にとって、ルノーにとって、チーム全体にとって、これが意味するところは責任を受け入れるということ。けれども、同時に全員にモチベーションを与えてくれる大きなチャンスでもある。われわれは冬の間に厳しい決断を下し、どれくらい製作をプッシュするかをただ話し合った。それについて不満を言うものはいなかった。なぜなら、誰もがダニエルに可能な限りベストのマシンを与えたいからだ。冬の間にヴィリー(のエンジンファクトリー)のチームは土曜日も働いていた。われわれは休日を返上していたのだ。第52週はクリスマス前にファクトリーをシャットダウンするのが通例。それがリソースを最適化する上でベストの方法だからだが、われわれはそれをキャンセルした」

「われわれが擁しているドライバーのことをかんがみ、誰もがその決断に異議を唱えなかった。マネジメントの観点からすれば、そのことでプレッシャーがいくらか生まれたが、同時に良い機会でもある。われわれ全員が持っている野心を喚起する上で、私にとってはやりやすかった」

リカルドにとってルノー移籍は大きな賭けだった。リカルドが所属している間にレッドブルがタイトルチャレンジャーになることはなかったが、少なくともレースに優勝する機会はあった。今年のルノーに優勝や表彰台を期待する者はおらず、火曜日に行われた新車のローンチでも(少なくとも公には)それを夢見る者はなかった。

しかし、リカルドは今回の自身の動向と2013年のルイス・ハミルトン(メルセデス)の間に共通項があることを願っている。2013年にメルセデスに加入する前のハミルトンは、マクラーレンで21勝と1回の選手権制覇をマークしていた。一方、メルセデスは2010年にF1に復帰して以来、1勝しか記録していなかったのだ。その期間に多くの投資を行ったメルセデスの努力は2014年に報われ、ハミルトンはさらに52勝と4度の戴冠を経験するに至っている。

「彼が移籍したときのように成功できればうれしいね」とリカルドは『ESPN』に話した。

「いろいろな面でそれは僕がここで得たビジョンに似ているし、彼はすぐに勝てるマシンに飛び乗れたわけじゃなくて、2013年には1勝しかしていない。だけど、選手権に勝つには明らかにやらなければならない仕事があるんだ」

「ここでやるべき仕事はもっと多いかもしれないし、そうじゃないかもしれない。僕のインプットもいくらか必要だろう。でも、僕にとってそれ自体がエキサイティングなことだし、準備はできているよ。このチームが前にプッシュされていない背景に、何か一つの理由があるとは感じていない。彼らには施設もリソースもあって、ここでもヴィリーでもまだ建設中だ。僕らにはただ、全てを正しいエリアに配置する必要がある」

リカルドがレッドブル離脱の決断に平安を見いだしたことを疑う理由も、ほとんどないようだ。

「これからの12カ月でメルセデスから誰かがチャンピオンソップを奪う光景はなかなか見られないだろうね。もしかしたらフェラーリができるかもしれないけれど、この2チームに割って入るのは難しい。だから、レッドブルとルノーを見るに12カ月の間に失うものはそんなになさそうだし、その枠を超えても2019年に僕がどこにいようと勝利はないだろうということを受け入れ、あとは長期的なところから考えたんだ。これが自分にとってうまくいくと考えたのはそういう部分だよ」

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