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勝たなければならない鈴鹿を制したレッドブル

Kay Tanaka
2010年10月11日 « 2010年第16戦ドライバーコメント決勝 | ペトロフ、韓国GPで5グリッド降格 »

ダウンフォースが必要な中高速コーナーが多い鈴鹿サーキットは、レッドブル・ルノーRB6のマシン特性に合うと考えられていた。実際、今週末は初日から決勝レースまでレッドブルが圧倒的な力を発揮。フロントロー独占を1-2フィニッシュにつなげてみせた。前戦まで2戦連続で優勝していたフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は3位に入り、ダメージを最小限に抑える結果に。マクラーレン勢は4位と5位で続いたが、ルイス・ハミルトンには信頼性の問題も発生してタイトル獲得に暗雲が立ち込めている。

中団チームや下位チームでは健闘が目立った。もちろん、最も注目を集めたのは小林可夢偉(BMWザウバー)だろう。予選では最終シケインでわずかにオーバーランして14番手に終わったが、レースではコース上でオーバーテイクを連発して7位入賞。山本左近(HRT)は厳しいマシン状況ではあったが、健闘を見せた。

【マクラーレン】
ジェンソン・バトン(予選:6番手/決勝:4位)
ルイス・ハミルトン(予選:3番手/決勝:5位)

ハミルトンは予選前に予定外のギアボックス交換を行ったため、レースは8番グリッドからスタート。序盤はバトンとランデブー走行を続け、バトンの前に出ることにも成功。しかし終盤になって3速ギアにトラブルが発生、1速、2速、4速、5速・・・というようにシフトアップ(シフトダウンも同様)しなければならず、31周目から37周目までは1分35秒台を連発していたのだが、38周目からファイナルラップまでは43周目の1分36秒047が最速で、それ以外は1分36秒台や1分37秒台に甘んじた。これでバトンに対してポジションを失い、5位。バトンも4位でポイント差が開きタイトル争いで後退したが、チームとしてはまだあきらめていないようだ。

【メルセデスGP】
ミハエル・シューマッハ(予選:10番手/決勝:6位)
ニコ・ロズベルグ(予選:7番手/決勝:リタイア)

シューマッハは序盤にポジションを上げると、その後はチームメイトを攻めたてて6位入賞。ロズベルグはセーフティカー導入時にピットに飛び込んだこともあってライバルがピットインする間にポジションを上げたが、その後はタイヤを労わりながら厳しいレースになった。最終的にはダンロップで左リアタイヤが外れてリタイアに終わったが、詳しい原因は調査中とのこと。

【レッドブル】
セバスチャン・ベッテル(予選:ポールポジション/決勝:優勝)
マーク・ウェバー(予選:2番手/決勝:2位)

予選でフロントローを独占したレッドブルは、レースでも1-2。スタートでウェバーは出遅れクビサにポジションを奪われるが、クビサのリタイアに助けられた。レースに"たられば"は禁物だが、もしクビサが第1スティントを通じてウェバーの前に立ち続けていたら、ウェバーがアロンソのプレッシャーを受けることになっただろうし、すんなりと2位表彰台に立てたかどうかは疑問だ。それでもチームとしては"鈴鹿はレッドブルのために設計された"と言われるほど鈴鹿のコース特性にマシンがぴったりはまり、レースでもライバル勢を圧倒した。ベッテルは6月末のヨーロッパGP以来となるシーズン3勝目を挙げ、ランキング3位に浮上。ウェバーもポイントを着実に増やし、残り3戦での両者のタイトル争いにはますます注目ということになる。

【フェラーリ】
フェリペ・マッサ(予選:12番手/決勝:リタイア)
フェルナンド・アロンソ(予選:5番手/決勝:3位)

2戦連続ポール・トゥ・ウインを果たしたアロンソでも、鈴鹿ではレッドブル勢に太刀打ちできなかった。マッサがオープニングラップにクラッシュを喫して戦線を離脱したが、走行を続けていてもレッドブル勢を脅かすことは無理だったろう。アロンソとしてはしっかり表彰台に上って15ポイントを手にし、ウェバーとのギャップを3ポイントプラスに抑えた。次戦の韓国GPもコース特性的にはレッドブル向きだろうが、終盤戦で逆転するためには息をつく暇はない。

【ウィリアムズ】
ルーベンス・バリチェロ(予選:8番手/決勝:9位)
ニコ・ヒュルケンベルグ(予選:9番手/決勝:リタイア)

ヒュルケンベルグはスタート直後に後ろからやってきたペトロフと接触し、フロントウイングを踏まれてリタイア。バリチェロはポイント獲得を果たしたが、スタート位置よりもポジションを落とした。

【ルノー】
ロバート・クビサ(予選:4番手/決勝:リタイア)
ヴィタリー・ペトロフ(予選:13番手/決勝:リタイア)

ハミルトンのグリッド降格によって3番手からスタートしたクビサ。ウェバーをかわして2番手に浮上したが、セーフティカー導入中に右リアタイヤが外れ、リタイアに終わった。ペトロフはスタートでヒュルケンベルグと接触し、ホームストレート左のバリアに激突。今週末から新しいロシアのウオッカ会社がスポンサーについたのだが、来年の残留に向けて厳しい状況は続く。

【フォース・インディア】
エイドリアン・スーティル(予選:15番手/決勝:リタイア)
ビタントニオ・リウッツィ(予選:17番手/決勝:リタイア)

フォース・インディアはまさかのダブルリタイア。コンストラクターズ選手権ではウィリアムズに2ポイント差に詰め寄られ、ランキング6位確保に暗雲が立ち込めている。リウッツィはスタート直後にマッサと接触し、ターン1のバリアに激突。スーティルはポイント圏内を走行していたが、メルセデス・ベンツ製のV8エンジンにトラブル。全日本F3時代に輝きを放ったコースで結果を残せなかった。

【トロ・ロッソ】
セバスチャン・ブエミ(予選:18番手/決勝:10位)
ハイメ・アルグエルスアリ(予選:16番手/決勝:11位)

ブエミは今シーズン初めて予選Q1で敗退を喫したが、レースではうまく戦ってポイントをゲット。アルグエルスアリは可夢偉と争う場面があったが、コース上で2回のオーバーテイクを許してトップ10に入れなかった。

【ロータス】
ヤルノ・トゥルーリ(予選:19番手/決勝:13位)
ヘイキ・コバライネン(予選:20番手/決勝:12位)

通常の展開でポイント争いをするドライバーたちが多くリタイアしたこともあって、ロータスは12位と13位という今シーズン最高の成績を残した。今のところコンストラクターズ選手権10位を確保しており、残りレースもこの流れを維持したいところだろう。

【HRT】
山本左近(予選:23番手/決勝:16位)
ブルーノ・セナ(予選:24番手/決勝:15位)

左近は2006年以来の鈴鹿だったが、レースでは大部分でトゥルーリがグロックを抑え込むシーンを見せた。マシンのポテンシャル的には最も劣るマシンではあり、レース中にトラブルを抱えたことでチェッカーを受けた中では最下位に終わったものの、レース中のファステストラップではブルーノを上回った。

【BMWザウバー】
ニック・ハイドフェルド(予選:11番手/決勝:8位)
小林可夢偉(予選:14番手/決勝:7位)

可夢偉はヘアピンでアルグエルスアリ、スーティル、バリチェロ、ハイドフェルドをオーバーテイクし、見事7位入賞。鈴鹿のスタンドに詰めかけたファンを大いに沸かせた。チームメイトのハイドフェルドも復帰2戦目にして入賞。チームは今シーズンで最も多い10ポイントを稼ぐことに成功した。レースペースはトップチームに次ぐものを持っているが、チームとしての課題は予選。トップ10圏内からスタートできればさらなる好成績を残せるだろう。

【ヴァージン】
ティモ・グロック(予選:22番手/決勝:14位)
ルーカス・ディ・グラッシ(予選:21番手/決勝:出走できず)

ルーカス・ディ・グラッシはダミーグリッドにつく前のレコノサンスラップでクラッシュを喫した。高速コーナーの130Rでコントロールを失い、マシンは大破。レース開始の20分前だったこともあり、当然ながら修理は不可能。レギュレーションによってスペアカーは禁止されているため、DNS(出走せず)という結果になってしまった。グロックは序盤から左近をかわせず、ロータス勢に追いつくこともできなかった。

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