イタリアGP

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  • ちょっとした歴史の繰り返し

ファインダー越しのF1 - イタリアGP

Mark Sutton / Jim
2010年9月19日
2010年のロータス(上)と、47年前のロータス(下) © Sutton Images
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F1カメラマンのマーク・サットンが2010年シーズン第14戦イタリアGPを振り返ります。

【マーク・サットン 2010年9月15日】

モンツァが醸し出す歴史的な空気は本当に特別で、初めて訪れた者は誰しもが、今や静かに眠る古いバンクや、その雰囲気に飲み込まれる。

金曜日の午後、オリジナルレイアウトからどこも変わらないパラボリカに出向いたところ、何かノスタルジアやデジャヴのような感覚に襲われた。これまで一度も撮影できなかったフェンスに誰かが開けた穴があるではないか。直後、そのアングルは1960年代のアーカイブ画像にあった写真を思い出させた。私たちは1963年に優勝したジム・クラークの象徴的な写真を持っているのだが、デビッド・フィップスがまさにその場所から撮影したものだったのだ。

だから、私はその場に座り、47年前の再現をしようとロータスがやって来るのを待った。写真の中にはグランドスタンドが写っているものの、コーナーそのものは実質的に何も変わっていない。本当にすごかった。そこから撮影したのは初めてのことで、なぜ今回、その穴があの場所にあったのか思いつく理由もなく、私は少し奇妙に感じていた。正直、モンツァで撮った他の写真には比較できるものがないが、比較するものがないということは撮影した価値があるということだ。

パラボリカは現代のF1マシンでさえ、実に見事でチャレンジングなコーナーであり、そのエイペックスにそびえるタワーから撮影した写真は必ずお気に入りとなる。最近タワーが補強されたので、この先も数十年にわたって撮影ポイントとして使われ、年を追うごとに比較する写真が増えていくことを願う。

そこに立つと、どのドライバーがプッシュしていて、どのドライバーがそうでないのかが分かる。また、遅いマシンの挙動から、それらのダウンフォース不足も目に見てとれる。わずかにバンクがかっているので、ドライバーたちはオポジットロックで(カウンターステアを当てながら)入り、そのまま抜けていかれる。そこに立って見ていると本当にものすごいコーナーだと分かるはず。間違いなくオススメだ。

ティフォシと共に勝利を祝うフェルナンド・アロンソとフェリペ・マッサ © Sutton Images
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土曜日にフェラーリがポールポジションを獲得したことで多くの観客がサーキットを訪れたものの、予選後は本当にそうなるか疑問に思っていた。というのも、以前は土曜日にトリビューン(パラボリカの観戦席)に観客があふれることが当たり前だったが、今はもう予選で満席になることはない。フェラーリが優勝しそうになければ行きたくないかのようにも思える。

レースが終わると、詰めかけた観衆は鮮やかなフェラーリの勝利に酔いしれ、いつものように本当にファンタスティックな表彰式となった。ただ、ちょっとした秘密を明かすと、コース上に広げられたあのフェラーリの大きな赤い旗はすべて計画されていたことで、事前にリハーサルも行われている。旗を持つ人々は早めにゲートに入っており、誰よりも早くフィニッシュラインに行くことができたのだ。きっと、彼らをコースに入れた中に友達の友達がいたに違いない。なぜなら彼らは最初にコースに入れるよう、ずっとゲートの脇で待機していたのである。だが、悪いことじゃない。つまりそれはあの旗が常にポールだということだからね!

おかげで素晴らしい写真を撮れたものの、究極に最高なポジションはその光景を見下ろせる表彰台の上だ。どれだけたくさんの人々がいるかは、かなり高いところからでないと伝えるのは難しいが、それでも雰囲気は感じられる。モンツァの表彰台は唯一無二だ。あのように表彰台がコースにかかり、ドライバーもファンも大騒ぎできるサーキットは他にない。

ブリヂストン主催のコンテストで2位に入ったマーク・サットンの写真 © Sutton Images
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それからちょっとした自慢がある。今年末でF1を去るブリヂストン主催の写真コンテストで2位に入ったのだ。14年にわたるF1活動を記念してコンテストを開催したブリヂストンが14年間に撮影された中から上位3枚の写真を選んだ。私が出したのは1999年の表彰台、ブリヂストンのキャップをかぶったミハエル・シューマッハとミカ・ハッキネンが写っている1枚だ。とても素晴らしい、笑顔あふれる写真だった。近年には多くの芸術的な写真が撮影されているが、私が思うに彼らは昔の写真が欲しかったのだろうと思う。それから、とにかくシンプルで分かりやすいもの。

レース後にもどこか懐かしい場面に遭遇した。フェルナンド・アロンソがインタビューを受けていたメディアブースを離れてすぐ、ボディガードに取り囲まれた瞬間だ。カメラに収めたかったのだが、フェラーリのスタッフや警察からなる集団とのバトルに参戦したくなかったので、スクラムの中で自分のカメラを掲げてフェルナンド(アロンソ)の名前を叫んだ。彼は私がどこにいるのか見えなかったようだが、それでも親指を立ててポーズを取ってくれ、結果的に完ぺきな画が撮れた。かたや、他のすべてのカメラマンは後ろを走り回り、必死にがんばっていた。きっと私が撮った1枚はそれらの中でも素晴らしいショットになっているはずだ。

ボディガードに取り囲まれるアロンソ(上)と、ナイジェル・マンセル(下) © Sutton Images
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とにかく、その写真は1992年にメキシコでナイジェル・マンセルを撮った時の1枚を思い出させた。その時も似たような状況で、腕を組合ったSPやボディガードが彼を取り囲んでいたので、私は彼らの体の間にカメラを突っ込み、シャッターを押した。何とかして1枚撮った時にはボディガードの1人が拳銃に手をかけるのが見えた。

次はとても楽しみにしているシンガポールだ。興味深い背景が多く、もちろん夜という要素もあるが、美しいサーキットだと思う。夕暮れに実施されるフリー走行もあるので、地平線をバックに太陽の光に照らされるところも撮影できるのが素晴らしい。

過去2年のレースはドライの週末だった――幸運にも。しかし、この時期、現地は雨季だ。セッションが豪雨に見舞われるのも時間の問題かもしれない。雨天になればドライバーはもちろん、われわれにとっても新たなチャレンジとなる。そうなれば何が起きるかおもしろくなるだろう。

夜間の撮影に向けて、今回はキヤノンEOS 1D Mark IVカメラを持っていく。照明が少ない条件でも驚くべき効果を発揮するため、きっと役に立つはずだ。昨年はそれがなく、ISO感度が高くなると光が弱い中でも明るい写真が撮れるので、昨年の写真と比べてもらえば分かる。

今年はさらに素敵な写真が撮れると言うマーク・サットン © Sutton Images
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私たちがシンガポールに行ってやらなければならないことは他にもある。ヨーロッパ時間で過ごすこと。つまり、遅くに起きて朝方眠る生活だ。問題は食事にありつけるかどうかだが、今年は少し経験を積んでいるので遅くも開いている場所はいくつか目星が付いている。

また、オーガナイザーとの仕事もあり、大きなセミナーや展示会が予定されているので楽しみにしている。そこに毎年開催されているパーティーや音楽のコンサートが加われば、必ずや素晴らしい週末になるに違いない。どんとこい、だ。

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Sutton Motorsport Images (サットン・モータースポーツ・イメージズ) | GP Week

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