イタリアGP

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ファインダー越しのF1 - 2015年イタリアGP

Mark Sutton / Jim
2015年9月12日

F1フォトグラファーのマーク・サットンが2015年シーズン第12戦イタリアGPで撮影したお気に入りの写真を紹介する『ESPN』独占コラム!

【マーク・サットン 2015年9月10日】

イージーライダー

カメラ:Apple iPhone6 | Photo by Mark Sutton © Sutton Images
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皆からは「いつもカメラを持ち歩いているね」と言われる。そう、これがその証拠。仕事を終えてサーキットを出ようとすると、幸運にもルイス・ハミルトンの帰宅とかぶった。実はこの写真、自前のiPhoneで撮ったもの。これだけ高画質の写真がこんなにも簡単に撮れるなんて、携帯電話のテクノロジーがいかに優れているかことか。58コマほどの写真を撮り終えると、ホテルに戻る車に乗ってすぐにベストショットをオフィスに送信。素晴らしい作業の流れだったと思う。カメラを取り出していたらきっと取り逃していただろう。本当に一瞬の出来事だったのだ。たぶん彼は単にパドックを出ていこうとしただけだろうが、1人か2人のF1ドライバーをひと目見られればと願いながら一晩中待ち続けたファンのために、停車してバーンアウトを披露したのだと思う。彼自身も楽しそうにしていたし、バーンアウトの後にはファンの前をクルージング。その場の雰囲気は最高だった。ヘルメットはかぶっていないけれど、まるでイージーライダーのようだった。

ファンのお気に入り

カメラモデル:Nikon D4s | レンズ:Nikkor 70-200 F2.8 | シャッタースピード:1/320s | エクスポージャー:F11 | Photo by Mark Sutton © Sutton Images
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サイン会の撮影をいつも楽しみにしているのだけれど、モンツァはピットレーンにカメラマンが入れない。代わりにピットレーンとコースを見渡せる表彰台に上ったところ、この最高の光景を目撃できた。ダニエル・リカルドがサインしている様子を写した場面だ。このスーパーファンはビリー・ヒルと呼ばれていて、たくさんのレースを感染しているのだが、今年は奥さんが出産したばかりであまりレースには来られていない。その彼が、周辺のファンの協力を得ながらトレードマークにしているキラキラのヘルメットをリカルドの元に届けた。サインしてもらうためだ。サインを終えたリカルドはそのヘルメットを自分の頭にかぶって、そのまま他のファンのサインを続行! 本当におもしろい場面だったし、ダニエルはこういうことが大好きなので、ファンと一緒に写真を撮って楽しんでいた。F1にはこういうドライバーが必要だと思う。ファンとの時間を大切にするドライバーが。たとえ自分が面白おかしく見えたとしても気にしない、そんなドライバーが。もしかしたら彼もいずれ変わってしまうかもしれないけれど、ただただその瞬間を楽しもうとする彼の姿勢は素晴らしいと思っている。ブランドとか見た目とか気にしない人。だからこそ、彼のいる場所はいつもムードが良くてテンションが高いのだと思う。

モンツァの祝福

カメラモデル:Nikon D4s | レンズ:Nikkor 70-200 F2.8 | シャッタースピード:1/320s | エクスポージャー:F11 | Photo by Mark Sutton © Sutton Images
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モンツァの表彰式と言えば恒例のクレイジータイムだ。いつも撮影にはもってこいの雰囲気を生み出してくれる。紙吹雪は感動的だったものの、表彰台のセレモニーを撮影しようとロングレンズを使っている時は撮影がかなり難しい。向こうに送風機が見えていたので紙吹雪が飛ぶのは分かっていたが、始まった当初は緑の海。イタリアンカラーの残りの白と赤がどうなっていたのか私は知らない。紙吹雪がレンズに飛んできてしまったとはいえ、その場にいられたことは本当に最高だったと思う。モンツァのような場所は他にない。ドライバーがタワーの上に立ち、ファンを見下ろす風景は本当にスペシャルだ。シルバーストーンもピットレーンをまたぐ表彰台で、レース終わりにファンがコースに雪崩れ込むスペースがあると思うからやればいいのにと思っている。パクリなのは分かっているが、それでもファンにはちょっとしたプレゼントになるはずだ。

ちっちゃなジャッキー

カメラモデル:Nikon D4s | レンズ:Nikkor 70-200 F2.8 | シャッタースピード:1/1000s | エクスポージャー:F8 | Photo by Mark Sutton © Sutton Images
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子供のようなミスでこの場面を逃しかけた。ジャッキー・スチュワート卿がモンツァで初めてのグランプリ優勝を果たして50周年。土曜日にかつてのBRMを駆ったデモンストレーションランが行われた。撮影会の場所はフィニッシュラインだと言われており、私の中ではスタートラインと同じ場所だと思い込んでいた。それが、実はモンツァのスタートとフィニッシュのラインはグリッドの長さで分けられていて、私は違う場所で彼が戻ってくるのを待ってしまっていたというわけ。そうしたら、彼が停車する予定場所の近くでチェッカーフラッグが振られているのが見えた。その瞬間、まずい、ここじゃない、と気づいたが、ジャッキーはすでにマシンを降り始めていたので必死にピットレーンをダッシュしてポジションに向かった。幸い、ビンテージのレーシングスーツを身にまとい、オリジナルのヘルメットを手にした彼が50年前のトロフィーを掲げてポーズを取るこの場面には立ち会えた。

Sutton Images | Twitter

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