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バトン、F1通算200戦目を勝利で飾る!

Kay Tanaka
2011年7月31日 « ハンガリーGP予選後の記者会見パート2 | バトン優勝になぜか笑顔のホーナー »
ウエットとドライが入り混じる難しいコンディションを制したのはバトン! © Getty Images
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31日(日)日本時間21時から2011年F1世界選手権第12戦ハンガリーGPの決勝レースが、ハンガロリンク(全長4.381km)で行われた。決勝の周回数は70周、レース距離は306.630kmだ。

前日の公式予選ではセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今シーズン8回目となるポールポジションを獲得。2番手にルイス・ハミルトン、3番手にジェンソン・バトンとマクラーレン勢が続いた。小林可夢偉(ザウバー)は予選Q3に進出することができず、13番手となっている。

暑いコンディションが代名詞の真夏のハンガリーGPだが、レース直前のハンガロリンクは朝に降った雨によって気温が17℃、路面温度は18℃というウエットコンディション。タイヤサプライヤーを務めるピレリは、側面に赤いラインが引かれているスーパーソフトコンパウンド(オプション/ソフトタイヤ)と黄色いラインが引かれているソフトコンパウンド(プライム/ハードタイヤ)という2種類のタイヤを投入したが、レースでは最初から雨用タイヤが使用されたため、2種類のドライタイヤ装着義務はない。

24台のマシンがダミーグリッドを離れてフォーメーションラップを開始。雨は落ちていないものの路面はウエット状態のため、どのマシンも小雨用のインターミディエイトタイヤでスタートを切ることを選択した。

各車がスターティンググリッドについたところでレースがスタート! 奇数列のマシンが好調な滑り出しを見せたが、ベッテル、ハミルトン、バトンというトップ3は変わらず。5番グリッドから発進したフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)も悪くなかったが、メルセデスGPに抜かれてポジションを失った。可夢偉は10番手までポジションを上げてオープニングラップを終えている。

2番手のハミルトンは序盤からターン1やターン2でベッテルに仕掛けるが、ベッテルも巧みに抑え込む。セクター1の路面はかなりウエット状態だが、セクター2の終わりからセクター3はほぼドライコンディションという状況だ。

5周目のターン2でベッテルがアウト側にふくらんでしまい、このすきを突いてハミルトンがトップに浮上。7周目にはファステストラップを刻み、ベッテルとの差を4.5秒まで広げた。3番手バトン、4番手ニコ・ロズベルグ(メルセデスGP)、5番手アロンソ、6番手フェリペ・マッサ(フェラーリ)、7番手マーク・ウェバー(レッドブル)、8番手ミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)、9番手ポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)、10番手可夢偉というオーダーだ。マッサは8周目のターン2でスピンを喫してタイヤバリアにリアウイングを軽く接触したが走行を継続。それでも、可夢偉の前となる9番手まで落ちた。

10周目の終わりにウェバーがピットストップを実施し、ドライタイヤのオプションを装着。続いてマッサやヴィタリー・ペトロフ(ルノー)、ルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)もタイヤ交換のギャンブルに出た。翌周にはバトンも続いた。

トップ3のハミルトン、ベッテル、アロンソは12周目の終わりにタイヤ交換を実施。ロズベルグや可夢偉も同じくオプションに履き替えてコースに戻った。これで先頭を走るのはインターミディエイトタイヤのままで走行するシューマッハだ。

ベッテルより1周早くドライタイヤに交換したバトンがベッテルに仕掛け、ターン1の立ち上がりでトラクションを生かしてオーバーテイク! これでハミルトンとバトンのマクラーレン勢が1-2体制を築いた。一方、最も早くタイヤを交換したウェバーもペースを上げてアロンソをかわし、ハミルトン、バトン、ベッテルに次ぐ4番手に浮上した。

25周目にはピットアウト直後のニック・ハイドフェルド(ルノー)のマシンが炎に包まれたが、ハイドフェルドは自力で脱出。ピットストップ作業中に左のエキゾースト周辺から煙が上がりターン1手前で激しく燃えてしまったが、KERS(運動エネルギー回生システム)のバッテリーに何かしらのトラブルが発生した可能性もある。このタイミングで上位勢もピットストップを実施し、ウェバーやハミルトン、アロンソがタイヤを交換した。バトンとベッテルは少しタイミングを遅らせたが、ハミルトンの前に出ることはできない。また、シューマッハがセクター1でスピンを喫し、セクター2でマシンを止めてしまった。

レースは30周目。先頭ハミルトンは2番手バトンに7.3秒差、バトンは3番手ベッテルに6.6秒差を築いている。4番手にウェバー、4番手にアロンソが続き、全車で唯一1回のピットストップしか終えていない可夢偉が6番手。7番手にマッサ、8番手にロズベルグ、9番手にディ・レスタ、10番手にバリチェロが続いている。

34周目にはターン1でマッサが可夢偉をオーバーテイク。可夢偉の背後にはロズベルグも迫り、約2秒ラップタイムが遅い可夢偉としては厳しい状況だ。可夢偉は34周目の終わりにピットストップを実施し、プライムからオプションに変更して13番手でコースに戻った。

ウェバーにプレッシャーをかけながらもオーバーテイクはできなかったアロンソは、36周目の終わりにピットストップを実施して再びオプションを装着。ハミルトンとベッテルも続いて再びオプションに交換したが、バトンは42周目にプライムに履き替えた。この時点の順位はハミルトン、バトン、アロンソ、ベッテル、ウェバー、ロズベルグ、ハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)、ペトロフ、セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)までがトップ10で可夢偉が11番手につけたが、ブエミは43周目にピットストップを行い、可夢偉が10番手に浮上した。

トップのハミルトンは47周目のターン7でスピンを喫してしまい、バトンが首位に浮上! ハミルトンは2番手となり、背後にベッテルも接近することとなった。また、アロンソが48周目にピットストップを実施し、プライムタイヤに交換している。

50周目に差し掛かると空から雨が落ち始め、バトンがターン2でわずかにコースオフしてハミルトンが首位に浮上! それでも52周目にはDRS(ドラッグ・リダクション・システム/可変リアウイング)を使ってバトンがオーバーテイクを決め、再びバトンが前に出た。一方でウェバーはピットストップを実施し、インターミディエイトタイヤに交換するというギャンブルに出た。雨が激しくなれば、大きく順位を上げる可能性もある。

バトンのラップタイムが1分40秒台ということもあり、ハミルトンはウェバーと同じくインターミディエイトに交換。上位ではバトン、ベッテル、アロンソがドライタイヤを履き、ハミルトンとウェバーはインターミディエイトに履き替えた状況だ。

それでも、ドライタイヤのバトンとウエットタイヤのウェバーではバトンの方が速いタイムで周回。そのためウェバーは再びピットストップを行い、プライムタイヤに交換した。インターミディエイトを履くというギャンブルは失敗に終わったことになる。さらにプライムのアロンソがインターミディエイトのハミルトンをオーバーテイクし、ハミルトンもたまらずピットイン。プライムに交換してコースに戻ったが、47周目にスピンしてコースに戻る際にディ・レスタの走行を妨害したことに対してドライブスルーペナルティが発令され、6番手にポジションを落とすことになった。それでも、コース上でマッサを攻めてオーバーテイクを決め、5番手に浮上している。

レースは残り10周。先頭のバトンは58周目にファステストラップをたたき出し、ベッテルとの差を6.4秒に広げた。3番手アロンソはハーフスピンを喫したが、4番手ウェバーとの間には30秒のギャップがあるため、ポジションは失わず。可夢偉は6番手につけていたがDRSを使って攻めたディ・レスタを抑えられず、7番手に落ちた。オプションで25周以上走っていることもあってタイヤはかなり厳しい状態になっており、その後ブエミとアルグエルスアリにもオーバーテイクされて11番手に落ちた。

ウェバーとハミルトンの4番手争いもし烈なものとなったが、ハミルトンがバックマーカーを利用してウェバーをオーバーテイク。ウェバーもDRSを使って追い上げたが、対抗できない。

先頭のバトンは2番手ベッテルに十分なギャップをつけてトップチェッカー! 2006年に初優勝を達成した思い出の地ハンガロリンクで迎えたF1通算200戦目を自らのドライビングで祝福した。2位にベッテル、3位にアロンソが続き、4位ハミルトン、5位ウェバー、6位マッサが続いている。

7位のディ・レスタからは周回遅れとなり、ブエミ、ロズベルグ、アルグエルスアリまでが入賞。可夢偉はタイヤ戦略がうまくいかなかったこともあり、11位でゴールした。ヘイキ・コバライネン(ロータス)、シューマッハ、ハイドフェルド、ヤルノ・トゥルーリ(ロータス)の4台がリタイアとなり、完走は20台だった。

ファステストラップはマッサが61周目に刻んだ1分23秒415。

シーズン前半の11レースを終えた時点でのドライバーズチャンピオンシップ争いは、ベッテルが234ポイントを稼いで首位を独走。2位に149ポイントのウェバー、3位に146ポイントのハミルトン、4位に145ポイントのアロンソ、5位に134ポイントのバトンが続き、可夢偉は27ポイントの11位。コンストラクターズチャンピオンシップでは首位のレッドブルが383ポイント、2位のマクラーレンが280ポイント、3位のフェラーリが215ポイント。可夢偉が所属するザウバーは35ポイントを稼いで6位につけている。

F1サーカスはスパ・フランコルシャン・サーキットが舞台となる次戦ベルギーGPまで約1カ月の夏休みを過ごすことになる。最初のセッションとなる金曜フリー走行は8月26日(金)日本時間17時にスタートする予定。公式予選は27日の日本時間21時から、決勝レースは28日の日本時間21時から行われる予定だ。

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