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現行ルールの問題が浮き彫りに

M.S.
2016年7月27日 « 最終戦にもウルトラソフトが登場 | 11戦を終えて5台が2基目を維持 »
© Andre/Sutton
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シーズン第11戦ハンガリーGP予選では11名のドライバーがQ1の最速タイムから107%以内のタイムを出せなかったものの、そのうち5名は予選落ちを免れた。

いわゆる"107%ルール"は他と比較して著しく遅いマシンが周囲を危険な状況にさらすのを避けることを想定して導入されたルールだったが、激しい雨に見舞われ4度にわたって赤旗が掲示されたトリッキーなハンガリーの予選セッションには、思わぬ影響を及ぼしている。

まずはこのルールについて記したFIA F1スポーティングレギュレーション第35条第1項を見てみよう。

「Q1において、ベストの予選タイムが当該セッション内に記録された最速タイムの107%を越えたドライバー、もしくはタイムを記録できなかったドライバーは、レースに参加することができない。しかしながら、フリー走行で十分なタイムを残している等の例外的な事情によって、スチュワードはマシンにレーススタートの許可を与えることができる」

「この方式を受け入れたドライバーは他のペナルティが適用された後に、スターティンググリッドの後方に配置される」

「2人以上のドライバーがこの方式を受け入れた場合、P3(土曜フリー走行)の順位に基づいてグリッドに配置される」

この方法を当てはめると、予選3番手と4番手につけたレッドブルコンビをはじめ、予選で上位につけた面々がグリッドの後ろ半分に並ぶところだったが、スチュワードは"例外的な状況"を考慮してQ2以降のセッションに進出したメンバーについては予選順位通りのグリッドにつくとの決定を下した。

一方、予選Q1で敗退した6名にはこのルールが適用されるも、この面々の土曜フリー走行の並びがQ1のタイム順と同一だったため、結果としてグリッドの変動はなかった。

同じく予選で注目を集めたのはポールポジションを獲得したニコ・ロズベルグ(メルセデス)が黄旗中に十分な減速をしたかという問題。こちらについてもおとがめなしの裁定が下ったためにグリッドへの影響はなかったが、どの程度であれば十分な減速と認められるかについては疑念が生じており、予選2番手だったルイス・ハミルトン(同)はドイツGP期間中にも明確化を求めていくと宣言している。

また、決勝日にはマシントラブルを抱えたマクラーレンのジェンソン・バトンがチームから"ドライバー補助"にあたる無線通信を受けたとしてドライブスルーペナルティを科された。無線規制については以前から盛んに議論される中、今回のインシデントでもどこまでを"ドライバー補助"ではなく"安全性の問題"とするのかを含め、規制のあり方について疑問の声が上がっている。

各チーム首脳らは週末に起こったこれらの問題を受け、グレーゾーンの明確化やシンプルで常識あるレギュレーションを求めており、28日(木)に開催されるストラテジーグループの会合でもこの件が取り上げられる見込みだ。

その他を含め、ハンガリーGPの週末を通してスチュワードが審議・裁定したインシデントおよびペナルティは以下の通り。

ハンガリーGP初日:7月22日(金)

(フリー走行1回目ではペナルティなし)

【フリー走行2回目】

◆フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)
違反内容:ピットレーンを時速81.6kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:ウィリアムズに罰金200ユーロ(約2万3,000円)

◆セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
違反内容:ピットレーンを時速81.4kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:フェラーリに罰金200ユーロ(約2万3,000円)

◆バルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)
違反内容:ピットレーンの白線を超過、およびボラードの右側を維持せず、FIA国際スポーティングコード付表L第4章第4項(d)および第12項1.1(i)に違反
裁定:戒告(ボッタスが2106年シーズンに戒告処分を受けるのは1回目)
裁定理由:当該ドライバーはピットエントリーとコースを分ける白線を超過し、レースディレクターの注意事項(7.2)の指示に従わずにボラードの右側を維持しなかったため。

◆カルロス・サインツ(トロ・ロッソ)
違反内容:ピットレーンの白線を超過、FIA国際スポーティングコード付表L第4章第4項(d)に違反
裁定:戒告(サインツが2106年シーズンに戒告処分を受けるのは2回目)
裁定理由:当該ドライバーはピットレントリーの右側を維持したものの、その後ピットエントリーとコースを分ける白線を横断してコースに復帰したため。

ハンガリーGP2日目:7月23日(土)

【土曜フリー走行】

◆エステバン・グティエレス(ハースF1)
違反内容:ピットレーンを時速82.0kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:ハースF1に罰金200ユーロ(約2万3,000円)

【予選】

◆ニコ・ロズベルグ(メルセデス)
審議内容:黄旗中の減速無視の疑い、FIA国際インターナショナルスポーティングコード付表H第2章第4項5.1(b)に違反容疑
裁定:おとがめなし
裁定理由:テレメトリーによって当該ドライバーがターン8への進入で著しく減速したことが示されたため。

◆ジョリオン・パーマー(ルノー)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー30がレースでスタートする許可をルノー・スポールF1チームから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー30ジョリオン・パーマーにレーススタートの許可を与えた。

Q1の最速タイムから107%以内の予選タイムを残せなかったドライバーが複数いるため、該当するマシンは土曜フリー走行の順位に基づいてグリッドに配置される。

◆フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー19がレースでスタートする許可をウィリアムズ・マルティーニ・レーシングから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー19フェリペ・マッサにレーススタートの許可を与えた。

Q1の最速タイムから107%以内の予選タイムを残せなかったドライバーが複数いるため、該当するマシンは土曜フリー走行の順位に基づいてグリッドに配置される。

◆ケビン・マグヌッセン(ルノー)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー20がレースでスタートする許可をルノー・スポールF1チームから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー20ケビン・マグヌッセンにレーススタートの許可を与えた。

Q1の最速タイムから107%以内の予選タイムを残せなかったドライバーが複数いるため、該当するマシンは土曜フリー走行の順位に基づいてグリッドに配置される。

◆マーカス・エリクソン(ザウバー)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー9がレースでスタートする許可をザウバーF1チームから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー9マーカス・エリクソンにレーススタートの許可を与えた。

Q1の最速タイムから107%以内の予選タイムを残せなかったドライバーが複数いるため、該当するマシンは土曜フリー走行の順位に基づいてグリッドに配置される。

◆パスカル・ウェーレイン(マノー)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー94がレースでスタートする許可をマノー・レーシングMRTから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー94パスカル・ウェーレインにレーススタートの許可を与えた。

Q1の最速タイムから107%以内の予選タイムを残せなかったドライバーが複数いるため、該当するマシンは土曜フリー走行の順位に基づいてグリッドに配置される。

◆リオ・ハリアント(マノー)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー88がレースでスタートする許可をマノー・レーシングMRTから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー88リオ・ハリアントにレーススタートの許可を与えた。

Q1の最速タイムから107%以内の予選タイムを残せなかったドライバーが複数いるため、該当するマシンは土曜フリー走行の順位に基づいてグリッドに配置される。

◆ダニエル・リカルド(レッドブル)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー3がレースでスタートする許可をレッドブル・レーシングから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー3ダニエル・リカルドにレーススタートの許可を与えた。

また、スチュワードは予選中の例外的な状況をかんがみ、FIA F1スポーティングレギュレーション第35条2項(a)iiiが第35条1項に優先すると決定した。したがって、カーナンバー3はドキュメント24(暫定予選順位)で配置されるグリッドポジションからレースをスタートする。

◆マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー33がレースでスタートする許可をレッドブル・レーシングから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー33マックス・フェルスタッペンにレーススタートの許可を与えた。

また、スチュワードは予選中の例外的な状況をかんがみ、FIA F1スポーティングレギュレーション第35条2項(a)iiiが第35条1項に優先すると決定した。したがって、カーナンバー33はドキュメント24(暫定予選順位)で配置されるグリッドポジションからレースをスタートする。

◆ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー27がレースでスタートする許可をサハラ・フォース・インディアから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー27ニコ・ヒュルケンベルグにレーススタートの許可を与えた。

また、スチュワードは予選中の例外的な状況をかんがみ、FIA F1スポーティングレギュレーション第35条2項(a)iiiが第35条1項に優先すると決定した。したがって、カーナンバー27はドキュメント24(暫定予選順位)で配置されるグリッドポジションからレースをスタートする。

◆バルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー77がレースでスタートする許可をウィリアムズ・マルティーニ・レーシングから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー77バルテリ・ボッタスにレーススタートの許可を与えた。

また、スチュワードは予選中の例外的な状況をかんがみ、FIA F1スポーティングレギュレーション第35条2項(a)iiiが第35条1項に優先すると決定した。したがって、カーナンバー77はドキュメント24(暫定予選順位)で配置されるグリッドポジションからレースをスタートする。

◆セルジオ・ペレス(フォース・インディア)
スチュワードは予選Q1で最速タイムから107%以内のタイムを記録できなかったカーナンバー11がレースでスタートする許可をサハラ・フォース・インディアから求められた。FIA F1スポーティングレギュレーション第35条1項に基づき、当該ドライバーがこのイベントのフリー走行で十分なタイムを記録しているため、スチュワードはカーナンバー11セルジオ・ペレスにレーススタートの許可を与えた。

また、スチュワードは予選中の例外的な状況をかんがみ、FIA F1スポーティングレギュレーション第35条2項(a)iiiが第35条1項に優先すると決定した。したがって、カーナンバー11はドキュメント24(暫定予選順位)で配置されるグリッドポジションからレースをスタートする。

◆マーカス・エリクソン(ザウバー)
スチュワードは予選でアクシデントに関与したカーナンバー9(エリクソン)の再車検の要請をザウバーから受けた。FIA F1スポーティングレギュレーション第25条5項に基づき、スチュワードは7月24日のレース前にこれを実施可能であることを承諾した。

ハンガリーGP決勝:7月24日(日)

◆リオ・ハリアント(マノー)
違反内容:ギアボックス交換、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条6項(a)に違反
裁定:5グリッド降格
裁定理由:カーナンバー88のギアボックスが6戦連続の使用期間を満たす前に交換されたため。チームはギアボックスの交換を7月23日17時24分に技術代表に通知した。

◆マーカス・エリクソン(ザウバー)
違反内容:サバイバルセルを交換、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条2項に違反
裁定:ピットレーンスタート
裁定理由:サバイバルセルの交換によってピットレーンスタートが義務付けられると同時に、FIA F1スポーティングレギュレーション第36条2項が求める手順に従わなければならない。

【決勝】

◆ジェンソン・バトン(マクラーレン)
違反内容:ドライバーを補助する無線交信、FIA F1スポーティングレギュレーション第27条1項に違反
裁定:ドライブスルーペナルティ
裁定理由: チームが技術指導書038-16で許可されていない指示をマシンがコース上にある際にドライバーへ与えたため。

◆ダニール・クビアト(トロ・ロッソ)
違反内容:ピットレーンを時速81.8kmで走行、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
裁定:5秒のタイムペナルティ

◆エステバン・グティエレス(ハースF1)
違反内容:青旗無視、FIA F1スポーティングレギュレーションおよびFIA国際スポーティングコード付表L第4章第2項(a)に違反
裁定:5秒のタイムペナルティ、およびペナルティポイント2点(12カ月有効)

グティエレスの累積ペナルティポイント:4ポイント(2016年7月24日時点)

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