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フェルスタッペンの逆転勝利! メルセデスは2-3

Jim
2020年8月9日
© Ben STANSALL / POOL / AFP
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9日(日)、2020年FIA F1世界選手権第5戦F1 70周年記念GP決勝レースが開催され、タイヤ戦略を生かしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが逆転優勝を果たした。

これまでの4戦と同じくメルセデスが優位を誇った予選ではバルテリ・ボッタスが僚友ルイス・ハミルトンよりもうまくラップをまとめてポールポジションを獲得し、ハミルトンは0.063秒という僅差で2番手となり、メルセデスが再びフロントローを独占している。3番手に食い込んだのは、セルジオ・ペレスの代役を務めるレーシング・ポイントのニコ・ヒュルケンベルグだ。

ピレリがC2からC4のドライタイヤを用意したF1 70周年記念GPは前戦イギリスGPからタイヤ配分がひと段階柔らかくなっており、予選トップ10ドライバーの大半がQ2を突破したミディアムタイヤで第1スティントを走っている。唯一、4番手スタートだったフェルスタッペンだけがハードタイヤで切り抜けており、異なるタイヤ戦略を取った上位勢のバトルに注目が集まった。

全長5.891kmを誇るシルバーストーン・サーキットで行われた決勝レースは52周で争われ、青空の下、気温24.4度、路面温度42.9度、湿度61.1%のドライコンディションでスタート時刻を迎えた。中団グループで混乱が見られたものの、上位勢は概ね順当に発進し、ボッタス、ハミルトンの順でターン1を通過していく。フェルスタッペンがヒュルケンベルグをかわして3番手に上がり、ヒュルケンベルグはチームメイトのランス・ストロールにもポジションを奪われかけたがなんとか死守している。

スタートで大きく後退したのはフェラーリのセバスチャン・ベッテルだ。11番グリッドからユーズドのハードタイヤでレースに挑んだが、ターン1のインサイドを通過した際に右側のホイールがわずかにコースを飛び出し、リアを失ってしまった模様。他車との接触などアクシデントは免れており、最後尾に下がって仕切り直しを強いられたものの、5周目には2台をかわして18番手に上がっている。

上位スタートのドライバーで最初に動いたのはレッドブルのアレックス・アルボン。7周目にピットに向かい、ミディアムから新しいハードタイヤに履き替えた。次のラップには予選で7番グリッドを確保していたアルファ・タウリのピエール・ガスリーも最初のピットストップを完了し、アルボンの前でコース復帰して第2スティントをハードタイヤで戦っている。

序盤10周を終えてボッタスがリードを守り、ハミルトンが1.2秒前後のギャップで追いかける展開だが、3番手のフェルスタッペンがメルセデス勢の背後にピタリとつけてチャンスをうかがっていた。メルセデスコンビはタイヤにブリスターが確認されており、思うようにペースを上げられない状態だったようだ。4番手に下がったヒュルケンベルグは上位3台から8秒以上遅れており、後方のストロールには2.5秒ほどの差をつけていた。

メルセデスは14周目を前にボッタスをピットに呼び入れてハードタイヤに交換、翌周にハミルトンのピットストップも完了している。隊列に戻ったハミルトンの前をフェラーリのシャルル・ルクレールが走っていたが、すぐに追い抜いたハミルトンは3秒前を行くボッタスの背中を再び追いかけた。16周目にはヒュルケンベルグもミディアムからハードに履き替え、メルセデス勢との間にまだ第1スティントを継続するルクレールとカルロス・サインツ(マクラーレン)をはさんで7番手の位置でコース復帰する。

ラップリーダーに躍り出たフェルスタッペンは1分31秒台の自己ベストタイムを刻みながら「マシンもタイヤも問題ない」と報告し、来るピットストップに控えてマージンを稼ぐことに集中した。20周目に突入した時点で2番手のボッタスとは13秒、ハミルトンとは16秒のギャップだ。

まだピットストップを終えていないドライバーも多くいたレース中盤、10番手をめぐってルクレールとランド・ノリス(マクラーレン)が激しい攻防戦を繰り広げ、抜いては抜き返すバトルを制したルクレールは前方を走るもう1台の跳ね馬を追いかけたが、ベッテルにタイヤ交換のタイミングが訪れたほか、まだスタートと同じタイヤを履き続けていた面々がピットに向かったため、23周目にはルクレールが7番手、ノリスが8番手のポジションに上がった。

フェルスタッペンはステイアウトを続けており、他には最後尾スタートだったアルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンもまだ第1スティントを継続していた。予選ラップを含め、すでに28周を走ったタイヤのフェルスタッペンよりもペースを落としていたのがメルセデスだ。ボッタスもハミルトンも1分32秒台が精いっぱいで、ハミルトンは一時、1分33秒台までペースダウンすることもあった。

フェルスタッペンがピットに向かったのはレースの折り返し地点となる26周目の終わり。新しいミディアムタイヤに履き替える際、右リアタイヤの交換に若干ながら手こずった様子がうかがえ、合流地点ではボッタスとサイド・バイ・サイドの接近戦となる。それでも、フレッシュタイヤのアドバンテージを生かしてボッタスをオーバーテイクしたフェルスタッペンは、追い抜いた直後から一気に加速してリードを広げにかかった。

上位勢で先に2回目のピットストップに向かったのはヒュルケンベルグ。4番手につけてメルセデス勢とのギャップを縮めていたが、先に動いて新しいハードタイヤに履き替えている。レーシング・ポイントは次の周回でストロールのタイヤ交換も完了し、同じく新品のハードタイヤを履かせてコースへと送り出した。

レッドブルはわずか6周でフェルスタッペンを再びピットに呼び入れ、同じタイミングでピットインしたボッタスより先にコース復帰を果たしてリードを死守。ハミルトンはステイアウトしていたが、ボッタスの前をキープしたフェルスタッペンはハミルトンの11秒後方で最終スティントをスタートしている。

40周目に入ってもハミルトンはピットに向かわず、2番手のフェルスタッペンに対するリードは9秒を切り、オンボード映像に映されるブリスターもひどさを増すばかりだった。「タイヤがもう残っていない」と訴えたハミルトンの声を反映したのか、メルセデスは42周目に入る手前でハミルトンのタイヤを交換することに決め、新品のハードタイヤを装着。ハミルトンと同様に第2スティントを長く取っていたルクレールの後方4番手で隊列に戻っている。

フェルスタッペンから10秒ほど離れた位置にいたハミルトンは1分28秒台のファステストラップを刻み、周辺のドライバーより2秒ほど速いペースで猛チャージをかけていく。1ストップを狙うルクレールをあっさりと追い抜いたハミルトンは残り7周の時点でボッタスから4秒後方、フェルスタッペンとは9秒以上のギャップがあった。

レーシング・ポイントは5番手を走っていたヒュルケンベルグのタイヤをソフトに交換する戦略を取り、ユーズドのタイヤセットを履いたヒュルケンベルグはポジションを2つ落として7番手でコースに戻っている。空いた5番手には僚友のストロールがつけ、6番手を走るアルボンが1秒前後のギャップでストロールにプレッシャーをかけていた。

ボッタスとハミルトンが接近戦となったレース終盤、メルセデスはボッタスに対して「自由に争って構わない。ただし、お互いにスペースは残すこと」とメッセージを伝える。ただ、ボッタスのタイヤには再びブリスターが発生しており、状況はタイヤのアドバンテージがあるハミルトンが圧倒的に優位だった。結局、ボッタスはあまり抵抗できずにハミルトンにオーバーテイクされ、トップ3のオーダーは2周を残してフェルスタッペン、ハミルトン、ボッタスに変わった。

その少し後方ではアルボンがストロールを料理して5番手に浮上。前を行くルクレールとは10秒以上のギャップがあったことから逆転は難しい状況だったものの、アルボンは最後まであきらめずにプッシュしている。

52周のバトルをトップで締めくくったのはフェルスタッペン。11秒遅れてハミルトンが2位でゴールし、ボッタスは最終的にハミルトンに8秒近く差をつけられながらも3位フィニッシュを果たした。

4位は1ストップを成功させたルクレール、アルボンが5位、ストロール、ヒュルケンベルグ、オコン、ノリス、クビアトがポイントを獲得している。ガスリーは惜しくも11位で入賞はかなわなかった。

イギリスでの2連戦を終えたF1サーカスは今季2度目のトリプルヘッダーの最後を飾る次戦の舞台へと急ぐ。シーズン第6戦スペインGPは5日後の14日(金)に幕を開け、初回セッションとなる金曜フリー走行1回目は日本時間18時にスタートする予定だ。

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