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劇的な幕切れ・・・優勝はハミルトン!

Jim
2020年8月2日
© Ben STANSALL / POOL / AFP
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モータースポーツ発祥の地として知られるシルバーストーン・サーキットで2日(日)、2020年FIA F1世界選手権第4戦イギリスGP決勝レースが開催され、劇的な幕切れとなった決戦はメルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインでホームグランプリ優勝を果たした。

開幕からの3連戦を制したメルセデスが圧倒的な速さを見せつけた予選はルイス・ハミルトンがポールポジションを手に入れ、バルテリ・ボッタスが0.3秒差のタイムでフロントローを獲得。トップから1秒以上遅れたものの、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが3番手につけてレースに挑むことになった。

セルジオ・ペレスが新型コロナウイルス感染症の検査で陽性となり、緊急登板をオファーされたニコ・ヒュルケンベルグは難しい状況に素早く順応してグランプリ週末を過ごしてきたが、レースを目前にしてトラブルに見舞われ、チームはピットレーンスタートを目指してマシン修復を急いだ。しかしながら、時間内に作業が間に合わず、スタートを断念することになり、レーシング・ポイントはランス・ストロールの1台のみでイギリスGPを戦っている。

全長5.891kmを誇るシルバーストーン・サーキットの決勝レースは52周で争われ、青空が見えつつも雲が広がる中、気温21度、路面温度41.5度、湿度43.6%のドライコンディションでフォーメーションラップが始まった。ピレリはC1からC3のドライタイヤを用意し、トップ3ドライバーに加えて4番手のシャルル・ルクレール(フェラーリ)と6番グリッドに並んだストロールが予選Q2を突破したミディアムタイヤで第1スティントに挑んだ。

好スタートを決めたハミルトンがターン1を先頭で通過し、ボッタスは後続からプレッシャーを受けるもなんとか2番手をキープする。スタート直後こそフェルスタッペンの背中をとらえていたルクレールだったが、オープニングラップの終盤にはすでにポジションを3つ上げていたマクラーレンのカルロス・サインツに接近を許す。しかしながら、後方でハースF1のケビン・マグヌッセンとレッドブルのアレックス・アルボンが交錯してしまい、マグヌッセンがコースオフを喫したため、セーフティカーの出動が要請された。

リプレー映像を見ると、最終コーナーに差し掛かったマグヌッセンのインサイドにアルボンが飛び込んだものの、スペースがなく行き場を失った格好で2台が接触。グラベルに飛び出したマグヌッセンはその場でレースを終えるもアルボンは続行し、レッドブルがホームストレートを走るアルボンのマシンを確認してダメージ具合を調査していたが、大きな問題はなかったようでピットに戻すことはなかった。この一件は審議対象となり、しばらく後に、接触の責任を問われたアルボンが5秒のタイムペナルティを受けている。

セーフティカーは5周目の終わりに解除され、先頭集団がポジションをそのままにリスタートした一方、8番手を走っていたストロールに後方からルノーのエステバン・オコンが襲いかかる。果敢に攻めるオコンをしのいだストロールはハンガーストレートの攻撃も退けてポジションをキープした。その間にアルボンはピットストップを終えてタイヤをハードに交換、最後尾の18番手で隊列に加わり、17秒近く前を行くウィリアムズ勢を追いかけた。

1-2態勢を築くメルセデスコンビは1.5秒前後の間隔でレースを展開し、3番手のフェルスタッペンは10周目に入った時点でメルセデス勢に3.5秒遅れていたが、ルクレールに対するリードは広げており、ラップタイムも1秒近く引き離していた。ルクレールはしばらくサインツを警戒する状態が続いていたものの、コンマ数秒ずつ稼いで突き放していく。5番手以下はほとんどギャップがなく、最後尾のアルボンを除く位置まで連なる隊列は1秒前後の間隔でそれぞれがオーバーテイクのチャンスを狙った。

しかし、接近戦が影響したのか、アルファ・タウリのダニール・クビアトが高速区間のマゴッツとベケッツの間の縁石に乗り上げた際にパンクチャーに見舞われ、単独スピンを喫してバリアに激突してしまう。幸い、クビアトにケガはないようで自力でコックピットを離脱したが、マシンには相当のダメージが確認されている。クビアトは無線で「申し訳ない」と悔しさをにじませた。

これで再びセーフティカーが出動し、ハースF1のロマン・グロージャン以外のドライバーがタイヤ交換を済ませて全員がハードタイヤを選んだ。新品のミディアムタイヤを履いたままステイアウトを選択したグロージャンは5番手に浮上している。ルノーがダブルストップを敢行した結果、リカルドはポジションをキープできたものの、ストロールを猛追していたオコンはひとつ下がって11番手の位置で隊列に復帰。間にはフェラーリのセバスチャン・ベッテルが入った。

マシン撤去とコース上に散らばったデブリの清掃に時間を要し、5周が経過した18周目の最後にリスタートを迎える。ルクレールとの勝負を再開させたいサインツはグロージャンのオーバーテイクを試みるも、タイヤのアドバンテージもあってかグロージャンがポジションを死守。逆に後続のリカルドとノリスとの接近戦に対応しなければならなくなった。3台の攻防戦は激しく、抜きつ抜かれつの好バトルが繰り広げられたが、サインツ、ノリス、ダニエルのオーダーに落ち着いた。少し後方ではオコンがベッテルの追い抜きを成功させて10番手に上がっている。

グロージャン以下は1秒とない間隔で行列ができており、その間にも上位4台がギャップを広げていた。サインツが攻撃を仕掛けるさなか、ブレーキングゾーンでマシンを振りすぎてしまったグロージャンに対し、サインツは猛烈に抗議。後にグロージャンにはブラック&ホワイトのフラッグが振られ、スポーツマンシップに欠ける行為だとして警告を受けた。

22周目にサインツがハースF1を追い抜いて隊列を抜け出した3周後にはノリスがオーバーテイクを成功させたが、グロージャンのペースが悪いわけではなく、事実、先行されたノリスに大きく差を広げられることなく追随している。ハードタイヤの熱入れに苦戦していたリカルドはグロージャンの前が詰まっていたこともあり、なかなかオーバーテイクのチャンスをつかめず、6番手のノリスから12番手のピエール・ガスリー(アルファ・タウリ)までが接近したまま膠着(こうちゃく)状態が続いた。

最初のセーフティカー導入中にタイヤを履き替えていたアルボンは32周目に2回目のピットストップに向かい、このタイミングで5秒ペナルティを消化。ハードからユーズドのミディアムタイヤに交換して最後尾で隊列に復帰している。

リカルドにコース上でオーバーテイクされたグロージャンをハースF1がピットに呼び入れたのはハミルトンが37周目に入ってからだ。ハードタイヤに交換するもピット作業に手こずり、理想的なタイムでピットアウトできずに最後尾の17番手でコースに戻った。

残り10周を切った時点で、ハミルトンはボッタスに3秒近いリードを保ち、ボッタスから10秒以上遅れていたフェルスタッペンは4番手のルクレールに27秒差をつけていたことから、ほぼ単独走行の状態だった。ルクレールと後方のサインツには4秒半ほどのギャップがあり、ラップタイムに大きな差がなかったため、ルクレールもペースをコントロールしながらチェッカーを目指している。

一方のサインツは終盤にかけてノリスとリカルドの接近を許し、自己ベストタイムを刻みながらポジションを守るべくプッシュした。そこから少し後方では10番手を走っていたガスリーがストロールのリアをとらえ、幾度かのバトルを経て9番手に浮上する。ポジションを失ったストロールの背中にはさらにアルボンが迫っていた。

各所で激しいバトルが繰り広げる中、ゴールを目前にして、複数のドライバーを悪夢が襲う。

最初にタイヤにトラブルが発生したのは2番手にいたボッタスだ。左フロントタイヤがパンクチャーに見舞われ、オーバーランしてコース復帰したタイミングでフェルスタッペンに追い抜かれた。ハミルトンのタイヤにも問題が生じていたことから、フリーストップが可能で失うもののなかったレッドブルはフェルスタッペンを急きょピットに入れてタイヤをソフトに交換する。ボッタスも低速走行でピットにたどり着き、ユーズドのソフトタイヤに履き替えている。入賞圏内ではサインツのタイヤがバーストしており、フロアをこすりながらも、なんとかピットに飛び込んだサインツはタイヤを履き替えてピットアウトした。

ファイナルラップに入り、ついにハミルトンのタイヤも悲鳴を上げた。パンクチャーに加え、ラバーの外れかけたタイヤで走り続けるあまり、マシンが路面をこするシーンも・・・。ピットアウト後に25秒以上離れていたフェルスタッペンが猛チャージをかけて逆転を狙ったが、先にチェッカーフラッグを受けたのはハミルトンだった。フェルスタッペンはファステストラップを刻み、5.856秒差でゴールしている。3位にはルクレールが入って表彰台を獲得した。

4位以下、入賞はリカルド、ノリス、オコン、ガスリー、アルボン、ストロール、ベッテルだ。ボッタスはベッテルを追い抜けず、0.3秒差の11位でフィニッシュし、サインツは13位で完走を果たした。

このままイギリスにとどまるF1サーカスは5日後の7日(金)からシーズン第5戦F1 70周年記念GPに挑む。初回セッションとなる金曜フリー走行1回目は日本時間19時にスタートする予定だ。

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