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ファインダー越しのF1 - 2016年ハンガリーGP&ドイツGP

Mark Sutton / Jim
2016年8月10日

F1フォトグラファーのマーク・サットンが各グランプリで撮影した特選画像を紹介する『ESPN』独占コラム。2016年シーズン第11戦ハンガリーGP編と第12戦ドイツGP編!

【マーク・サットン 2016年8月9日】

キミをプレジデントに

© Mark Sutton/Sutton Images
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表彰台の上で私は確かに最高のポジションに陣取っていた。今回も、入場を特別に許可されたコーナーで準備を進めていた。その場所からは自分の目に映る現実の世界にレンズを向ける。観衆、旗、表彰台、パルクフェルメ、チーム、表彰台の上で湧き上がる歓喜、そういったシーンをカメラに収めるのだ。正直に言えば、シャッターを切るのを止められない。表彰式が終わっても、たくさんのファンがコースにとどまり、あちこちでパレードしながらテレビクルーに向かってアピールしていた。屋根の上から私を見つけてくれたファンもいる。ハンガリーは本当に素晴らしい雰囲気に包まれ、ファンがとにかくすごい。陽の光を浴びながら1日中そこにいて楽しそうにしている。そして、レースが終わればコース上の喜び的なものを強調することが多い。だから、これを見た時は本当におかしかった。"Kimi for president(キミをプレジデント*に)"。
【編集部注:President(プレジデント)は大統領、会長、社長など組織のトップを指す単語。ファンの意図は不明】

"ブルズとアローズ"

© Mark Sutton/Sutton Images
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ターン2では基本的にグリッドの様子、グリッドでの作業からすべてを撮影している。レースが始まる15分前には追い出されるので、パドックに行って階段を降り、撮影エリアに寄ってロングレンズを拾い、文字通りターン2に向かう。ターン2にかけてはかなりタイトなアングルになるし、もちろん、全車が入り乱れる。実際、ターン1の方がタイトなのもあって、ターン2ではほとんどクラッシュが起きないが、コーナーをまわってきた集団の様子を撮影するには素晴らしい場所でもある。私はコーナリングを撮影するのではなく、左側のバンクからレンズを向けた。その方が少しでも違うアングルになり、自分の方に向かって来るマシンを撮れれば素晴らしいに違いないと思ったからだ。

興味深げな観客

© Mark Sutton/Sutton Images
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ハンガリーのおもしろネタといえばクマのぬいぐるみ。何せ、これを置いたのはマーシャルなのだ。私が最初に見かけたのはグランプリ初日。あの日はテレビを見ているかのように置かれていた。スタンドの上にテレビがセットされていて、椅子に座るクマの姿をカメラマンの一人が撮影していたのだ。私自身は土曜朝の予選前にこの現場に行く予定だったので、わりと早めに出発した。そうしたら、クマは浮き輪に座り、傍らにはアヒルが置かれ、まるで休日を楽しむかのような格好になっていた。初日とは別のシーンを提供してくれていたので、これはおもしろいと思った。マーシャルのちょっとした遊び心、いいことじゃないか。クマもアヒルも、他にも多くの動物を見てきたが、このぬいぐるみはわりと大きなテディベア。しかも、この写真で際立っているのがまた良いのだと思う。

ルイス、お隣いいですか?

© Mark Sutton/Sutton Images
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バックショットを好むカメラマンは多いし、ほとんどが後方からカメラを向ける。個人的にはあまり好きではない。それでも、ムーディーだと考える人は多い。雰囲気のある写真を撮りたいと思うのが普通だし、基本的には素晴らしい画になる。上空を飛びゆく飛行機を含めたりすれば最高の一枚になる。ただ、似たようなシーンばかりとも言える。だから私は逆に前にまわったのだが、カメラを構えた瞬間は自分の目が信じられなかった。ニコ(ロズベルグ)が後ろに立っているのが見えたので「入れてあげてくれないかな。それほど難しくないだろう」と思っていた。

端に目をやると、エリクソンが左端にいて、かなりスペースがあった。実際、下には誰かの立ち位置を示すブラークがあったので、おそらくは誰かが間違った場所に立ってしまっていたのだろう。明らかにロズベルグは不機嫌になっていたようで、それがこの一枚からも伝わってくる。写真から不穏な空気が流れているかもしれないが、そこは私の関知せぬところ! ニコは(ルイス・ハミルトンの)右側からジッと見つめていた。これまでこういう場面を見たことがなく、何が起きているのか分からなかったものの、ホームレースで先頭に立ちたい思いを考えると、かなり不満気だったような気がする。

デジャブ

© Mark Sutton/Sutton Images
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週末を通して彼の姿があった。サッカーに参加し(私も水曜夜に行われたサッカーの試合で撮影していた)、もちろんマイケルのためのイベントだったので、彼がコースに来るだろうことも分かっていた。初日はメルセデス。確か、1日中ずっと(ガレージの)後ろで過ごしていたと思う。そして土曜日はマイケルのPA(パーソナルアシスタント)と共に、今度はフェラーリに。かなり興味深い。彼はただ、チームから招待を受けて指定の場所に座り、彼らの言葉に耳を傾けていただけ。マイケルはミックがカートを始めた頃、子どもたちをスポットライトの影に隠そうとしており、顔写真が一切表に出ないようにドイツのメディアとは協定を結んでいた。彼の姿がそこにある、それが良い。しかも、とてもクールな子だ。ガレージで過ごす姿も良かった。その場で、何が行われ、何が起きているのか、肌で感じ取ったことだろう。

Sutton Images | Twitter

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