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ブロウンディフューザー禁止はイギリスGPから

Kay Tanaka
2011年6月12日 « カナダGP予選後の記者会見パート2 | モントリオールは霧雨 »
今シーズンのトレンドになっているブロウンディフューザー © Sutton Images
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FIAはF1チーム勢に対し、オフスロットル時のエキゾーストガス排出によってダウンフォースを高めるブロウンディフューザーはイギリスGP以降禁止にすると通達した。

FIAは先月のスペインGPからブロウンディフューザーを禁止にすることを望んでいたが、マシンの迅速な修正にはコストがかかることや運送上の問題をチーム勢が訴えたため、ルール施行が遅らされることになった。それでもFIAは11日(午前)にチーム勢に送った書簡の中で、来月にシルバーストーンで行われるイギリスGPからのブロウンディフューザー禁止と、2012年もさらに厳しい規制を敷くことを明かしている。

今回のブロウンディフューザー禁止には"ホットブロウイング"と"コールドブロウイング"という2種類の排出ガス吹き付け方法が含まれている。ホットブロウイングというのはエンジンがオフスロットル時にもガスの排気を継続するようにエンジンの複雑なマッピングを操作するもの。コールドブロウイングというのはスロットルが開いている時に燃料バルブからガスの噴射を行わないことで、エキゾーストからは燃料ではなく冷たいガスのみが排出される仕組みだ。

この2つはいずれもリア部分のダウンフォース向上という効果があるが、ホットブロウイングのほうがより効率的だ。どのチームもディフューザーに排出ガスを吹き付けてダウンフォースを増やす手法を取り入れているが、ザウバー、トロ・ロッソ、ウィリアムズ、ヴァージン、HRTはいずれもコールドブロウイングを採用している。つまり、ホットブロウイングを採用するトップチーム勢を主とするチーム勢のほうがブロウンディフューザー禁止の余波を大きく受けることになる。しかし2012年にはブロウンディフューザー禁止がより厳しくなり、エキゾーストパイプの後端がマシンリアエンドに移動されるため、排出ガスによるダウンフォース増加の効果を期待できないレイアウトになるようだ。

FIAが禁止に踏み切った背景には、ホットブロウイングは燃料を無駄に消費しているという点や、ブロウンディフューザーは全般的に見てエンジンの可動パーツを空力に影響させているということがある。そのため、可動空力デバイスの禁止(可変リアウイングを除く)というテクニカルレギュレーション違反ととらえることができるのだ。ウィリアムズのサム・マイケル(テクニカルディレクター)は『Autosport(オートスポーツ)』に対し、FIAのテクニカルワーキンググループが16日(木)に会議を行い、FIAのルール制定に同意することになると述べた。

「FIAはその立場をとても明確にした」と語るマイケルは「彼らは16日に詳細について話し合うことを求めているが、チャーリー(ホワイティング/FIA技術委員)はホットブロウイングとコールドブロウイングをシルバーストーンでのグランプリから禁止することにした。2012年にはエキゾーストの排出口をリアホイールよりも後方に設置しなければならなくなり、現在よりも330mmも後ろに下げられる。つまり、ディフューザーの後端となるのだ」と述べ、こう続けている。

「これにより、エキゾーストからのガス排出がディフューザーに対して何らかの影響を与えることができなくなる。これこそFIAが明かした事柄であり、16日に施行されることになるだろう」

メルセデスGPのチーム代表を務めるロス・ブラウンは『BBC』に対し、どのチームにとってもブロウンディフューザー禁止は難しいものになり、特に予選で影響があると指摘した。

「各チーム勢が禁止への対応が実現不可能であり大きな問題になることを証明しない限り、禁止が実行に移される。われわれのレースモードではあまり差はないが、予選でのラップタイムへの影響は0.5秒から1秒にも達するだろう」

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