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オーバーテイク改善を目的とした2019年空力レギュレーションについてFIAがさらなる情報を公開した。

先月に開かれたF1委員会の会合で投票の過半数を得て、新ルールはフロントウイング、ブレーキダクト、DRS(ドラッグ・リダクション・システム)に変更が加えられることになった。ライバル車の後方を走る際にダウンフォースを失うことがホイール・トゥ・ホイールのレースを阻む主要な制限要素と言われており、今回のアイデアはそのダウンフォース損失を最小限にとどめることが念頭に置かれている。

レギュレーションに適した言い回しは抜け穴を防ぐ目的で13日(日)にチームと共に議論される予定だが、FIA技術統括責任者のニコラス・トンバジスはこの変更がレースを改善させると信じているようだ。

「良いか悪いかの問題ではなく、(他車を)フォローできるかできないかだ。接戦のレースに改善され、他車の後方を走るマシンがより接近できるようになればと願っている」

「(フロントウイングの)エンドプレートは大きく簡略化される。あらゆる部分がそうなる。誰の目にも分かる小さなウイングレットも、フロントホイールの伴流をコントロールするために導入され、ボルテックス(旋風)レンジを生み出しているさまざまなバーティカルフィン(垂直翼)も、それらはすべて除去される。簡素化するための特定のルールに従わなければならないため、ホイールの伴流をコントロールできなくなる」

「われわれの調査ではホイールの伴流が後続車に影響を及ぼしており、(チームらが)そのコントロールを失えば、われわれが思うに、改善の大きなステップになるのではないかと考えている。ただ、さっきも言ったように、ツーリングカーのようにマシン同士がぶつかり合うことを期待しているわけでなく、前進を遂げるためのものだということ」

「それから、開発方法は現行のレーシング通りだということを付け加えておきたい。F1チームで活躍するエアロダイナミシストの主要タスクのひとつに、自分たちのマシンの利点からホイールの伴流を外側に移動させることがある。より外側になればディフューザーやリアウイングへの影響が減り、パフォーマンスもしかりだ。つまり、それが主な目的となる」

「その主な目的は後続車にとっても悪い点であるため、ルール変更をしなければ2019年、2020年と、この先2年にわたって徐々に悪化していくと見ている。ルール変更にはそのトレンドに歯止めをかけ、変革するという側面もある。何もしなければ、これらのパフォーマンス特性が実際のところ、2019年や2020年には悪化していくと考えている」

また、トンバジスは2019年に実施する変更が2021年に向けたレギュレーションの全面的な見直しとは別のプロジェクトであることを強調しつつも、FIAとF1が2019年のレッスンから学んだことを2021年に生かすことができるとも述べた。一部のチームは2019年ルールに基づいたシミュレーションを完了しており、トンバジスは全体的な結果が改善を示唆していると明かしている。

FIAのシミュレーションによると、2018年型マシンが前方のマシンから1.0秒後方につけた場合に特定のダウンフォースレベルを失っているとして、2019年ルールを適用すると、同じダウンフォースレベルを失うとしても0.8秒後方まで近づくことができるようになるという。

さらに、FIAは強化されたDRSに加えて新しいフロントウイングを採用することで、とりわけ歴史的にオーバーテイクが難しいとされたコースでオーバーテイクの機会を広くもたらすことを願っている。しかしながら、オーバーテイクが可能なコースなど、一部のサーキットでは追い抜きが容易になり過ぎぬよう、DRSゾーンの長さが調整されるとのことだ。

この変更に伴う影響のひとつとして、2019年型マシンは今シーズンよりも遅くなる。ラップあたり5秒の高速化を目指して2017年に実施された前回の大幅なレギュレーション変更とは相容れない。

「おそらく、ラップあたり1.5秒ほど失うことになると予想している。その前後くらいだろうか」と語るトンバジスは「ただ、チームが取り組む開発の量を正確に予想するのは少々難しい。それでも、いくらかのパフォーマンス損失はあると予想しているが、ある程度だとは思っている」と続けた。

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