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セバスチャン・ベッテルとフェラーリは2021年F1シーズンに向けて契約を延長しないことで同意、今年末でベッテルがフェラーリを離脱することが決まった。

11日(月)遅くにドイツメディアが報道し、翌日、フェラーリがこれを正式に発表。チームの声明では合同決定であり、ベッテルは金額が決め手だったわけではないと主張している。

先月には、今年後半にF1シーズンが開幕する前にチームとの新契約に調印する可能性があると話していたベッテルだが、一方で話し合いは行き詰まっていたようだ。

フェラーリを率いるマッティア・ビノットは「われわれとセバスチャンが共同で下した決断であり、それぞれがベストだと思う判断だと考えている。ドライバーとしても人としてもセバスチャンの価値を考えれば、容易な決断ではなかった。何か特定の理由によって今回の決断に至ったわけではなく、ただ、それぞれの目標を達成するために別々の道を行くべきときがきたのだという友好的な共通認識があっただけだ」と明かしている。

「14勝を果たしたセバスチャンはフェラーリにおいて3番目に成功したドライバーであり、また、フェラーリと共に最も多くのポイントを獲得したドライバーとして、すでにスクーデリアの歴史の一部だ。共に過ごした5年間で、3回のドライバーズ選手権トップ3入りを果たし、コンストラクターズ選手権ではチームのトップ3入り常連を成し遂げるために非常に貢献してくれた」

「フェラーリの全員を代表し、本当にたくさんの素晴らしい思い出を築いてきたこの5年を通し、見事なプロフェッショナリズムと人間性を示してくれたセバスチャンに感謝を伝えたい。まだ、彼にとって5度目となる世界タイトルは共に勝ち取れていないが、この特殊な2020年シーズンでも多くのものを得られると信じている」

イタリアの報道によれば、ベッテルは減額した報酬額の1年契約を提示されていたといい、加えて、先ごろフェラーリと5年契約をまとめたシャルル・ルクレールをナンバー1として、ベッテルをナンバー2ドライバーにするとの記載があった可能性も報じられていた。

ルクレールはフェラーリとベッテルの決断を受けて『Twitter(ツイッター)』にこう投稿している。

「チームメイトになれたことは自分にとって本当に誇らしいことだった。コース上では何度も緊迫する瞬間があった。とても良い結果になったものもあれば、僕たち2人ともが望んでいたような結末ではなかったこともあるけど、でも常にリスペクトし合っていた。たとえ、それが外からは見えにくかったとしてもね」

「自分のチームメイトとしてあなたほど多くのことを学ばせてくれた人はいない。いろいろとありがとう、セブ」

ベッテル離脱により、フェラーリはF1のトップチームの中ではドライバー面で不確かな将来を抱えることになる――ルイス・ハミルトンがメルセデスを電撃離脱するといったことがなければ。新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によりレース活動が中断されたことで、自分自身にとって何が将来のために重要なのかを考えさせられたと言うベッテルは次のようにコメントした。

「スクーデリア・フェラーリと僕の関係は2020年末で終わる。このスポーツでできる限り最高の結果を得るためには、関係するすべての人々にとって完璧なハーモニーで働くことが不可欠だ。チームと僕はどちらも、もはや今シーズン末以降に一緒にやっていこうという共通した思いがなかった。今回の合同決定において経済的な問題は一切関係ない。こういう選択を決めるときの僕の考え方ではないし、これからも絶対にそうなることはない」

「この数カ月に起きたことにより、僕たちの多くは人生で本当に優先すべきことが何かを考えさせられた。想像力を生かし、変わってしまった状況に対する新しいアプローチを受け入れる必要がある。僕自身は自分の将来のこととなれば、時間をかけてじっくり何が本当に大事なのかを考えないといけないと思っている」

「スクーデリア・フェラーリはF1の中でも特別な位置にいる。チームにふさわしい成功を願っている。最後に、世界中にいるすべての"ティフォシ"をはじめとするフェラーリファミリーに、この数年にわたって応援してくれたことを感謝したい。僕にとって直近の目標は、さらに素晴らしい瞬間を共に味わい、これまでの恵まれた思い出に加えてからフェラーリとのロングスティントをフィニッシュすることだ」

フェラーリドライバーとしてのベッテルのキャリアは7月初旬のオーストリアGPでの開幕が予想されている今シーズンをもって終わりを迎える。ベッテルは跳ね馬と共に14勝を挙げながらも、2010年から2013年までレッドブルで達成した4連覇のタイトルに新たな記録を加えられていない。フェラーリに加入した当初は子供の頃からのヒーローであり、2000年代初頭にフェラーリと5度の選手権制覇を成し遂げたミハエル・シューマッハのような結果を残したいと意気込んでいた。

フェラーリはまだベッテルの後任を明かしていないが、マクラーレンのカルロス・サインツとルノーのダニエル・リカルドが今年末で契約が満了することになっており、2024年まで残留が決まっているルクレールのパートナーとして有力候補になるだろう。

昨年末にはハミルトンとフェラーリの関係も取り沙汰されたが、これまでのところはメルセデス残留が示唆されている。

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