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軽率なコストカット策に警鐘を鳴らすフェラーリ

M.S.
2020年4月24日 « 経営の危機を受けてF1が一部チームに先払い | オンラインで素顔を見せるルクレール »
© Miguel MEDINA / AFP
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新型コロナウイルスのパンデミックを受けてF1が財政上のレギュレーションに脊髄(せきずい)反射的な変更を加えることのないようフェラーリが警告した。

世界的なアウトブレイクによって2020年のF1シーズンは保留されており、レース再開時期などははっきりしていない。この中断がレース開催費や放送権から多くの収入を得ているF1と各チームに大きな財政的ダメージを与えている。

チームはすでに新テクニカルレギュレーションの導入を2022年まで遅らせることに同意したものの、さらなるコストカットの話し合いが今も進行している。主な焦点の一つが、来年から導入されることになっているバジェットキャップだ。

昨年に合意に至ったレギュレーションでは、バジェットキャップは1億7,500万ドル(約188億4,000万円)とされているが、規模の小さいチームは2021年に1億4,500万ドル(約156億1,000万円)、2022年に1億3,000万ドル(約140億円)に減らすようロビー活動をしている。フェラーリ代表のマッティア・ビノットはチームにおける大幅なカットが人員の余剰を生み、雇用の喪失を別としてもイタリアの雇用法の下で問題が発生する可能性があることを懸念している。

「F1にはさまざまな性格を持ったチームがいる」とビノットは『Guardian(ガーディアン)』に語った。

「彼らはそれぞれの別の国で運営され、異なる法律と独自の働き方に従って動いている。そのため、直線的にコストをカットすることによって構造上の変更を加えるのは容易でも単純でもない」

「われわれはみなF1が、実際のところ世界中が、COVID-19のせいで今は特に厳しい状況に直面していることを分かっている。しかしながら、今は急いで反応するときではなく、非常時代を背景にしてすべての因果関係をはっきりさせずに決断をすることにはリスクがある」

ビノットは1億4,500万ドルのバジェットギャップではフェラーリが大幅なジョブカットをしなければならないと認めた。

「昨年6月に設定されたものと比べて、1億4,500万ドルの時点ですでに新しく、厳しい要求となっている。さらなる犠牲なしには達成できないし、特に人的資源の部分でそう言える。さらに低くされたとすれば、われわれは自分たちのレースDNAを展開するためにさらに他の選択肢を検討しなければならないような位置に置かれることを望まないだろう」

チームメンバーをケアするのはフェラーリの"倫理的義務"だとビノットはつけ加えた。

「企業とは国の社会機構としての役割を持っていることを忘れてはいけない。ただ利益を上げるためにあるわけではないのだ」

レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーはコストを削減するための最良の道はテクニカルレギュレーションが度を超えた出費を促すことのないようにすること、および、小規模なチームにコスト削減の選択肢を用意することだと考えている。その結果として、ホーナーは自分たちでシャシーを設計するのではなく、より大きいチームから旧式のシャシーを購入することを可能にするカスタマーチームの考え方を提唱している。

ビノットは小規模なチームが真の苦境にあることを認めており、レギュレーションによって全チームの予算を抑えるためにカスタマーの取り決めは望ましいとの考えを述べた。

「現在の危機によってわれわれのこのスポーツにおける競技者たちの一部が真の存亡の危機に追いやられるのなら、また、特定の土台を回復させる必要があるのなら、フェラーリはそれに対してオープンな姿勢を示すだろう。以前にもF1で起こっていたこと、そしてMotoGPといったシリーズで起こっていることを踏まえれば、不敬にもあたらない」

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