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Adam Hay-Nicholls | Columnist Index »
Adam Hay-Nicholls joined the F1 circus in 2005 as a founder and senior writer of The Red Bulletin - an irreverent and innovative magazine that was printed at the race track four times every grand prix weekend, and which achieved cult status. In 2010 he became editor of GP Week and is also Formula One correspondent for Metro UK and Metro International - the world's largest circulation newspaper
  • "ビルヌーブとの決闘を決して忘れない"

マイ・フェイバリット・レース:ルネ・アルヌー

Adam Hay-Nicholls / Me 2010年2月11日
アルヌーがベストレースに挙げた1979年フランスGP © Sutton Images
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  • シルキュイ・ディジョン・プルノワ

場所:フランスG(ディジョン-プレノワ・サーキット) 時:1979年7月1日

パリの西に位置するルネ・アルヌーの自宅は、子供たちが大勢押しかけた後なのかと思うような様相を呈している。だが、ここに住んでいるのは大きな子供が1人。家中がおもちゃやぬいぐるみであふれ、1980年代のピンボールマシンまで鎮座している。リビングにはフェラーリの希少品が散らかっており、あちこちに大きなトロフィーが――決して展示されているのではない――キャビネットに収められるのを待ちわびたまま、棚や床に無造作に置かれている。まるで、14才のゴーカート少年の部屋のようだ。だが、この家――とトロフィーの数々――は、史上最高のホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げた主役の1人に属している。

彼のオフィスには、1979年フランスGPで手にした3位のトロフィーが、時代を感じさせるいくつかの白い質素なヘルメットと一緒に置かれている。そしてその横には、かつてジル・ビルヌーブが駆ったフェラーリ312T4の模型が並ぶ。

アルヌーとビルヌーブは、常にし烈でフェアな戦いを繰り広げ、その最たる例が1979年のディジョンだった。歴史に残る名バトルがここで生まれた。両者とも、自身のベストレースだと公言しており、アルヌーにとってはどんな優勝よりも喜びを感じたレースだった。

「ジャン・ピエール・ジャブイーユはいまだに愚痴を言っているよ。彼が勝ったことなどすっかり忘れられてしまったからね」と当時のアルバムをめくりながらアルヌーは振り返った。

「すべての注目がジルと私に集まっていた。あのジルとの決闘を私は決して忘れないだろう。完全に信頼する相手でなければ、あのようなレースはできない。史上最高のレースであり、私たち2人にしか成し得なかったものだ」

母国の声援の前でルノーによる1-2達成のチャンスをつかんだアルヌーは、フェラーリのビルヌーブを抜き去ってやろうと闘志をみなぎらせていた。だが、ビルヌーブとて引く気はない。76周目、アルヌーはビルヌーブの背後につけ、2番手の座を奪う準備を整えた。ビレロイの右コーナーでビルヌーブがタイヤをロックさせ、アルヌーはすかさずインに切り込む。フランスの観衆は狂喜した。

「ジルはブレーキに問題を抱えており、私には燃料圧の問題があった。2人とも激しくプッシュし過ぎていた」

フェラーリのタイヤは限界だっただろうが、誰もビルヌーブに忠告しようとはしない。2周後、フロントタイヤから煙を上げながら激しいブレーキングをするも、なんとかラインを守り切り、レース残り2周でポジションをキープした。

今度はルノーが苦戦する番だった。アルヌーも限界を超えてプッシュしていたのだ。

「エンジンが悲鳴を上げていたが、どうしても2位が欲しかった。私は攻め続けていた。ポジションを守るためにありとあらゆる手を尽くした」

1周後、アルヌーのチームメイト、ジャブイーユが勝ったことに誰も気付きもしなかった。全観衆の目が、半周後ろで行われている2位争いに向けられていたのである。2台はサイド・バイ・サイド。ビルヌーブがホイールをロックさせてアルヌーが前に出たが、ビルヌーブは譲らず反撃、両者は互いのマシンをこすりつけ、ホイールをぶつけ合った。アルヌーはコースからはじき出されたが、路面に泥と小石をまき散らしつつ、すぐに体勢を立て直す。

「ジルが激しくぶつけてきたため、私は完全にコースオフしてしまったんだ。コースに戻り、次のコーナーでもまた同じ状況が起きた。突っ込んで、当たって、バーン! さ。シャシーはひどいダメージを受けていて、ヴィリー・シャティヨン(ファクトリー)の連中、来週は忙しくなるぞ、と思ったよ」

ファイナルラップは残り3分の1を切り、2台は時速240kmでテール・トゥ・ノーズのままラ・コンブ・クルブ・デ・プア・セクションを過ぎていく。だが、アルヌーは最後のアタックを仕掛けることができなかった。2位はビルヌーブの手中に納まった。

「ああ、彼に負けたよ。それもフランスでね・・・」とつぶやいたアルヌーは実現しなかった夢を思い浮かべているようだった。

「だが、悔いはなかった。世界最高のドライバーに負けたのだと分かっていたからね」

「相手がほかのドライバーだったなら、私が2位になっていたはずだ」

© ESPN EMEA Ltd.

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Adam Hay-Nicholls is editor of GP Week and Formula One correspondent for Metro UK and Metro International Adam Hay-Nicholls joined the F1 circus in 2005 as a founder and senior writer of The Red Bulletin - an irreverent and innovative magazine that was printed at the race track four times every grand prix weekend, and which achieved cult status. In 2010 he became editor of GP Week and is also Formula One correspondent for Metro UK and Metro International - the world's largest circulation newspaper
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