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ベッテルがモナコ初制覇! 可夢偉が自己最高5位

Kay Tanaka
2011年5月29日
バトンに逆転を許すも、セーフティカー導入という運にも助けられてモナコ初優勝を飾ったベッテル © Sutton Images
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29日(日)日本時間21時から2011年F1世界選手権第6戦モナコGPの決勝レースが、モンテカルロ市街地サーキット(全長3.340km)で行われた。決勝の周回数は78周、レース距離は260.520kmだ。

前日の公式予選ではセバスチャン・ベッテル(レッドブル)が今シーズン5回目のポールポジションを獲得。2番手にジェンソン・バトン(マクラーレン)、3番手にマーク・ウェバー(レッドブル)がつけ、小林可夢偉(ザウバー)はQ2敗退で13番手だった。またQ3では可夢偉のチームメイトであるセルジオ・ペレスが大クラッシュに見舞われ、事故後に病院へと搬送された。深刻なケガは負わなかったものの、決勝レースへの出走は見送ることになった。HRTの2台はマシントラブルによって予選でタイムを刻めなかったが、レーススチュワードにより決勝出走を許可されたため、レースに臨むのはペレスを除いた23名ということになる。

レーススタート時の天気は晴れ。気温は23℃、路面温度は42℃、湿度は61%。タイヤサプライヤーを務めるピレリは今回のレースに、スーパーソフトコンパウンド(オプション/ソフトタイヤ)とソフトコンパウンド(プライム/ハードタイヤ)という2種類のタイヤを投入した。スーパーソフトコンパウンドはモナコGPで今シーズン初めて投入された最も軟らかいタイヤだ。

23台のマシンがフォーメーションラップを終えてスターティンググリッドについたところで、レースがスタート! ベッテルとバトンはポジションを守ったが、ウェバーが遅れてフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が3番手に浮上。5番グリッドからスタートしたミハエル・シューマッハ(メルセデスGP)は10番手にポジションを下げた。また、9番グリッドから発進したルイス・ハミルトン(マクラーレン)は後方のシューマッハと接触し、シューマッハにかわされ10番手に落ちた。

ただ一人1分19秒台を連発して首位を走行するベッテルに対し、スタート前にパワーステアリングにトラブルがある可能性を無線で訴えた2番手のバトンはペースが上がらない。5周を終えた時点でベッテルとのタイム差は4.6秒に広がったが、ようやくバトンが1分19秒台を刻んだことでその後ろのアロンソとウェバーも1分19秒台をマークして周回を続けた。

10番手のハミルトンは前のシューマッハに抑えられる格好となり、ホームストレートでDRS(ドラッグ減少システム/可変リアウイング)とKERS(運動エネルギー回生システム)を使用してオーバーテイクを狙うが、シューマッハもKERSを用いて対抗するため前に出ることができない。上位勢では3番手のアロンソが8周目に1分19秒327というファステストラップをたたき出したが、先頭ベッテルも1分19秒388というタイムで逃げ、2番手バトンもペースを上げて1分19秒543を刻んだ。

10周目にハミルトンがホームストレートでDRSを用い、ターン1のサン・デボーテでシューマッハのイン側に思い切って飛び込みオーバーテイク! 前がクリアになったハミルトンはラップタイムを一気に3秒改善し、6秒差がついた8番手のヴィタリー・ペトロフ(ルノー)を追った。

シューマッハはその後もペースが上がらず、13周目にはミラボーでルーベンス・バリチェロ(ウィリアムズ)にオーバーテイクされ、同じ周に1回目のピットストップを行ってノーズも交換してコースに戻った。5番手を走るチームメイトのニコ・ロズベルグもペースが上がらず、フェリペ・マッサ(フェラーリ)のオーバーテイクを許すと、続けてパストール・マルドナド(ウィリアムズ)にも抜かれて7番手に落ちてしまう。

15周目の終わりには2番手のバトンもピットストップを行い、4.0秒の静止時間でコース復帰。翌周にはベッテルもピットに入ったが、静止時間が6.9秒もかかってしまいバトンに抜かれてしまった。続いてピット作業を行ったウェバーの静止時間は15.5秒と大幅にタイムロスを喫してしまい、14番手に後退。暫定でトップに立っていたアロンソもピットに入ったが、こちらはアロンソを逆転できず3番手を保った。

先頭のバトンはオプションからオプションにタイヤ変更したのに対し、ベッテルはオプションからプライムに交換したこともあって、22周が終わった時点でバトンとベッテルのタイム差は10秒に広がった。22周目の終わりにマルドナドとペトロフに抑えられながら7番手を走行していたハミルトンがピットに飛び込んだが、マクラーレンの準備が整っていなかったこともあり、静止時間は9秒以上もかかってしまった。

後方では14番手のハイメ・アルグエルスアリ(トロ・ロッソ)にポール・ディ・レスタ(フォース・インディア)がロウズヘアピンで仕掛けたが、接触してフロントウイングを壊しながらオーバーテイク。これによりディ・レスタにドライブスルーペナルティが発令された。ディ・レスタは自らのウイングを壊してしまっているため、大きく損をする結果となった。

レースは30周目。先頭バトンは1分18秒306、2番手ベッテルは1分18秒596というタイムを刻み、2台のギャップは13.6秒。ベッテルの3秒後方にはアロンソがつき、4番手にバリチェロ、5番手に小林可夢偉(ザウバー)、6番手にエイドリアン・スーティル(フォース・インディア)、7番手にニック・ハイドフェルド(ルノー)、8番手にセバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)、9番手にウェバー、10番手にマッサとなった。このうち、バリチェロ、可夢偉、スーティル、ハイドフェルド、ブエミはまだピットストップを行っていない。

トップのバトンは33周目の終わりにピットストップを行い、再びオプションに交換。3ストップ作戦を展開してきた。一方、バリチェロがピットストップを行ったことで可夢偉は4番手に浮上したが、34周目にロウズヘアピンでハミルトンと争い接触したマッサがトンネル内でレコードラインを外してしまい、左フロントを破損。同じ周にシューマッハがラスカスでストップしたこともあり、今シーズン初めてセーフティカーが導入された。

この時点での順位は、ピットに入らずステイアウトを選んだベッテルが先頭、2番手バトン、3番手アロンソ、4番手スーティル、5番手可夢偉、6番手ウェバー、7番手ハミルトン、8番手マルドナド、9番手ペトロフ、10番手ハイドフェルド。このうちバトンはプライムを未装着のため、あと1回のピットストップを必要としている。スーティルと可夢偉はセーフティカー導入後に同時ピットインしたが、スーティルの作業のほうが早く終わったことで逆転となった。

レースは39周目からリスタート。いずれもポジション変更はないが、オプションを履いたバトンはペースを上げてベッテルとのギャップを1秒以内に縮め、ホームストレートではDRSを使える状況でプレッシャーをかけた。一方、マッサと接触したハミルトンにドライブスルーペナルティが発令され、ペナルティを受けたハミルトンは7番手から9番手にポジションを落とした。

48周目の終わりにバトンがピットストップを行い、プライムに変更して3番手でコース復帰。そのバトンは温まりにくいプライムを履いているものの、51周目に1分17秒478というファステストラップをマーク。これはベッテルよりも2秒速いラップタイムとなっており、その後も同等のペースを維持。5番手を走る可夢偉は53周目に自己ベストとなる1分20秒449を刻み、前のスーティルにプレッシャーをかける。一方で0.4秒後ろにはウェバーがいるため、不用意にスーティルに仕掛けることができない。しかしウェバーは55周目の終わりにピットストップを行い、7番手に後退。可夢偉と後ろのペトロフの差は5.4秒ある。

レース残りが10周ほどとなると、5番手の可夢偉がミラボーでスーティルに仕掛け、タイヤを接触させながらオーバーテイクして4番手に浮上。トップ争いは1秒の間にベッテル、アロンソ、バトンの3台が収まる接戦となっており、わずかなミスで順位が変わる状況だ。ちなみにバトンから可夢偉までは60秒のギャップがある。

69周目にセクター3でスーティルがガードレールにタイヤをこすらせてパンクチャーに見舞われると、アルグエルスアリやペトロフを含めた多重クラッシュが発生。これでこのレース2回目のセーフティカーが導入されることになった。この多重クラッシュの背後にトップ3が迫っていたが、クラッシュには巻き込まれなかった。一方、ガードレールに当たったペトロフは意識もはっきりしており会話もできる状態だが、痛みがあるようで自力でマシンを出ることを望まなかったようで、救急車がコース上に入ってマーシャルたちの作業が続けられた。

そのままセーフティカー先導で周回が進められたが、72周目に赤旗が提示され、レースは中断。走行可能なマシンはホームストレート上に停止し、各チームのメカニックたちが駆け寄ってタイヤ交換や破損したパーツの修復などにあたった。

気温24℃、路面温度44℃というコンディションでセーフティカーが先導し、レースは現地時間午後4時4分に再開。この時点の順位はベッテル、アロンソ、バトン、可夢偉、ウェバー、マルドナド、ハミルトン、スーティル、ハイドフェルド、バリチェロまでがトップ10。ブエミ、ロズベルグ、ディ・レスタ、ヤルノ・トゥルーリ、ヘイキ・コバライネン(共にロータス)、ジェローム・ダンブロジオ(ヴァージン)、ビタントニオ・リウッツィ、ナレイン・カーティケヤン(共にHRT)。73周目の第1セーフティカーラインからリスタートとなったが、ハミルトンとマルドナドが接触し、マルドナドがターン1でガードレールにヒット! しかし、迅速にマシンが撤去されたためにセーフティカーが導入されることなくレースは続けられた。この接触は審議対象となっている。

上位3台はいずれも1分16秒台というラップタイムをたたき出し、ポジションは変わらずフィニッシュ。ベッテルが自身初のモナコGP制覇を達成し、32人目のモナコウイナーとなった。2位にアロンソ、3位にバトンが続いている。

背後にウェバーがぴったりつく状況となった4番手の可夢偉はポジションキープに奮闘。しかし77周目のヌーベルシケインでオーバーテイクされ、5番手に後退。しかし、ハミルトンを抑えきって5位。F1での自己最高位を更新し、モナコGPでの日本人最高位も記録した。しかしレース後、スーティルとの接触がレーススチュワードによる審議対象になったと発表されている。

ファステストラップを刻んだのはウェバー。ファイナルラップに1分16秒234をたたき出している。

次戦は北アメリカ唯一のレースであるカナダGPで、モントリオールのサーキット・ジル・ビルヌーブを舞台に2週間後に開催される。最初のセッションとなる金曜フリー走行は6月10日(金)日本時間23時にスタートする予定。公式予選は12日の日本時間2時から、決勝レースは13日の日本時間2時から行われる予定となっている。

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