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  • "おもしろいシーズンスタート"

チャンドックのF1便り - 2011年オーストラリアGP

Karun Chandhok / Jim 2011年4月2日

『ESPNF1』のコラムニストとして、カルン・チャンドックが2011年シーズンの開幕戦、オーストラリアGPを分析・解説してくれました。

レースを読むのは難しいかもしれないが、誰が最速かは明白 © Getty Images
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【カルン・チャンドック 2011年3月31日】

2011年シーズンの開幕戦は今年のF1がおもしろい1年になるのを予感させるように、予測可能なことと予測不能なことが入り乱れた、おもしろいスタートだったと思う。

一番予測できた結果のひとつはセバスチャン・ベッテル圧勝の週末。フリー走行の最後の10分で、他の誰をも寄せ付けず、現世界チャンピオンであることを見せつけるような威光を放っていた。突如としてRB7が他のマシンよりも0.3秒速いことが判明し、ウォーキング(マクラーレン)やマラネロ(フェラーリ)、ブラックリー(メルセデスGP)にあるデザインオフィスの面々はげんなりし始めたことだろう。

予選とレースを通して、セブ(ベッテル)の右に出る者はいなかった。これまで以上に自信をつけ、成熟さと正確なドライブでレースを戦い、ペースとタイヤを管理していたと思う。昨年のミスにしっかり対応してきたことは明白。そして、初めての世界選手権制覇から12カ月で2度目のタイトルを手にすることで、彼以上に有名なドイツの同胞に続くべく好発進を決めた。とは言いつつも、僕はきっと先走りしているね。今シーズンはまだまだ先が長いんだから!

完全に予測できていなかったのはマーク・ウェバーのペース不足。僕はマークがホームグランプリで優勝できるよう本気で応援していたんだ。彼は今の彼がいるポジションに立つまで本当に信じられないくらい一生懸命取り組んできた素晴らしい人。優勝できれば夢のようなシーズンスタートになったはずだ。きっと、彼と彼のエンジニアであるシアロン・ピルビームはなぜ隣のガレージからあれだけ離されてしまったのか、きっちり分析しているだろう。確かにマークがあんなにも一貫して引き離されるのは普通じゃないけれど、特にレースでプライムタイヤを履いたときはセブからもルイス(ハミルトン/マクラーレン)からも混乱するほど離されていた。

マクラーレンはとても満足してオーストラリアを出発できるはずだ。パドックでは3番手あるいは4番手のチームとして考えられていたけど、最終的にはレッドブル・レーシングより後ろではトップであることを証明した。予選で素晴らしいラップを走ったルイスはフロントローをゲットし、レースではラインを外れてマシンにダメージを負ったにもかかわらず、ルイスらしい攻めの走りで18ポイントを獲得している。オープニングラップでマッサに前を行かれてしまい、そのことが残りのレースに妥協を強いたとはいえ、ジェンソン(バトン/マクラーレン)のペースもかなり強力だったし、少なくとも週末を通してルイスとマークと同じくらいの速さがあったから、彼もこの先の数レースの前触れとなるような結果を得られたことには満足してメルボルンを発てるだろう。

フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)は第1コーナーの位置取りで結果的に数点を失ってしまったけれど、知的かつ容赦ないドライブで彼らしい追い上げを見せ、残りの57周で再び争いに加わり、貴重なポイントを稼いだ。彼はまたしても、彼の価値がフェラーリの金庫で最も大きな資産のひとつであることを思い起こさせた。すでにチームはレッドブル・レーシングとのギャップについて理由を調査する必要性を公然と認めているけれど、マクラーレンとのギャップもかなり大きかったから、きっと数日は徹夜で分析することになるはずだ。特に予選のギャップは大きな関心事だと思う。

ザウバーから挑んだデビュー戦で印象的な走りを披露したペレス © Sutton Images
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それでも、今回のレースのスターはヴィタリー・ペトロフ(ルノー)とセルジオ・"チェコ"・ペレス(ザウバー/チェコはペレスの愛称)の2人。ヴィタリーは相当のプレッシャーを受けながら今シーズンに臨んでいる。特にロバート・クビサを欠いたとあって、ルノーに対する期待はあまり高くなかった。彼は週末を通して本当に見事なパフォーマンスを披露している。予選も最高のラップだったし、自分よりペースがいいアロンソやウェバーの3ストッパーを打ち負かすために、タイヤをケアしながら2ストップ戦略を生かす、本当に力強いレースだった。この先のレースで彼があの走りをどれだけ見せられるか、おもしろくなりそうだ。

チェコ・ペレスは破滅論者の予測を裏切り、不可能と言われた1ストップでレースを走り切った。予選でトラフィックに悩まされたのは不運だったけれど、それまではずっとチームメイトの小林可夢偉に匹敵する速さがあったと思う。チェコは数年前からの友人なんだ。予選が終わった土曜日の夜に、何人かに教えたんだけど、彼は本当に頭のいい奴で、レースで何をすればいいのか優れたセンスを持っている。実際に、彼はタイヤを管理してスバ抜けたレースを披露し、パドック全体の度肝を抜いた。特に、自分の力でレースリーダーから周回遅れを逃れたからね! 失格は残念だけど、いずれにせよ、結局のところは自分の力で素晴らしいデビュー戦を飾ったと思う。

さて、この最初の段階に見るDRS(可変リアウイング)とタイヤの効果はいかほどか? 確かにDRSはあまり簡単には見えないけど、以前よりもドライバーがお互いを追い抜くのに役立っている。人それぞれ意見は違うだろう。でも、外から見る限り、今のところはうまく機能していると僕は思う。

レースを経験することでタイヤについてさらに理解を深めるF1チーム © Getty Images
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タイヤは確実にいろいろと複雑にしている。トップ3は2ストップ、その次の3人は3ストップで、7位でチェッカーを受けたペレスは唯一の1ストッパーだった。僕は『Radio 5 Live』の解説を担当していたんだけど、コメンテーターやテレビ局の戦略家たちが各チームの戦略で実際に何が起きているのかを一般に分かりやすく説明できる限り、いい変化だと思うし、予測不能な要素を加えていると思う。レースを経験していけば、チームはタイヤについてもっと学ぶから必然的に落ち着くはずだけど、今週末もそうだったし昨年にもザウバーが何度かやったように、既存の枠組みにとらわれずに物事を考えるチャンスを生むだろう。

つまりはおもしろいシーズンスタートだということ。メルボルンは路面のグリップが低く、公道サーキットのレイアウトだから、100%のパフォーマンスを測るにはちょっと変わったコースではあるけどね。ルイスとマクラーレンがメルボルンでは調子が良かったのに、その後は後半戦まで苦戦した2009年を覚えているかな? あるいは、ジェンソンとHondaがポールポジションを取ったにもかかわらず、結局はシーズンを通してフェルナンド(当時ルノー)にもマイケル(シューマッハ/当時フェラーリ)にもかなわなかった2006年はどう? 相対的なペースについて判断を下すのはセパンに行くまで待った方がいいと思う・・・。

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『ESPNF1』のコラムニストとして、カルン・チャンドックが各グランプリを振り返ります。

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0 Karun Chandhok gives his views exclusively to ESPNF1 at the end of every grand prix weekend Karun Chandhok is one of just two Indians to sit on a Formula One starting grid, making his debut in 2010 with HRT. A motor sport fan since he was a kid, in his first year in the paddock he quickly built up a solid reputation, not only as a driver, but also as an impeccable source of F1 trivia. Now he draws on both his first-hand experience and his extensive knowledge to offer his views on the sport he loves.