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  • ロータス・マシンの初勝利

特集:1960年モナコGP

Martin Williamson / Me 2011年1月19日
チェッカーフラッグを受けるスターリング・モス © Sutton Images
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1960年5月29日、F1世界選手権でロータス製のマシンが初優勝を記録し、モーターレースの歴史に名を刻んだ。ドライバーはスターリング・モス。ロータス18を駆り、モナコで表彰台の頂点に上った。1958年からチームが活動を終える1994年までの間に彼らは79勝を挙げ、7度のコンストラクターズタイトルを獲得。1960年代から1970年代のF1で圧倒的強さを誇った。

コーリン・チャップマンが1952年にロンドン北部の厩舎(きゅうしゃ)で始めた会社は、2年もすると個人向けのレースカーを製造するようになる。ある程度の成功を収めたチャップマンは1958年にF1のファクトリーチームの仲間入りを果たすが、その後もチャップマンのマシンを走らせるプライベーターは多かった。

そうしたチームの1つがロブ・ウォーカー・レーシングである。ウイスキーメーカー、ジョニー・ウォーカーの後継者が率いており、マシンを自ら製造することなくF1グランプリで勝利を飾った最初で最後のチームとなった。

1960年までのウォーカーはさまざまなモーターレースに進出しては撤退を繰り返していたものの、1人のドライバーに全勢力を注ぐことを決意する。それがモスで、彼の乗るマシンはチャップマンからリースされたロータス18だった。できたばかりのニューマシンが届いたのはモナコGPのわずか1週間前のこと。

実はこの時、モスは厄介な状況に置かれていた。4月14日、彼は前年に起こした事故で危険運転をしたとして、シュロップシャーの法廷から有罪判決を受け、12カ月間運転を禁止されていた。免許が無効では、レースに必要な国際ライセンスを保有することができない。幸いにも、RAC(ロイヤル・オートモービル・クラブ)の助力によってアメリカの運転免許を取得することができ、問題を回避している。しかし、相変わらずイギリス国内では運転できなかった。

モナコ初日のプラクティスでモスはロータス18の真価を見せつけた。メカニカルトラブルで燃料まみれになり、ギアボックスの信頼性も低かったが、非公式ながらラップレコードを4秒も更新したのだ。

序盤はボニエがレースをリードし、ブラバム、モスと続いた © Sutton Images
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2日目もモスはトップをキープ。だがクーパーのジャック・ブラバムを筆頭に他のドライバーたちも彼のタイムの1秒以内に迫ってきた。

日曜日のグランプリは曇天の下で始まる。ポールからスタートしたのはモスだったが、レース序盤をリードしたのはヨアキム・ボニエで、ワールドチャンピオンのジャック・ブラバムが2番手、モスは3番手を走行していた。

5周目にブラバムをパスしたモスは17周目にボニエをとらえ、オーバーテイク。しかし雨が降り始めたため急激なスローダウンを強いられ、ブラバムがリードを奪った。モスはピタリと背後について追いかける。40周目、プレッシャーに耐えきれずブラバムがスピン。

「後ろについて丘を登っていたら、ウエットに足を取られて彼が飛び出した」とモスは振り返る。「私はわざと追跡していたんだ。無理に抜こうとしたら戻ってきてぶつけられるかもしれないからね。非常に危険なコンディションだった。だから彼の後ろで機をうかがい、展開を見守るつもりだった。そうしたら彼がコースオフ。幸運だったね」

そのままリードを続けたものの、60周目、モスはプラグのリードが外れるトラブルでピットインを強いられ、再びボニエがリーダーに返り咲いた。

モナコのレーニエ大公とグレース王妃からトロフィーを受け取るモス © Sutton Images
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「スパークプラグのリードが外れてしまい、ひどい音がし始めていた。4つのシリンダーのうち3つしか機能しておらず、その結果パワーもひどく低下していた。それでいったん戻って問題を調べた方がいいと思ったんだ。ピットに入って後部を開けてみると、幸いプラグのリードが外れただけで、それを元に戻したら、すべて解決した」

モスは12秒ほどでコース復帰に成功するも、再びボニエをとらえるまでには7周を要した。その直後、ボニエのサスペンションにトラブルが発生。『Times(タイムズ)』の記事によるとモスは"厳かに"最後まで走り続けたという。

当時を思い起こすモスは、ロータスが勝利を喜ぶ一方で、ワークスチームからエントリーさせた3人――アラン・ステイシー、ジョン・サーティース、イネス・アイルランド――がそろってリタイアに終わったことで喜びが差し引かれていたと述べた。彼らはこの年、非選手権レースではすでにF1で勝利を挙げていたのだ。

「確かに、初勝利を喜んでいただろうが、それが自分たちのチームでなかったことにはかなり落胆していたはずだ」と認めるモス。だが気がとがめることはなかったという。

「チーム・ロータスを倒せなかったら私自身が非常にガッカリしただろう。ほかのどんなドライバーが相手でもね。私たちは勝つためにレースをしているんだから」

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Martin Williamson is managing editor of digital media ESPN EMEA

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Martin Williamson is managing editor of digital media ESPN EMEA Martin Williamson, who grew up in the era of James Hunt, Niki Lauda and sideburns, became managing editor of ESPN EMEA Digital Group in 2007 after spells with Sky Sports, Sportal and Cricinfo