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長時間の話し合いで誤解を解いたハミルトンとグロージャン

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2020年7月31日 « ウイルス検査で確定的結果が出ず、ペレスが自主隔離 | ペレスの再検査は陽性、イギリスGPは欠席 »
© Dan Istitene - Formula 1/Formula 1 via Getty Image
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ルイス・ハミルトンとロマン・グロージャンはハンガリーGPの後で45分間にわたって話し合い、F1の人種差別反対運動に関する考えについて誤解を解いたという。

ブダペストでのレース後、ハミルトンはグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)の2人のディレクターの1人であるグロージャンが、開幕戦のオーストリアで人種差別反対の姿勢を示したのだから、これ以上F1が主張を続ける必要はないと考えていると発言した。一部のF1ドライバーたちは各レース前に人種差別反対の意思表示として膝をつく動きを見せているが、ハンガリーでは慌ただしく進行してしまった印象があり、GPDAの準備不足ではないかという声もあった。

この発言についてハミルトンと話はしたかと聞かれ、イギリスGPを前にグロージャンは答えた。「ああ、ルイスとは話した。レース後の火曜日に45分間電話したんだ。多くのこと、主にF1についていろんないい話ができたよ。もちろん、主題はそれだったけどね」

グロージャンは、GPDAで人種差別反対の主張を続ける必要はないという考えを持っているドライバーたちを代表して話そうとしていたのだと説明。もう1人のディレクターであるフェラーリのセバスチャン・ベッテルは主張を続けることを推奨していたというが、反対意見を唱えることも必要だと彼は考えたのだという。しかし、今はそれが正しいアプローチだったとは思わないと認めた。

「ルイスとはいい話ができた」とグロージャン。「僕はごめんねって言ったんだ。もしかしたら間違った方法だったのかもしれないけど、あの時はそうしなきゃと思ったんだ」

「GPDAは多数決のシステムで動いている。ディレクターの1人として僕は、継続を喜ばないドライバーたちの声に耳を貸さなかったら、自分の職務を果たしていないことになるんじゃないかと考えたんだ。(ハミルトンから)彼らはディレクターの1人として僕の言葉を聞いているんだとはっきり指摘されて、それはその通りだと思うようになった」

午後になって会見に現れたハミルトンは、自ら話し合いを求め、非を認めたグロージャンを称賛した。

「その後の彼との話し合いと、会話の中での彼のアプローチにはその場ですぐに感銘を受けた」とハミルトンは述べた。「レース後、最初に彼から話をしようって連絡があったんだ。それで僕から電話をかけて、この素晴らしい話し合いをし、最終的にお互いすごく情報交換ができたし、僕らが本当は思っている以上に共通した考えをも持っているんだって分かった」

「彼は明らかに思いやりのある人だから、あんなことを言ったと聞いて最初は受け入れられなかった。自分の間違いを認めるのはそう簡単なことじゃないから、それは素晴らしい最初の一歩だよ。話を終えて電話を切った時、僕らは団結しているし、1つの共通のゴールに向けて努力していけると僕には分かった」

「ロマンには本当に心から感謝している。それは僕たちみんながするべきことなんだ。心をオープンにする。バリアを作ったり防御的になったりしない。オープンな思考で問題があると認めることが時に最初の一歩となり、それからどうやって良くするために努力できるか考えるんだ」

グロージャンと話すだけでなく、ハミルトンは時間を作ってGPDA会長のアレキサンダー・ブルツ、FIA会長のジャン・トッド、そしてF1幹部のチェイス・ケアリーとロス・ブラウンにも声を掛け、全員の意思統一を図ったという。

ハミルトンは次のように述べた。「前回のレースの時、僕はスポーツのトップと話し、彼らを引き入れて、もっと団結してうまく前進できるようにしたいと言ったはずだ。だから、アレックス(ブルツ)と話し、ジャンと話し、GPDAとの団結を確認した。ジャン、チェイス、ロスとも話して計画やこの先の動きについて理解する素晴らしい会話ができた。ここでは僕らみんなが同じチームの一員なんだと確認するためさ」

「レース前にほんの少し時間を設けてくれるだけで、僕らがいかにスポーツとして団結しているかを示すことができる。それを一貫してやり続けることについては他のスポーツの方がいい仕事をしてきた。彼らはみんな本当にオープンな考えを持っていて、僕はどうしても1年を通して続ける必要があると思っている。そうなるはずだと思っているよ」

「一部のチームには抵抗があるのかもしれないけど、これはみんなが1つにまとまるために進行中の作業で、正しい方向に進んでいると思う」

ドライバーたち全員が膝をつく行為に従ったわけではなく、毎回6人ほどが直立の姿勢を取っていた。グロージャンは2020年中に20人全員が膝をつく機会が訪れることを願ってはいるものの、ドライバーたちにそれを命令するのは違うと考えている。

「人はみんな違う感情、違う表現の仕方を持っているから、誰かに何かを強制することはできない。彼らの理由は個人的なもの。ただの感情だ。自分にとっては強いものかもしれないけど、他の人にとってはそこまで強いものじゃないかもしれない」

「誰もが自分にとって正しいと思うことをするべきだ。理想は20人のドライバーが並んで膝をつくことだし、それをやったスポーツも他にある。でも僕は判事でも何でもない。それはとても個人的なことで、誰にでも自分の思いに従う権利がある。いつかそこへたどり着けたらいいけどね」

ハンガリーでのまとまりのなさが厳しい批判を浴びたことを受け、イギリスGPではドライバーたちがきちんと人種差別反対の意志を示せるよう、多めに時間が取られることになるとグロージャンは述べた。

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