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過去の差別のフラッシュバックに苦悩するハミルトン

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2020年6月6日 « メルセデス、再開前にプライベートテストを予定 | 人種差別的なシンボルを撤去せよ、とハミルトン »
© Andrej ISAKOVIC / AFP
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黒人男性ジョージ・フロイドさんの死を巡って巻き起こっている抗議活動を見て、6度のワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンはこれまでの人生を通して味わった人種的差別の"鮮明な記憶"がよみがえってきたと語っている。

フロイドさんは先週、ミネソタ州ミネアポリスで白人警官のデレク・ショービンに首を膝で押さえつけられて死亡した。逮捕されたショービン容疑者は2日(火)に免職となり、5日(金)には容疑が第3級殺人から第2級殺人へと切り替えられた。現場にいた同僚の元警察官3人も第2級殺人教唆とほう助の容疑で訴追されている。

ハミルトンはF1唯一の黒人ドライバーであり、レース勝利数やタイトル獲得回数でミハエル・シューマッハに次いでスポーツ史上2番目に成功を収めたドライバーとなっている。先週、ハミルトンは彼の言う"白人支配の"スポーツであるF1界が、この問題について沈黙していることを非難するコメントを発表した。

彼の発言を受けてドライバーの中からも問題について公に見解を示す者が続いた。5日、ハミルトンは自身が経験した人種差別について打ち明けている。

「僕らの人種主義との戦いについて、今起きていることを1つも漏らさないように毎日いろいろなものに目を通している。それは、僕に子ども時代の多くの苦しい記憶をフラッシュバックさせた」と彼はつづった。「子どもだった僕が直面したチャレンジの鮮明な記憶だ。きっと、これを読む多くの人が人種差別や何らかの差別を経験していると思う」

「今まで自分の個人的な経験についてはほとんど口にしてこなかった。秘密にして、弱さを見せないようにしなさいと教わったし、愛情でそれを打ち消し、コース上で倒してやれと言われていたからね。でも、コースを離れている時の僕はいじめられ、暴力をふるわれていた。それに対抗するためには身を守れるようにならなきゃいけないと思って、空手を習い始めたんだ。そうした精神的な負の影響は計り知れないよ」

「そうしたことがあったから、僕は今のようにドライブするようになったんだ。ただのスポーツよりもずっと深い。僕は今も戦っているんだ。感謝すべきことに僕には父がいた。彼は僕にとって尊敬できる強い黒人像で、何があろうとも僕を理解し、味方になってくれると分かっていた。誰にでもそういう人がいるわけじゃない。そういう頼りにできて守ってくれるヒーローのいない人たちと僕らは団結しなければいけないんだ。1つにならなきゃ!」

フロイドさんの死がきっかけとなって起きた今回の運動は、世界の歴史の中で重要な転機になるかもしれないとハミルトンは考えている。

「ずっと考えていた。2020年はなぜこんなにも最初から重苦しいんだろうって。でも今は、2020年がきっと僕らの人生で一番大事な1年になるんじゃないかと思うようになった。ここからやっと、組織的で社会的なマイノリティーの弾圧を変え始めることができるのかもしれない」

「僕らは人生をごく普通に生きたいだけ。他の人たちと平等な教育の機会を得たいだけなんだ。道を歩くこと、学校へ行くこと、あるいは店に入ること。そういうことを恐れずに生きられるようになりたい。他のみんなと同じくらい、僕らにもその権利があるはずだ。未来において優先されるべきは平等だ。僕らはこの戦いをやめるわけにはいかない。少なくとも僕は絶対に諦めないよ!」

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