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  • イタリアGP - 決勝

ルクレールが2連勝!

Jim
2019年9月8日
© Miguel MEDINA / AFP
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快晴のモンツァ・サーキットで8日(日)、2019年FIA F1世界選手権第14戦イタリアGP決勝レースが開催され、フェラーリのシャルル・ルクレールがチームのホームグランプリでポール・トゥ・ウインを飾った。

土曜日の予選はタイム更新を狙ってトウを得ようとするあまり、Q3終盤に団子状態の大渋滞が発生し、大半のドライバーがラストアタックに臨めない事態に陥り、序盤にトップタイムを残していたルクレールがポールポジションを確保、100分の数秒差でメルセデスのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが2番手と3番手に続いていた。

その予選Q3でクラッシュを喫したアルファロメオ・レーシングのキミ・ライコネンはエンジンコンポーネントとギアボックスを交換してレースに臨むこととなり、パルクフェルメルールに違反したため、ピットレーンスタートを余儀なくされている。同じく予選でトラブルに見舞われたレーシング・ポイントのセルジオ・ペレスもエンジンコンポーネントを交換してグリッド降格処分を受けた。

また、イタリアGPに先だってはマクラーレンのランド・ノリス、レッドブルのマックス・フェルスタッペン、トロ・ロッソのピエール・ガスリーが新しいエンジンコンポーネントを投入して後方グリッドへの降格が確定しており、16番グリッドから後方にノリス、ガスリー、ペレス、フェルスタッペン、ピットレーンからライコネンがスタートすることになった。

全長5.793kmを誇るモンツァ・サーキットで53周にわたって争われた決勝レースは降雨の予報もあったが、雲は多いものの青空が見える中、気温20.5度、路面温度33.2度、湿度53.9%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。ピレリがC2からC4のドライタイヤを持ち込んだモンツァでは、ミディアムにあたるC3もしくはハードにあたるC2のいずれかをレースで使用することが義務付けられた。

ルクレールがポールポジションから好発進したスタートは、ターン1からターン2の大混雑で後続車に一部エスケープロードを通過するマシンがあったものの、大きな混乱はなく、3列目スタートだったニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)がベッテルをオーバーテイクするも2周目の序盤に抜き返され、トップ4のオーダーはルクレール、ハミルトン、ボッタス、ベッテルに戻っている。オープニングラップの終わりにフェルスタッペンがピットインしており、タイヤをミディアムからソフトに履き替えた。

各車の間隔が接近しているレース序盤、アルボンが巧みなブレーキングでサインツをオーバーテイクするも、次のコーナーにかけてサインツが反撃し、レーシングラインを取ったサインツに押し出されるようにグラベルに乗り上げたアルボンはコース外を走行中に2台に抜かれてポジションを落としてしまった。ルノーのチームメイト対決ではダニエル・リカルドがスリップストリームを生かしてヒュルケンベルグを追い抜き、スタートで失ったポジションを取り戻している。

その直後、ベッテルがアスカリシケイン付近で単独スピンを喫してしまう。さらに、ベッテルがコースに戻ろうとしたところ、接近していたレーシング・ポイントのランス・ストロールとぶつかり、ストロールはスピンを強いられ、ベッテルはフロントウイングにダメージを抱えることになった。加えて、コース復帰しようとしたストロールが後方からやってきたガスリーの進路を塞いでしまい、ガスリーはコース外に逃げて接触を回避したが、グラベルを走った影響は少なからずあるはずだ。

ベッテルはノーズ交換のために緊急ピットインし、タイヤもハードに履き替えて19番手の位置で隊列に戻った。ベッテルのスピンから続く一連のインシデントでアスカリシケイン周辺には砂利が多く散らばっているようで、おそらくはその影響でハースF1のロマン・グロージャンが単独でスピンを喫し、走行は再開したものの、そのままピットに入ってタイヤを交換している。

安全性に欠ける状態でコース復帰したとして、ベッテルとストロールがスチュワードの裁定を受けることとなり、ベッテルには10秒のストップ・アンド・ゴーペナルティが科せられた。その後、ストロールにも裁定が下り、ドライブスルーペナルティを受けている。

混乱が生じた序盤15周は中団から下位の集団に注目が集まったが、17周目に入るとメルセデスのピットが慌ただしくなり、ルクレールを1.5秒前後のギャップで追いかけるハミルトン、あるいはその1.5秒後方に控えていたボッタスがピットストップに向かうかと思われたものの、メルセデスのフェラーリに対する牽制だったようで、2人ともピットレーン入り口を通過してステイアウトした。

実際にハミルトンがピットに入ってきたのは20周目。ミディアムタイヤを履いてピットアウトし、次のラップにはルクレールが最初のタイヤ交換を済ませた。ルクレールとフェラーリが選んだコンパウンドはハードだ。オーバーカットを狙ったハミルトンはピットレーンから出てきたルクレールの後方につき、ライバルと異なるコンパウンドを履くアドバンテージを生かしてプレッシャーをかけにいった。

まだ第1スティントを続けていたヒュルケンベルグをルクレールが追い抜き、ホームストレートからターン1にかけてルノーマシンをサンドイッチする形で展開されたルクレールとハミルトンのポジション争いは、ターン1への飛び込みでヒュルケンベルグをかわしたハミルトンがフェラーリマシンのトウを利用してサイド・バイ・サイドに持ち込むも、ルクレールの防御にあってオーバーテイクならず。ただ、ハミルトンがコース外に押しやられる格好となったため、ルクレールにはブラック・アンド・ホワイトフラッグ(黒白旗)が示されている。スポーツマンシップに反する行為があった場合に掲示されるフラッグで「行為自体は受け入れられないが、ペナルティを与えるものではなく、二度と同じ行為をしないように」との警告の意味がある。

ルクレールとハミルトンのバトルが激化しているさなか、2人のドライバーにペナルティが発令されている。アルボンには2つ目のシケインでコースをはみ出してケビン・マグヌッセン(ハースF1)を追い抜いたとして5秒のタイムペナルティが科せられ、ライコネンは不適切なタイヤでレースをスタートしたとして10秒のストップ・アンド・ゴーのペナルティを受けた。ライコネンは予選でQ3に進出したため、Q2でベストタイムを刻んだタイヤセットでレースをスタートしなければならなかったが、アルファロメオ・レーシングはライコネンに新品のミディアムタイヤを履かせていた。アルボンはピットストップの際にペナルティを消化し、ライコネンは処分が発表されてすぐにピットレーンに向かっている。

レースがちょうど折り返し地点を過ぎたタイミングでタイヤ交換に向かったサインツがピットレーン出口で停車・・・どうやら右フロントタイヤの装着が適切に完了していなかったようで、マシンを止めたサインツはコックピットを離れてレースを終えてた。

サインツのインシデントにより発令されたバーチャルセーフティカーが解除された直後の30周目、ハミルトンがルクレールとの距離を縮めていくも「彼らはストレートで速すぎる!」と嘆くようにフェラーリマシンを捕らえられず、1秒前後の間隔をキープしたまま次のチャンスを待つことに。

先頭集団から50秒近く後方では、バーチャルセーフティカー中にピットストップを完了し、ヒュルケンベルグとのギャップを縮めていたクビアトをトラブルが襲う。後に公開されたリプレー映像ではピットアウト時にすでにリアから若干の白煙が上がっており、結局はレースを途中で終えることとなった。トロ・ロッソマシンがコース脇に停車したため、再びバーチャルセーフティカーが発令されている。その間にリカルドがタイヤをミディアムに履き替え、隊列に復帰してほどなくするとバーチャルセーフティカーが解除された。

ハミルトンとの接近戦を繰り広げながら36周目に入ったルクレールがターン1への飛び込みでタイヤをロックアップ、シケインをショートカットしてしまい、ハミルトンがすかさず距離を詰めていったが、オーバーテイクにつなげることはできなかった。レースコントロールはルクレールがエイペックスを逃した一件をスチュワードに報告したが、おとがめなしの判断が下っている。

ルクレールを追うハミルトンもまたタイヤをロックアップしてしまい、ストレート終わりのバージボードが設置されたエスケープロードに逃げ込んだ結果、2秒後方に控えていたボッタスにポジションを奪われた。

2番手に上がったボッタスは猛チャージをかけてルクレールを追いかける。ルクレールが自己ベストタイムを出せばファステストラップを刻んでプレッシャーを与え、残り5周を切って2人のギャップは1.6秒だった。3番手に後退したハミルトンは「もうタイヤがギリギリ」と報告しており、4番手のリカルドとは36秒以上のギャップがあったことから、メルセデスは50周目にハミルトンをピットに呼び入れ、ソフトタイヤを履かせてコースに送り出している。

「優勝がかかっているんだぞ、行け!」と担当レースエンジニアに発破をかけられたボッタスは51周目に入るタイミングでマシンをプッシュするも、ストレートの速さはフェラーリが優位とあって十分な距離に近づけない。

ファイナルラップまで必死に優勝を狙っていったボッタスだったが、最終コーナーを抜けて先頭でチェッカーフラッグを受けたのはルクレールだ。先週末のスパに続く2連勝な上、ティフォシが大集結したモンツァでの勝利とあって喜びもひとしおだろう。ボッタスは0.835秒差で2位、ファステストラップを刻んだハミルトンが3位でフィニッシュし、メルセデスがライバルのお膝元でダブル表彰台を達成した。

4位以下、入賞したリカルド、ヒュルケンベルグ、アルボン、ペレス、フェルスタッペン、アントニオ・ジョビナッツィ(アルファロメオ・レーシング)、ノリスがポイントを獲得している。

ガスリーは惜しくもポイントに届かず、ノリスに1.8秒遅れの11位完走だった。4番手スタートのベッテルは最終的に13位でゴールしている。

ヨーロッパラウンドを戦い終えたF1サーカスはここからシーズン終盤のフライアウェー戦に挑んでいく。その幕開けとなるのはシーズン第15戦シンガポールGPだ。初回セッションは20日(金)日本時間17時30分にスタートする予定だ。

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