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US、メキシコのF1レースに財政問題が浮上

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2019年2月21日 « ようやくテストに合流したウィリアムズ | バルセロナテスト最終日:2月21日 »
© Clive Mason/Getty Images
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北アメリカを舞台とする3つのF1レースのうち2つが財政問題に直面しており、その未来に懸念が生じている。

US GPのオーガナイザーは法律で定められた書類の提出期限を破ったために、テキサス州から受けるはずだった少なくとも2,000万ドル(約22億1,000万円)の助成金を受け取ることができなくなった。また、メキシコGPの未来についても新たな疑問符が浮かんでいる。政府は今後、過去4年間のようにレースの支援を行わない可能性を新大統領が示唆しているためだ。

どちらのレースもドライバーやファンには人気があり、イベントはF1カレンダーの中で重要な日程として組み込まれている。メルセデスドライバーのルイス・ハミルトンは2015年にテキサスで、そして2017年と2018年はメキシコシティでシーズンのタイトルを決めた。

F1オフィシャルとUS GP主催者のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)は20日(水)の問い合わせにすぐには返答しなかった。

両レースは政府から多額の財政援助を受けている。

US GPはグレッグ・アボット知事のオフィスが管理するテキサスのメジャーイベント補助プログラムの適用を受け、2012年からおよそ1億5,000万ドル(約166億1,000万円)を得ていた。この資金はF1の年間開催権料を支払うために不可欠なものと考えられている。サーキット責任者のボビー・イプシュタインは2015年、この年の助成金が500万ドル(約5億5,000万円)減額された際に、レースの存続に危険信号がともるかもしれないと述べたが、それでもここまで生き残ってきていた。

オースティンのサーキット側は2018年の助成金が交付されないことを何カ月も前から知っていたはずだ。彼らは昨年10月8日(月)――US GP開幕の11日前――に通知を受け取り、レースオーガナイザーがファンドからの助成金を受け取れないことを知った。理由は、イベントの30日前までに義務づけられている人身取引対策プランの提出がなされなかったためだ。プランが提出されたのは10月3日(水)になってからのことで、それ以前に送られていた一時承認は取り消されてしまった。

2カ月後、イプシュタインは再選を果たしたばかりのアボット知事に5万ドル(約600万円)を寄付している。

州は売春の急増を食い止める対策の一環として、ファンドの適用を受けるメジャーイベントには人身取引対策プランを設定するよう要求している。その期限を破り、援助が受けられないという事実は20日(水)に『Austin American-Statesman(オースティン・アメリカン・ステーツマン)』によって報道された。アボット知事のオフィスは書面のコピーを『Associated Press(AP通信)』に提供している。

イプシュタインからコメントを求めるメッセージへの返信は来ていない。知事のスポークスマンを務めるジョン・ウィットマンは、支払いを保留する以外に政府の選択肢はなかったとコメントした。

US GPに今後どれほどのダメージがあるのかは定かではなく、まだ軽減は可能かもしれない。州はすでに2019年のレースに向けてレースオーガナイザーとプラン立案に向けて動いているとウィットマンは述べた。今年のUS GPは11月3日(日)のカレンダーに記載されており、中止の可能性などは示唆されていない。F1シーズンは3月17日(日)にオーストラリアGPで開幕する。

「テキサス州とCOTAはオースティンの町と州全体に巨大な経済インパクトを与える生産的なパートナーシップを築いてきた。われわれのオフィスはすでにCOTAと協力して来年のレースに取り組んでいる」とウィットマンは述べている。

© PEDRO PARDO / AFP
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2019年のメキシコGPは5年契約の最終年にあたり、メキシコ政府は5年間でおよそ2億1,300万ドル(約235億8,000万円)を援助している。F1は23年の空白期間を経てメキシコシティに戻ってきた。これまで4年間のレースには毎年大挙して観客が詰めかけ、2度にわたってハミルトンの戴冠を祝福した。

しかし、メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領は今週、政府のレースへの資金援助は減額か消滅する可能性があると発言している。彼はその資金を他のプロジェクト、例えば1,000マイルの鉄道施設などに向ける考えだ。

「金銭を含まないのであれば、私はそれを支持する。だが、こうしたことに関して私は倹約家でね。F1の契約がどのようなものかは知らない。だが、彼らがすでにサインを済ませているのでもない限り、われわれは援助できない。多くの場合、それは観光事業ファンドから支払われてきた。今後そうしたファンドはマヤ鉄道(経済成長促進のために提案された鉄道)のために使われることになる」

F1唯一の現役メキシコ人ドライバーであるレーシング・ポイントのセルジオ・ペレスは、自分の母国をアピールできるレースを失いたくないと嘆願した。今年のメキシコGPは10月27日(日)に開催される。

「あまりいい感じではないけど、これからいいニュースが届くことを願っている。レースを維持することが僕らの国にとって重要だと思う」と過去4年間の盛況ぶりに触れ、ペレスは『Motorsport.com』に語った。

「グランプリ開催を希望している国は多い。一度ポジションを失ったら、取り戻すのはとても難しい。僕らはそれを手に入れるために多くの代償を払った。今それを失ったら、恐らく終わりを意味するだろう。また取り戻すためには30年か50年は待たなきゃならないかもしれない。失ってしまうのは惜しいよ」

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