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© Manuel Goria/Sutton Images
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次の10年以内に、F1世界選手権とeスポーツの世界が完全にオーバーラップすることは十分にあり得るとF1の代表者たちは信じている。

F1は2017年にeスポーツのシリーズを立ちあげて成功を収め、昨年は2シーズン目へと継続された。2018年にはフェラーリを除く全チームがチャンピオンシップにエントリーし、NFL方式のドラフトで各陣営がドライバーを指名した。

eスポーツ面で最もプロアクティブだったチームがマクラーレンだ。2017年にはF1の新たなシミュレータードライバーを発掘するため、ワールズ・ファステスト・ゲーマーという大会を開催。広範囲にわたる評価の過程を経て、オランダ人ドライバーのルディ・ファン・ビューレンが採用された。彼は少年時代にカートを経験した後、eスポーツの世界に転向した経歴の持ち主だ。2018年にはシャドウ・プロジェクトへと進化し、5万人以上の参加者からたった1人のウイナーを選ぶコンペティションでブラジル人ドライバーのイゴール・フラガが優勝している。

eスポーツは1月のレース・オブ・チャンピオンズ(ROC)でもヘッドラインを飾ることになった。シムレーサーのエンツォ・ボニートが実車で元フォーミュラEチャンピオンのルーカス・ディ・グラッシに勝利するという大会最大の番狂わせを起こし、モーターレース界の人々の耳目を集めた。その中には以前から積極的にeスポーツを取り込もうとしてきた推進派で、F1マーケティング部門の責任者を務めるエリー・ノーマンも含まれていた。

次の10年以内にシムレーサーがF1のレースシートを見つける未来を予見できるかと尋ねると、彼女は『ESPN』にこう述べた。「もちろんです。"要注目"と太鼓判を押しましょう。特にROCを見た後ですからね」

「あれによってeスポーツは単なるゲームではなく、プロフェッショナルなものへと結晶化しました。テクノロジーの目覚ましい変化のスピードを考えると、10年というタイムフレームの中でそれは実現可能だと私は考えます」

「F1にとって、eスポーツの最初の2シーズンは大成功でした。これらの世界が収束し、完全にオーバーラップするのはもはや時間の問題です。最高潮に達する未来を考えると、本当にエキサイティングです」

F1モータースポーツ部門の代表者であるロス・ブラウンと彼のチームも、レース週末のフォーマット調整やグリッド上のマシンの並び方に至るまで、プラットフォームとしてeスポーツを利用した評価を行っている。それだけにとどまらず、若いファンベースに手を広げたいと願うF1にとって、より大きな利益が見いだせるとノーマンは言う。

「多様な観衆を満足させることができます。コース上では物理的なレースが開催され、中にはそれだけが見たいという人々もいることでしょう――テレビでもサーキットでも同じです。しかし、バーチャルな世界で自分たちが一緒に走りながらレースを見たいと思う全く新しい観衆が存在します。彼らにとってはそれがF1の経験になるのです」

「どちらも間違ってなどいません。どうやってスポーツを楽しむかを自分で選んでいるだけなのですから。私にとっては、スポーツのDNAを維持することも極めて重要であると同時に、スポーツの経験をさまざまな形で広げられるというのは大いに意味のあることなのです」

「ロスのチーム内でさえ、レースフォーマットやCFDモデルのテストとしてeスポーツがプラットフォームになり得るというのはとてもエキサイティングです。これまでのスポーツでは一度もなかったことですから。利用できる異なるプラットフォームやテクノロジーを私たちが活用しているというのは進歩的なことだと思います」

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