News

  • マックス・フェルスタッペン

「僕を変えようとしても無駄」とフェルスタッペン

Me
2018年10月24日 « グロージャンがさらに危機的な状況に | 新スポンサー獲得のハースF1、2019年はカラーリング変更へ »
© Mark Thompson/Getty Images
拡大

マックス・フェルスタッペンはいつかきっとF1ワールドチャンピオンになるだろう。ただし、彼が側近以外の外部のアドバイスを受け入れることでそれが成し遂げる可能性は低い。

好調の波に乗っている現在の彼が、2018年序盤にF1メディアからひどく批判されていたことを失念するのは簡単だ。彼は多数のミスを連発し――中国とモナコではそのために勝利のチャンスすら手放している――シーズンの初めのうちは守勢に立たされていた。

その時期を彼が楽しんでいないことは明らかだった。6月のカナダGP前には冗談交じりではあるものの、不調について次に質問した相手には"頭突き"するかもしれないと警告したほどだ。しかし、折よくこのカナダが彼の転機となった。ここで3位を獲得し、続くフランスで2位に入ると、オーストリアGPでは驚きの勝利――キャリア通算4勝目――を飾っている。

9月末に21歳になったばかりのフェルスタッペンだが、F1シーズンはすでに4年目であり、プロスポーツのトップレベルではまだ珍しい、若さと経験を兼ね備えたドライバーだ。中国GPで彼と接触したセバスチャン・ベッテルは、スポーツにおけるキャリアを考えれば、もはやフェルスタッペンの年齢を言い訳にすることは不適切だと述べていた。

フェルスタッペンの考えも同じだろう。ドライバーとしてはまだ成熟中の身だと考えているものの、今年序盤の出来事は、彼が盛んに口にするある問題に関わっていたと彼は考えている――レッドブルのマシンがパワー不足のルノーエンジンを搭載していることだ。

「今年の僕がチャンピオンシップに勝てるようなクルマに乗っていたら、あんなミスは起こらなかったよ。それだったらいつも102%、103%でドライブする必要なんてないんだからね」と彼はオースティンで開かれたレッドブルのオイルサプライヤー、『Exxon Mobil(エクソンモービル)』のイベントで『ESPN』に語った。

「ベストを引き出したいあまりにオーバードライブしているような感じ。時々それがうまくいかなかった。それにストレートでの馬力さえあれば、"次のコーナーは待とう、ストレートで抜けるから"って思えるじゃない」

「けど僕らの場合、抜くために命がけでダイブしないといけないんだ。ディフェンスの時もそうだよ。すごくアグレッシブにならなきゃいけない。チャンピオンシップに勝てるクルマを持っていたら、完全に違うドライバーになる」

不振に陥っていた当時、フェルスタッペンのミスは彼のレース技術に根本的な欠陥があるからだと示唆する声もあった。驚異的に速いが、時に向こう見ずなところがあるフェルスタッペンは現代のF1に登場した最もエキサイティングな才能の1人であり、そのキャリアにちりばめられた一連のインシデントを無視することは難しい。しかし、彼はカナダ以降の数カ月で自分は何も変わっていないと主張する。

以前の批判について尋ねると、彼はこう述べた。「大半はアンフェアなものばかりだった。そりゃ、うんざりするよね。僕は自分の実力を分かっている。あの時期はそれが発揮できていなかっただけ。だからきちんと発揮できるようにしようと、家ではすごく努力していた。カナダではそれがうまくできたんだ」

「悪いリザルトの連続から抜け出すブレークが必要だったんだと思う。週末の準備の仕方は何も変えちゃいない。必ず流れは変わると自分を信じ続けていたから」

勝てるマシンを手にしたドライバーがミスをしないという言葉は、ルイス・ハミルトンとのタイトル争いで多くのミスを犯したセバスチャン・ベッテルにも当てはまりそうだ。ベッテルとフェルスタッペンが鈴鹿で接触したのは記憶に新しく、両者はお互いに相手に非があると主張した。だが、ベッテルがハミルトンを倒して5度目の栄冠に輝く希望はここでほぼ決定的なブローを受けたといえる。

ベッテルのこうしたトラブルへの周囲の反応は自分の時とは違うとフェルスタッペンは言う。

「4度のワールドチャンピオンですら、あんなミスをする。僕にドライビングスタイルを変えろだの何だの言う人がいたけど、くそ食らえと思っていたよ、正直ね」

「彼らはセバスチャンにはドライビングスタイルを変えろって言わないんだ。そういうヘッドラインは見たことがない。結局さ、限界で走っていてベストを出そうとすれば、時にやり過ぎることはある。特にこのハイスピードだからね・・・ミスするのは簡単だ」

「見ている人は自分の方が知った気になるのかもしれないね。僕もたまにサッカーの試合を見ていて、自分の方がよく知っているような気分になるけど、実際にはそうじゃない。人々にはもっと、僕らがクルマの中で成し遂げようとしていることを正しく評価してほしい」

一晩でドライビングスタイルを変えるというのは簡単にできることかと聞かれ、彼は答えた。「無理。誰かにそうしろと言われても、僕はこうやって育ってきたし、これが僕なんだ」

「いつも左で蹴っているサッカー選手にいきなり、"ダメだ、右で蹴りなさい"と言うようなものだよ。それと同じ。たまに左でも右でもできる人がいるけど、たいていは左利きか右利きだから、一晩で切り替えるなんてできない。僕が(ロビン)ファン・ペルシにサッカーのやり方を教えるなんておこがましい話。だから、僕に運転の仕方を教えようとするのもやめてほしいね」

© ESPN Sports Media Ltd.