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女性ドライバーはWシリーズ創設に複雑な反応

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2018年10月11日 « 「不測の事態」を警戒するウォルフ | Hondaの進歩は2019年の希望とホーナー »
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来年から女性だけのレーシングシリーズを立ちあげるという発表に、実際の女性ドライバーたちからさまざまな意見が飛び出した。

Wシリーズは誰でもエントリーできるシングルシーターのレーシングシリーズで、モータースポーツへの女性の関与を増やそうという狙いがある。事前の選定プログラムを通過した18から20人のドライバーがグリッドに並び、F3レベルの同一のマシンを使ってレースをする。賞金総額は150万ドル(約1億7,000万円)に上る。

「女性もモータースポーツで男性と互角に戦える」との信念を持つ同シリーズだが、「女性の参加をより高めるためには女性だけのシリーズが不可欠だ」と主張する。元F1ウイナーのデビッド・クルサードやF1デザイナーでエンジニアのエイドリアン・ニューイもシリーズを後押ししている。

ところが、これまで男性を相手に戦ってきた当の女性ドライバーたちからは複雑な反応も見られた。

インディ500に過去7回エントリーしているピッパ・マンは最高レベルで戦うことを望む女性ドライバーにとって、女性だけのシリーズ導入は後退に他ならないと嘆く。

「モータースポーツにとって、なんと悲しい1日でしょう」と彼女は『Twitter(ツイッター)』でつぶやいた。「女性レーサーのために投資しようとする人たちが、彼女たちをサポートするのではなく、隔離しようとしている。これほど歴史的な後退が私の生涯で起こるなんて、ひどく失望しているわ」

ヨーロッパF3のドライバー、ソフィア・フロエルシュも同意する。「(Wシリーズの提起した)議論には賛成――でも、そのソリューションには絶対反対よ」

「女性に必要なのは長期的サポートと信頼できるパートナーたち。私はスポーツのベストを相手に戦いたいの。これを経済に置き換えてみてよ。わざわざ女性専用のマネジメントや諮問機関なんて作る必要がある? いいえ。それは間違ったやり方」

トランスジェンダーとしてル・マン24時間参戦を目指すチャーリー・マーティンは『CNN』にこう語った。「数人の女性ドライバーにとって機会を作り出すことにはなるかもしれないけれども、それは隔離を許容するという明確なメッセージを送ることになる」

「もはや人種に基づいてスポーツで区別されることなどないのだから、2018年にもなって性別に基づいてそんなことが許されるというのはとても不快に感じる。レーサーとして私たちはベストドライバーを相手に戦いたい――年齢、人種、性的指向や性別に関係なく。そして自分がベストだということを証明したいのだ」

一方、ザウバーF1チームのテストドライバーで、今年のGP3シリーズで9ポイントを獲得しているタチアナ・カルデロンは、Wシリーズには女性のレーシングドライバーたちに目標を与える力があると考えている。

「みんなに交じってカート、F3、GP3とワールドシリーズで10年以上戦ってきたけれど、モータースポーツでそこまで行ったごくわずかなマイノリティーの私は、女性ドライバーがキャリアで前進する機会を得ることがどれほど難しいかを知っている」と彼女は述べた。

「このシリーズには有望な女性の若手にそうした機会を与える助けになってほしいし、やがては優秀な人たちが自分たちも男性と互角に戦えるんだってことを証明できるようになったらいいわね」

8月にイギリスF3で初めて勝利し、現在ランキング8位にいるジェイミー・チャドウィックもまた、Wシリーズが女性レーシングドライバーのために機会を作り出すと考えている。

「Wシリーズはレースをするための新たなプラットホームを女性ドライバーに提供する」と彼女は述べた。「モータースポーツっていうのは経済的ファクターに左右されやすいものすごくタフな業界だってことは秘密でも何でもないはずよ」

「資金が用意されたチャンピオンシップとして、Wシリーズは女性のトップドライバーに素晴らしい機会を提供するだけじゃなく、もっと多くの若い子たちがスポーツに参加する励みになると思う。私はレーシングドライバーだから、できることなら1年365日レースをしていたい」

「これからも男性とは他のチャンピオンシップで戦い続けるでしょうね。でも、Wシリーズは私が腕を磨くためのパーフェクトな補助になるし、ジュニアモータースポーツのランクを進んでいく助けになる。どうなるのかすごくワクワクするわ!」

Wシリーズのオープニングシーズンはヨーロッパを舞台に2019年5月から開催される。ドライバーたちは30分のレースを第6戦まで走り、速さを競い合うことになる。

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