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© Jerry Andre/Sutton Images
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女性ドライバーだけが参戦する新たな国際レーシングシリーズ、"Wシリーズ"が来年から始まることになった。女性がF1にたどり着きやすくなればとの思いがそこには込められている。

新カテゴリーの開始は2019年5月で、オープニングシーズンはヨーロッパで6戦が開催される。30分間のレースでドライバーたちが腕を競う。将来的にはオーストラリア、アジアとアメリカまで拡大しての開催を視野に入れている。

シリーズタイトルを獲得したドライバーには50万ドル(約5,700万円)の賞金が与えられ、レース界で次のステップを上る足掛かりにすることが可能だ。全ドライバーが同一のマシン、タトゥースF3 T-381で戦うことになり、10日(水)にその外観が公開された。

「2019年に始まる#WSeriesでは、@fiaにより最新のF3仕様としてホモロゲートされたタトゥースF3 T-318が使われます」

参戦するためにスポンサーシップを用意する必要はないが、ドライバーは事前に選考プロセスに合格し、能力を証明しなければならない。これには、可能な限りハイクオリティーなグリッドを確保しようという狙いがある。シリーズを起点として、長らく女性ドライバー不在のF1に風穴を開けるきっかけになることが期待される。

元F1ドライバーでキャリア13勝を誇るデビッド・クルサードがジャッジの1人を務めることになった。クルサードはWシリーズが現在のレーシングピラミッドの中で女性がしばしば遭遇する"ガラスの天井"を打ち破る助けになればと願っている。

「われわれWシリーズのメンバーは、機会さえ同じように与えられれば、女性も男性のレーシングドライバーと互角に戦えるという強い信念を持っている」とクルサードは述べた。「しかし、現在は、女性のレーシングドライバーというのは発展途上のGP3/F3付近のレベルで"ガラスの天井"にぶつかってしまう。それは才能不足のためではなく、資金不足に起因していることが多い」

「だからこそ、全く新しい女性だけのシングルシーター・モーターレーシング・シリーズ――Wシリーズ――が必要とされている。コンペティティブでコンストラクティブな居場所をモータースポーツ界に確立し、ドライバーたちがやがて既存のハイレベルな主流レーシングシリーズへとステップアップして、男性のトップドライバーたちと互角に競い合うために必要な一連のスキルを身につけるための場が必要だ」

クルサードの他、ジャッジには元マクラーレンやマノーのチーム運営に関わり、Wシリーズのレーシングディレクターを務めることになったデイブ・ライアンと、レッドブルの技術責任者(CTO)、エイドリアン・ニューイが名を連ねる。

ニューイは次のように述べた。「これまでレースの最高レベルで男性相手に戦った女性の成功が少ないのは、能力の問題ではなく、機会が欠如していたためだと私は考える。だからこそ、私はWシリーズに関わることで、女性ドライバーが互いに競い合いながら成長し、それを弾みにしてキャリアを進めるようなプラットホームの構築に貢献できることをこれほどうれしく思っているのだ。そしてもちろん、最終的には男性ライバルたちを相手に戦い、倒してくれることを願っている」

Wシリーズ創設の発表とともに公開された動画には、#RethinkRacing(いま一度レースを考え直そう)とのハッシュタグが添えられていた。

「才能、情熱、そしてコミットメントを持つ女性なら誰でもモータースポーツでチャンスを得るべきだと私たちは考えます。そうしたチャンスを創造し、この愛するスポーツの参加者を広げるために私たちは誕生しました。 #RethinkRacing」

女性がF1に名をはせた時代はすでに遠い昔になってしまった。レースで女性ドライバーが最後にエントリーしたのは、レラ・ロンバルディがグリッドに着いた1976年のオーストリアGPであり、40年以上も前にさかのぼる。ザウバーは今年、タチアナ・カルデロンとテストドライバー契約を結んだが、コロンビア人のカルデロンはまだ一度もF1のセッションに登場していない。

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