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© Mark Sutton/Sutton Images
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コックピット保護を最も強く求めたのはF1ドライバーたちだったにもかかわらず、あまりに多くのドライバーがハローデバイスを批判することにFIA会長のジャン・トッドは驚いたことを認めている。

ハローは今も激しい議論を巻き起こしている最中だが、2018年に正式導入された。今ではドライバーたちもデバイスを受け入れているものの、声高に批判を口にした者も多い。とりわけ、F1マシンに取り付けた際の外見についてはかなりの不評を買っている。

来るシーズンに向けてそれを義務づけることに重要な役割を果たしたのはグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)だったといい、そうした批判が聞こえてきたことにトッドは不快感を示す。

「ごく最近のことなのだけどね・・・私はそれがどのようにして提起されたのかを思い出していた。それはドライバーたちから持ち上がった、至ってもっともな要求だった」とトッドは述べた。「2015年の12月16日に私は(GPDA役員の)ジェンソン・バトン、セバスチャン・ベッテルとアレキサンダー・ブルツの署名が入った手紙を受け取った。それはドライバーたちのために頭部の保護を決断するようわれわれに強く訴える内容だった。そして、私は言ったんだ。"われわれも同感だ、耳を傾けよう"と」

「そこでわれわれは直ちに技術陣を呼び、どんなものが考えられるか検討してほしいとプライオリティで頼んだ。2016年7月27日に、彼ら(ドライバーたち)はミーティングが開かれることを知っており、こう言ってきたよ。"決して弱気にならないでほしい。安全性についてこちらが求めたことを尊重してもらいたい"とね。そこでわれわれは彼らの要請を前向きに検討することにコミットした。なぜなら、それはフェアな要請だったからだ。そして出てきたのがハローだ」

「実のところ、私は大変驚いているよ。私のF1への愛は誰もが知るところだろうが、F1のこういう部分は嫌いだね。自分たちのした約束を守らない人がいる。私に言わせれば、それは人生で最も価値あるものにかかわる話だ。忠節を示し、約束を守る。一度請け負ったことならば最後まで責任を持つべきだ。われわれは責任を果たしたが、中には自分の言葉を忘れてしまった者がいる。だが、ここはそういう世界だ」

メルセデスのクリスチャン・トト・ウォルフが、チャンスさえあればチェーンソーでハローを切り落としてしまいたいと述べたことを伝えると、彼はこう述べた。「発言されたことについて反応はしない。実に子供じみたゲームだよ」

「ただ私はF1を愛しており、皆がF1を愛するべきだとだけ言っておこう。それが誰であれ、導入されたものを公の場で批判するのは非常に不適切なことだと考える。建設的な批判ならばいつでも良いことだと私は考えているよ。それは人を前進させるものだからだ。だが、公的な批判はスポーツにとって良くない――私はそこに価値を見いだせない」

ハローが致命的な事故を減らすために導入されたことを思うと、ファンの間で不満が広がっていることについてもトッドは驚きを示す。「私にとってハローは何の問題もないし、もっと皆――ファンやメディア――から広く支持されることを願っていた。安全のためのものなのだからね。一部の人々が、"モーターレーシングは危険でなくてはいけない。(最悪の事態が)起こる時は起こるものだ"などと発言することには仰天するよ」

「それを避けることができるのならば、一人の人間の命を守らずしてどうする? これはF1だけの話ではない。付け加えておくならば、フォーミュラEでは一言たりとも不満は聞かなかった。皆が満足し、"これから工夫するので見ていてほしい"と言っている。フォーミュラ2でも不満は出なかったし、フォーミュラ3でも不満は出なかった」

「ハローは、安全デバイスだ。変化を嫌がるのは人間らしいことだが、多くの経験、多くのテストを経て、その変化が良いものだと知ったなら、それを実行すべきだろう。もしこの先何かが起こって、ハローがあればこんなことにはならなかったのにとなった時、一体どんな気持ちになるか、想像できるかね?」

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