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© Kym Illman/Sutton Images
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全F1ドライバーがグランプリ・ドライバーズ・アソシエーション(GPDA)に加入し、スポーツの改善へ向けたプッシュにコミットすることになった。

GPDA会長を務めるアレキサンダー・ブルツは、"もしかしたら初めてかもしれない"という100%のメンバーシップが達成されたことを明らかにした。これまで、同連盟に不参加となっていた中には、ルイス・ハミルトンとキミ・ライコネンという2人のワールドチャンピオンが含まれていた。今年はレースのスペクタクルやスポーツの方向性についての懸念が高まる中、ドライバーたちも団結することにしたようだ。

『BBC』に対し、ブルは語っている。「F1は、進化と変化、そしておそらくはある程度の混迷期を迎えようとしている。ドライバー全員、そのチャレンジに立ち向かい、政治や権力争いが最終的にコース上のパフォーマンスに響くことを防ぐためには団結と代弁者が必要だということを認識している。スポーツの成功の基本は団結だというのがドライバーたちの考えだ」

今年はF1のオーナーシップが変わり、アメリカのメディア企業である『Liberty Media(リバティ・メディア)』が経営権を取得。バーニー・エクレストン時代に幕を下ろした。リバティは時間を無駄にすることなく独自色を打ち出し始め、技術部門の強化に動きつつ、チームにも投資してマーケティング、スポンサーシップや商業的報酬の監督に乗り出した。

彼らはまた、ファンのエンゲージメントを最重要課題に据えている。レース週末への新しいアプローチというのもその中に含まれており、ロンドンの市街地でライブイベントを開催したり、US GPでは有名アナウンサーのマイケル・バッファー氏によるボクシング風のドライバー紹介を試みたりした。

だが、こうした新しいイニシアチブはあったものの、コース上のスペクタクルについての懸念はくすぶり続けている。F1マシンのコーナリングスピードは上がり、ラップタイムは短縮されたが、今季のオーバーテイクは2016年に比べて半分に減ってしまった。また、リバティはチーム間の経済格差を正すことに積極的な姿勢を見せており、支出を管理し、より公平な戦いの場を生み出すためのコストキャップをどうすればうまく導入できるかを検討中だとされる。

GPDAは、ドライバーたちが現在抱いている懸念の要点を次のようにまとめている。

◆ランオフエリアへのアスファルト使用の増加と、それによるコースリミットの乱用
◆有料テレビの増加と、その結果としての視聴者/フォロワーの減少
◆過剰なレギュレーションとペナルティシステム
◆オーバーテイクの難しさとコース上のアクション不足
◆メディアを通じた政治闘争によるネガティブ報道のスパイラル
◆エンジンのノイズ不足
◆マシンのスピードやドラマを十分に表現できないテレビカメラアングルの未熟さ
◆主要チームとその他の間にある予算の違い、また、それによるパフォーマンスギャップ

コース上のスペクタクルが良くなければ、それ以外の議論や政治論争は全て無意味なものになるというのがドライバーの総意だとブルツは付け加えた。 「GPDAはスポーツだけを注目の中心に置き続けることを要求する。われわれは意思決定のプロセスに関わる全ての人々に、その行動や決定に対する責任を持ってもらいたいと思っている」とブルツは『Motorsport.com』に語った。「全ての調整は、一個人にとってではなく、スポーツにとっての最善の利益のためだけになされるべきだ。F1をモーターレースの最高峰として維持したい、その純粋な思いこそがドライバーたちを団結させている」

「われわれはF1をショーではなく、スポーツと捉えている。ドライバーは自らをショーマンではなくスポーツマンと称する。もっと速く、もっと高みへ、もっと迅速に――これは最も自然な人間の欲求だ。われわれが見たいのは素晴らしいスポーツだ。そうした素晴らしいスポーツが適度なショーとレース体験に組み込まれれば、とても良いものになるだろう」

「スポーツがつまらなければ、その周りの全てがただ高価でまがいものじみた価値のないものになってしまう。コース上の競争は必要だが、人工的に作られたものであってはいけない。さまざまな投資家たちの間で結ばれた複雑な統治ルールや合意のために、F1の状況に鈍感になってはいけない」

「この10年間、ビジネス的判断や政権争いによって、ただでさえスポーツの不安定な時期にもう十分なダメージが成されてきた。だが、GPDAは繰り返し、コース上のアクションを改善し、接戦や本物の戦いを見せなければならないと述べ続けてきた。そのため、リバティと彼らのテクニカルリサーチチームが1年以上前からGPDAの提案に耳を傾けてくれていることに安堵(あんど)している。われわれはセンシティブ過ぎないエアフローコンセプトの空力関連ルールによって、接近したレースが可能になることを願っていた」

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