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物議を醸したフェルスタッペンの処分

Jim
2017年10月25日 « バンドールン、TCとMGU-Hがついに11基目 | エリクソンに2点のペナルティポイント »
© Kym Illman/Sutton Images
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追い抜きの機会をもたらすサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されたUS GPではトップ争いから下位グループに至るまで多くのオーバーテイクが披露されたが、ファイナルラップでマックス・フェルスタッペンが見せた追い抜きは後にペナルティ対象となり、物議を醸した。

2回目のタイヤ交換を経てフレッシュタイヤで猛チャージをかけていたフェルスタッペンはレース終盤に前を行くキミ・ライコネン(フェラーリ)に接近。ファイナルラップには周回遅れのマシンを挟みながら、燃料を温存するためペースを落としていたというライコネンのリアを捕らえ、ターン17でオーバーテイクを成功させたフェルスタッペンだったが、チェッカーフラッグを受けた後、スチュワードが映像を検証した結果、ターン17のインサイドを通過していたフェルスタッペンの4輪がすべてコース外に出ており、アドバンテージを得た中で追い抜いたと見なされ、5秒のタイムペナルティを科されている。フェルスタッペンに遅れること約4秒後にゴールしていたライコネンが3位に繰り上がり、表彰式に参加した。

レッドブル代表のクリスチャン・ホーナーをはじめ、メルセデスの非常勤会長であるニキ・ラウダもそれまでコース外に出ていたドライバーを罰していなかったスチュワードの判断に異議を唱えるなど、一貫性のないスチュワードの裁定に批判が集まっている。

US GP週末を通してスチュワードが審議し、何らかの処分を下したインシデントおよびペナルティの詳細は以下の通り。

US GP初日:10月20日(金)

【金曜フリー走行1回目】

◆ストフェル・バンドールン(マクラーレン)
<違反内容>
8基目の内燃機関を使用し、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
<裁定>
8基目の内燃機関搭載による5グリッド降格
<裁定理由>
FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)および第23条3項(e)に則り、5グリッド降格ペナルティが科される。チームは10月17日(火)10時07分にパワーユニットエレメントの交換を技術委員に通知した。

【金曜フリー走行2回目】

◆ハースF1チーム
<違反内容>
フリー走行2回目終了後から2時間以内に電子的にタイヤを返却できず、FIA F1スポーティングレギュレーション第24条4項g)iii)に違反
<裁定>
当該コンペティターに罰金5,000ユーロ(66万円/執行猶予)
<裁定理由>
スチュワードが話を聞いたチーム代表者は条件の2時間以内に電子的にタイヤを返却していない事実を認めた。当該チームは今後、起きることがないように新しいシステムを導入するとスチュワードに約束している。スチュワードはレギュレーション違反を確認し、5,000ユーロの罰金を科すが、関連規則の整合性の通知があるまで、残る2017年シーズン中は執行猶予とする。

◆ブレンドン・ハートリー(トロ・ロッソ)
<違反内容>
6基目の内燃機関、6基目のMGU-H、5基目のエネルギー貯蔵、5基目のコントロールエレクトロニクスを使用し、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
<裁定>
25グリッド降格、内訳は次の通り。
1)6基目の内燃機関搭載による10グリッド降格(いずれかのコンポーネントが6基目に至るのは初めて)
2)6基目のMGU-H搭載による5グリッド降格
3)5基目のエネルギー貯蔵搭載による5グリッド降格
4)5基目のコントロールエレクトロニクス搭載による5グリッド降格
<裁定理由>
FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)および第23条3項(e)に則り、上記の通り25グリッド降格ペナルティが科される。チームは10月16日(月)17時14分にパワーユニットエレメントの交換を技術委員に通知した。

◆ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
<違反内容>
6基目のMGU-H、5基目の内燃機関、5基目のターボチャージャーを使用し、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
<裁定>
20グリッド降格、内訳は次の通り。
1)6基目のMGU-H搭載による10グリッド降格(いずれかのコンポーネントが6基目に至るのは初めて)
2)5基目の内燃機関搭載による5グリッド降格
3)5基目のターボチャージャー搭載による5グリッド降格
<裁定理由>
FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)および第23条3項(e)に則り、上記の通り20グリッド降格ペナルティが科される。チームは10月16日(月)15時53分にパワーユニットエレメントの交換を技術委員に通知した。

◆フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)
<違反内容>
金曜フリー走行1回目の序盤40分に限り使用が認められていたタイヤセットを現地時間10時40分以降に使用し、FIA F1スポーティングレギュレーション第24条4項(g)および第24条4項(ii)に違反
<裁定>
チームに対する戒告処分および1万ユーロ(約130万円)の罰金(レギュレーション第24条4項違反がない限り12カ月の執行猶予)
<裁定理由>
スチュワードがチーム代表者から事情を聞いた。レギュレーション違反であるものの(当該チームが今年に同種の違反を犯すのはこれが2回目)、時間切れを3秒しか経過しておらず、罰金刑は執行猶予とする。

US GP2日目:10月21日(土)

【土曜フリー走行】

◆マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
<違反内容>
6基目の内燃機関、6基目のMGU-Hを使用し、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
<裁定>
15グリッド降格、内訳は次の通り。
1)6基目の内燃機関搭載による10グリッド降格(いずれかのコンポーネントが6基目に至るのは初めて)
2)6基目のMGU-H搭載による5グリッド降格
<裁定理由>
FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)および第23条3項(e)に則り、上記の通り15グリッド降格ペナルティが科される。チームは10月13日(土)12時07分にパワーユニットエレメントの交換を技術委員に通知した。

【予選】

◆ケビン・マグヌッセン(ハースF1)
<違反内容>
ターン12およびターン13でカーナンバー11(セルジオ・ペレス/フォース・インディア)の走行を妨害し、FIA F1スポーティングレギュレーション第31条6項に違反
<裁定>
3グリッド降格処分および1ペナルティポイント(12カ月有効、合計8点/当時)
<裁定理由>
スチュワードはテレビ放送では放映されないCCTV映像を含む複数のアングルから撮影された映像証拠、チーム無線のやり取り、カーナンバー20のドライバーであるケビン・マグヌッセン、カーナンバー11のドライバーであるセルジオ・ペレス、チーム代表者らの聞き取り調査を検証した。カーナンバー20のドライバーはカーナンバー11を妨げており、またチームは当該ドライバーに対し、ペレスがアウトラップ中だと誤った情報を伝えたと認めている。ドライバーおよびチームはミスについてカーナンバー11のドライバーに謝罪した。

編集部注:2016年US GPで2点のペナルティポイントを受けていたマグヌッセンは本処分を受けた時点でペナルティポイントが合計8点だったが、10月23日に2016年US GPで受けた2点のペナルティポイントが期限を迎えたため、本記事掲載時の2017年10月25日の時点では合計6点となる>

◆ランス・ストロール(ウィリアムズ)
<違反内容>
ターン19およびターン20でカーナンバー8(ロマン・グロージャン/ハースF1)の走行を妨害し、FIA F1スポーティングレギュレーション第31条6項に違反
<裁定>
3グリッド降格処分および1ペナルティポイント(12カ月有効、合計1点)
<裁定理由>
スチュワードはテレビ放送では放映されないCCTV映像を含む複数のアングルから撮影された映像証拠、チーム無線のやり取り、カーナンバー18のドライバーであるランス・ストロール、カーナンバー8のドライバーであるロマン・グロージャン、チーム代表者らの聞き取り調査を検証した。

ストロールはスローラップ中であり、グロージャンはファストラップ中だった。ストロールはエンジニアの指示でセッティングを変更していたところであり、グロージャンのオーバーテイクに気づいたのが非常に遅かった。ストロールはすぐに右に動き、コースを外れたものの、グロージャンはすでにコースリミットのアウト側におり、ストロールが動いた右側からオーバーテイクすると決断していた。

ストロールがミラー越しにグロージャンの接近を確認できなかったことは明らかであり、左側はクビアト(トロ・ロッソ)が抜き去っていたため、そちら側には動けなかったと主張している。

スチュワードは当時の環境下でストロールが可能な限りの対応を取ったと考えるものの、とはいえ、ターン19の出口では2台の速度差が時速100kmを超えていたため、非常に危険な状況を生む可能性があった。スチュワードは当該チームがストロールに対してグロージャンの接近をより事前に警告すべきだったと考える。

◆ストフェル・バンドールン(マクラーレン)
<違反内容>
11基目のターボチャージャー、11基目のMGU-H、9基目の内燃機関、8基目のMGU-Kを使用し、FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)に違反
<裁定>
25グリッド降格、内訳は次の通り。
1)11基目のターボチャージャー搭載による10グリッド降格(いずれかのコンポーネントが11基目に至るのは初めて)
2)11基目のMGU-H搭載による5グリッド降格
3)9基目の内燃機関搭載による5グリッド降格
4)8基目のMGU-K搭載による5グリッド降格
<裁定理由>
FIA F1スポーティングレギュレーション第23条3項(a)および第23条3項(e)に則り、上記の通り25グリッド降格ペナルティが科される。チームは10月22日(日)11時14分にパワーユニットエレメントの交換を技術委員に通知した。

US GP決勝:10月22日(日)

【決勝】

◆バルテリ・ボッタス(メルセデス)
<違反内容>
ピットレーンを時速84.6kmで走行し、FIA F1スポーティングレギュレーション第22条10項に違反
<裁定>
当該コンペティター(メルセデスAMGペトロナスF1チーム)に罰金500ユーロ(約)
<裁定理由>
カーナンバー77(ボッタス)はピットレーンの速度制限である時速80kmを時速4.6km超過した。

◆マーカス・エリクソン(ザウバー)
<違反内容>
ターン12でカーナンバー20(ケビン・マグヌッセン/ハースF1)と接触し、FIA F1スポーティングレギュレーション第38条1項に定められるインシデントに関わった。
<裁定>
5秒のタイムペナルティおよび2ペナルティポイント(12カ月有効、合計2点)
<裁定理由>
スチュワードは映像証拠を検証した。カーナンバー20(マグヌッセン)は当該コーナーで明らかに前方におり、レーシングスペースを得る資格があった。カーナンバー9(エリクソン)はスペースを譲歩すべきところ、そうはせず、その結果として接触を生んだ。

◆マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
<違反内容>
ターン17でカーナンバー33(フェルスタッペン)がコースを離れて持続的なアドバンテージを得ており、FIA F1スポーティングレギュレーション第27条3項に違反
<裁定>
5秒のタイムペナルティおよび1ペナルティポイント(12カ月有効、合計4点)
<裁定理由>
スチュワードは映像証拠を検証し、カーナンバー33(フェルスタッペン)は明らかに4輪すべてが少なくともコースから50cm離れており、その中でカーナンバー7(キミ・ライコネン/フェラーリ)をオーバーテイクした。当該ドライバーは持続的なアドバンテージを得た。

日本GP:ハースF1が規定時間内にタイヤ返却できず、罰金は執行猶予
マレーシアGP:ペナルティは5基目投入のベッテルのみ
シンガポールGP:エリクソンがギアボックス交換で処分
イタリアGP:ルノー組3チームがエンジンペナルティ
ベルギーGP:タイヤ使用のミスでウィリアムズに罰金130万円
ハンガリーGP:複数のバトルにそれぞれの裁定
イギリスGP:車検結果を受けFIAはテザー製造過程を再確認へ
オーストリアGP:やむを得ない走行妨害はおとがめなし
アゼルバイジャンGP:レース中断時はファストレーンから動くべからず
カナダGP:ペナルティ発令の不手際に怒るクビアト
モナコGP:代役のバトンに次戦3グリッド降格処分
スペインGP:正面から見えなかったフォース・インディアのナンバー
ロシアGP:接触はおとがめなしもコース復帰で2名にペナルティ
バーレーンGP:レース展開を左右したハミルトンのペナルティ
中国GP:黄旗の減速不十分に厳罰
オーストラリアGP:急いでも手順は確実に!

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