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  • スペインGP - 決勝

白熱の激闘をハミルトンが制す

Jim
2017年5月14日
© Andy Hone/LAT/Sutton Images
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青と白のコントラストを奏でる空が美しいシルクイート・デ・バルセロナ・カタルーニャで14日(日)、2017年FIA F1世界選手権第5戦スペインGP決勝が開催され、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを飾った。

前日の予選はメルセデス勢とフェラーリ勢が100分の数秒を争う激戦を繰り広げ、最終的にはハミルトンがポールタイムを刻んだものの、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが0.051秒差と気迫の走りを披露してフロントローを獲得。2列目からもう一台のメルセデスを駆るバルテリ・ボッタスとフェラーリのキミ・ライコネンがスタートした。

スペインにソフト、ミディアム、ハードのドライタイヤ3種類を用意したピレリは決勝用タイヤとしてミディアムとハードを指定しており、各ドライバーはいずれかのセットを必ず使用しなければならない。路面コンディションを踏まえてハードの登場はないと見られていた通り、レース中はソフトとミディアムのタイヤが使われた。

スタートにミディアムタイヤを選んだのは後方17番手のジョリオン・パーマー(ルノー)と最後列のダニール・クビアト(トロ・ロッソ)とストフェル・バンドールン(マクラーレン)。バンドールンはレース前にセンサートラブルが発覚したのに伴って交換を強いられたエネルギー貯蔵とコントロールエレクトロニクスが5基目に達したことから合計10グリッド降格ペナルティを受けている。

フォーメーションラップが始まった時点でバルセロナの天候は晴れ、気温24度、路面温度44度、湿度42%のドライコンディション。1周4.655kmのカタロニア・サーキットでのレースは66周で争われた。

シグナル消灯と同時にハミルトンがターン1に向けて加速するも、先にスピードに乗った2番手スタートのベッテルがリードを奪う。ただ、その後方ではボッタス、ライコネン、レッドブルのマックス・フェルスタッペンがサイド・バイ・サイドのバトルでターン1に飛び込み、インサイドをとったボッタスがライコネンに接触したはずみで外側にいたフェルスタッペンとライコネンが交錯してしまい、2人ともマシンにダメージを負った。

時同じくして7番手からスタートしたマクラーレンのフェルナンド・アロンソがウィリアムズのフェリペ・マッサと接触し、グラベルにはまる。何とかコースに復帰したものの、ポジションを落としてポイント圏外に後退してしまった。一方、マッサはパンクチャーを抱えて緊急ピットインを強いられ、最後尾で隊列に戻っている。

ライコネンとフェルスタッペンはインシデント後も走行していたが、ライコネンはピットにたどり着く前にストップ。フェルスタッペンはピットに帰還を果たすも、そのままガレージにマシンを収めてしまった。

先頭に立ったベッテルとハミルトンは2.5秒ほどの間隔でそれぞれにペースアップを図るが、3番手にいるボッタスが少しずつ遅れていく。徐々にハミルトンがタイムを削り始める中、フェラーリが先に動いて15周目にベッテルのタイヤを新品のソフトに交換した。逆転を狙うメルセデスはハミルトンとボッタスにステイアウトを指示し、そこから7周を経てハミルトンが最初のピットストップを終えている。メルセデスはハミルトンに新しいミディアムタイヤのセットを履かせてコースに送り出した。

第1スティントを長くしたボッタスはベッテルに接近されながらも巧みにマシンを操ってオーバーテイクを許さない。チームメイトのハミルトンに周回遅れのマシンを料理しながら差を詰めるチャンスを与えたボッタスだったが、ハミルトンがようやく2人を視界にとらえ始めたところでベッテルが攻防戦に終止符を打った。ボッタスは結局、27周目に最初のピットストップを行い、ハミルトンと同じく新しいミディアムタイヤに交換している。

隊列が落ち着きを見せ始めた34周目、ポイント圏外でポジションを争っていたマッサとバンドールンが接触。ホームストレートでマクラーレンマシンに追いついたマッサがターン1のインに飛び込んだところ、アウト側からドアを閉める格好となったバンドールンとぶつかり、勢いでバンドールンがコースオフを喫した。バンドールンはマシンにダメージを負っており、グラベルに乗り上げて停車したため、黄旗を経てバーチャルセーフティカーが発令されたが、2周ほどで解除されている。

コースがクリアになったタイミングで最後のピットストップを行ったベッテル。ピットレーンを出てきたところにハミルトンが襲来し、超接近状態でターン1に向かったところ、わずかにマシンが触れてハミルトンがコース外に押し出された。ランオフエリアを抜けてコースに戻ったハミルトンはベッテルの後ろにつく。スチュワードの審議は行われず、レーシングインシデントと判断されている。

その直後、3番手を走っていたボッタスにエンジントラブルが発生。「パワーがない」と無線で訴えたボッタスのマシンはリアのフロア部分に炎が確認され、コース脇にマシンを止めるよう指示を受けてリタイアを喫した。

最終スティントにミディアムタイヤを履いたベッテルに対し、ペースの速いソフトタイヤを選んだハミルトンは終盤の対決に備えて早めに追い抜きたいが、ベッテルも簡単には抜かせず、チャンピオン経験者同士が巧みな走りで魅了。それでも、直線でフェラーリのスリップに入ったハミルトンが43周目にリードを奪い返して先頭に立つ。しばらく、思うようなペースを出せなかったが、数周を走るとラップタイムが落ち着き、ベッテルとの間隔は3秒前後で推移した。

ハミルトンはその後、4番手にいたフォース・インディアのセルジオ・ペレスまでをも周回遅れにし、最後までベッテルを近づけさせぬままトップでチェッカーを受けている。2位ベッテル、3位にレッドブルのダニエル・リカルドが入って表彰台に上った。

4位以下、入賞はペレス、エステバン・オコン(フォース・インディア)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)、パスカル・ウェーレイン(ザウバー)、カルロス・サインツ(トロ・ロッソ)、クビアト、ロマン・グロージャン(ハースF1)だ。1ストップ戦略を成功させたウェーレインは最初で最後のタイヤ交換に向かう際、ピットエントリーのボラード右側を維持できなかったとして5秒のタイムペナルティを食らっており、レース中にはポジションダウンの可能性も考えられたが、後続とのギャップをつけてゴールした結果、レースタイムに5秒が加算されても7位をキープした。

マクラーレンのアロンソは12位完走を果たしている。

次戦は伝統の一戦、第6戦モナコGP。初回セッションである木曜フリー走行1回目は25日(木)日本時間17時開始予定だ。

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