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© Illman/Sutton Images
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先月、大事故で両足を失った10代のイギリス人ドライバー、ビリー・モンガーがまたレーシングマシンのステアリングを握りたいと語っている。

フォーミュラ4に参戦していたモンガーはドニントンパークでレース中、トラブルで停止した別のマシンに高速で激突し、90分間マシンに閉じ込められた。医師たちの最善の努力にもかかわらず、彼は両脚の膝から下を失い、3週間近くノッティンガムのクイーンズ・メディカルセンターに入院している。

このニュースは世界中のモータースポーツファンの心を打ち、彼のために立ち上げられた募金には元F1ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンとジェンソン・バトンも支援を表明し、80万ポンド(約1億2,000万円)の寄付が集まった。

5日(金)に18歳の誕生日を迎えたモンガーは次のように『Press Association(通信協会)』に語った。「こんなにたくさんのサポートを受けたことで、早くクルマに戻ってまたレースをしようという決意が強くなったよ。それが僕のゴールなんだ」

ベッド脇に付き添ってこれを聞いていた51歳の母アマンダさんは冗談交じりにつぶやいた。「私には精神安定剤が必要になりそうだわ」

バースデーカードに囲まれたベッドで取材に応じたモンガーは世界中からの寄付の大きさを聞き、"言葉を失った"という。

また、バトンやハミルトンのような大先輩のF1ワールドチャンピオンたちが協力を申し出てくれたことは"クール"だと表現した。

「彼らがサポートしてくれるなんて、不思議な気分だったよ。だって、彼らは僕らが目標として、あんな風になりたいと願う、スポーツのトップにいる人たちなんだからね。すごくクールだった」

ソチで開催されたロシアGPを見られるように病院がプロジェクターを用意してくれたことを彼の母親が明らかにした。そこでは多くのF1チームが募金用のハッシュタグ#BillyWhizzをマシンに記して支援を表明していた。

家族は6日(土)にビリーの退院が認められ次第、サリー州チャールウッドにある自宅に戻ることになっている。金曜日の夜には病院近くのパブで初めてのお酒を楽しむつもりだという。

母のアマンダさんは次のように述べた。「ひどい状況でした。全ての悪夢が一度に襲ってきたようなもので、病院のスタッフの方々に本当に助けられました」

「彼らはビリーの人生を救い、私たちがそれを切り抜けるのを手伝ってくれました。この3週間、彼らと――クラウドファンディングにも――支えられてきました」

「信じられないほどです。ビリーは以前と何も変わっていません。彼はいつも戦っていましたから・・・ビリーはこれで終わりはしませんよ」

ビリーの命を救ってくれた救急ヘリへの感謝を示すために、何かの活動をしたいと考えていることを彼女は打ち明けた。

ビリーの父、49歳のロブさんが付け加えた。「初めは本当につらい思いをしました。ですが、3週間が過ぎて今の彼を見ると、本当に驚きます」

「病院の人々は皆素晴らしかった――世界中のお金を全て持っていても、ここで私たちが受けた以上のサービスは受けられないでしょう」

「私は待ち切れません――彼はどんな時も情熱的でした。何が起ころうともその情熱を持ち続けることでしょう。彼がまたクルマに乗りたいというなら、私は構いません。彼の母親はどうか分かりませんが、それはそれということで」

「こんなに良くしていただいたので、彼は病院が懐かしくなってしまうかもしれませんね。でも、一緒に家に帰れるのはうれしいです」

ビリーの所属するJHRチームの代表者スティーブン・ハンターは次のように述べた。「事故の直後はわれわれが今まで経験した中で最も衝撃を受けたものだった」

「皆の助けを借りて、彼は急激に回復した。病院に限らず、世間やモータースポーツ界、あちこちの父母からのサポートは驚くべきものだった」

「モータースポーツというのは両手と頭、そして足を使って戦うものだ。そのどれかを失う危険は常にある」

「彼は目標を持った意欲的な若者だ。その目標は今も達成すべきものとして残っており、きっと彼なら達成してくれると信じている」

病棟のスタッフナース、カースティ・メジャーズは次のように述べた。「最初にビリーが運び込まれてきた時はとても具合の悪い状態でした・・・自分に起きたことを受け入れるのに苦労していました。ですが、それを乗り越えたのです」

コンサルタントのトニー・ウェストブルックは語る。「彼は間違いなくまたレースをするでしょう。年内にはそうなるでしょうね。われわれは関心を持って彼の未来を見守っていきます」

「思わず涙がこぼれますよ。私には同じ年代の息子がいるので、ビリーを見ると彼は本当に不運だったと思わずにはいられません。こんなことは起きるべきではなかった」

「しかし、彼はとても幸運でもあり、素晴らしい支持と支援が彼の後ろについています」

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