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「フェルスタッペンルール」が廃止された理由

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2017年3月23日 « 地元の応援は活力源とリカルド | サスペンション問題の火種は摘んだと考えるFIA »
© Goria/Sutton
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ポジションを守るためのブレーキング時にラインを変えてはいけないとしていたFIAの規定――いわゆる"フェルスタッペンルール"――がレギュレーションから消されたことをレースディレクターのチャーリー・ホワイティングは認めている。

冬の間にFIAはドライバー間のホイール・トゥ・ホイールのレースに関する競技規則の単純化に取り組み、ドライバーが"インシデントにおいて全面的、または大部分において非がある"と認められない限りはいかなるペナルティも科さないという多様な状況に対応可能な内容に変更された。

昨年中に少なくとも2回のドライバーブリーフィングがブレーキング時のライン変更問題のためだけに開かれており、そこで取り上げられたのがマックス・フェルスタッペンが実際にレースで見せた動きだった。ぎりぎりのところで別のドライバーをブロックする彼のドライビングに対する批判はFIAをも動かし、ドライバーたちと協議した結果、US GPからそうしたドライビングを禁止するルールが設けられた。

単純化された新レギュレーションは審議するインシデントについてスチュワードによりフレキシビリティを与えることを狙いとしており、より常識的な判断を取り入れようとしている。昨年のメキシコで起きたセバスチャン・ベッテルとダニエル・リカルドの衝突のように、新しいルールを適用した場合には違う結果になっていたものもあるとホワイティングは認めた。

「昨年のいくつかのインシデントについては少し違っていた可能性もある――"ブレーキング時の動きは全て審議する"としていたいわゆる"フェルスタッペンルール"がなくなったのだから、扱いも変わっていたはずだ」と彼は述べた。「今後はドライバーが不規則な動きをするか、不必要に減速する、あるいは他のドライバーを危険にさらす行為などがあった場合に限り、審議対象になるという単純なルールになる。つまりルールが広範になったということだ」

「ドライバーから出た一部コメントへの対応として、われわれは昨年のオースティンで既存のルールの解釈についての注意書きを出した。その解釈というのは単純に、ドライバーはブレーキング時に動いてはならないというものだった。それがメキシコの件で適用され、メキシコでのペナルティの根拠となった。だが、今後は少し異なる方法で対処することになる」

「スチュワードは単純に一つ一つのインシデントに焦点を合わせ、それぞれの価値観に基づいて判断することになる。そして各インシデントはそれが危険な動きだったかどうかということだけを基準に扱われる。ブレーキング時に動いたどうかが問題ではない」

「われわれが要請されたのは、スチュワードが1つのルールに沿って判断できるような、物事に対するより一般的なアプローチを用意することだった。全てを網羅するようなルールだよ。それならばおおむねどんなことでもできる。それがチームからのリクエストだった。彼は審議を減らし、明らかに危険なケースにのみ行動することを望んだ」

「昨日、われわれは全スチュワードと会議を開き、昨年注目された全てのインシデントを見直して、この新ルールあるいは新アプローチではどのように対処されるかを検討した。なかなか興味深かったよ」

スチュワード用に過去のインシデントの映像にすぐアクセスできるシステムを用意したとホワイティングは説明し、レースごとにより早く、一貫したペナルティを下せるようになると期待を示した。

「物事を少しばかりスピードアップさせたいのだと全スチュワードには伝えた。レース後のチェックを高速化して、これまでよりリザルトを早く出せるような対策も取っているので、それがうまくいくかどうか見守りたい。難しい面もあるけれどね」

「われわれはスチュワードの助けになればと思い、ビデオアーカイブシステムと呼んでいるものを導入して同様の条件の他のインシデントをすぐに振り返れるようにした。あれこれと面倒なことをしなくても、彼らは過去の同様のインシデントの情報を引き出すことができるようになった。それらは項目別に分類されていて、例えば"接触の原因"を選んで何度かクリックすれば、6つのインシデントが出てきて、それについてどんな判断がなされたかを確認することができる」

「これによってスチュワードはより一貫した判断が可能になるだけでなく、作業の効率化にもなるはずだ。全てがより素早くできるようになると期待している。スチュワードの裁定が出るまで何時間も待ち続けるのがいかに退屈かというのはわれわれも理解している」

レギュレーション変更についてフェルスタッペンに直撃したところ、彼はあっさりこう答えた。「僕にとっては別に何も変わらない。普通にレースをさせてくれるんならその方がいいに決まっている。だってそれがレースでしょ」

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