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異なるデグラデーションレベルが必要とピレリ

M.S.
2017年3月15日 « 新マシンにドライビングを合わせる必要があるとボッタス | レッドブルは本気を出していないとウェバー »
© Mark Sutton/Sutton Images
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F1タイヤサプライヤーのピレリは今季のピットストップ数が少なくなると予測する一方、必ずしもレース展開が退屈になるとは考えていない。

今季はドライバーたちがバトルの中でタイヤパフォーマンスを損なうリスクを負うことなしにより長く他のマシンとレースできるよう、より多くのグリップをもたらし、熱によるデグラデーションに対する耐久性の高い幅広タイヤ設計された。カタロニア・サーキットで2週間のテストを終えたピレリの自動車レース責任者であるマリオ・イソラは、現在のコンパウンドが目標達成に向かっていると話している。

「このタイヤが目指した目標を達成できてうれしいし、新車の開発に向けて設定しているターゲットに満足だ」とイソラはテスト最終日にコメントした。

「要望ははっきりしていた。ラップタイムを5秒上げるための、デグラデーションの減少とパフォーマンス向上だ。これは達成されている。オーバーヒートが少なくなったことでドライバーたちがプッシュできる機会が生じており、正しい方向に進んでいる兆候がある」

オーバーヒートの改善は、別のマシンの後ろについて乱れた気流を走る上でフロントタイヤにダメージを負ってしまうことに不満を述べていたドライバーたちからの直接的な要求だった。新しいタイヤも過熱した際にグリップをやや失うものの、ストレートでクールダウンすることでパフォーマンスを回復できるという。

「オーバーヒートの影響――どちらかと言えばそれはタイヤに過度なストレスをかけた際のグリップ喪失であって、オーバーヒートと言いたくないのが本当なのだが――については、今のタイヤは迅速にリカバリーすることができる。それが目標とされていた。ドライバーたちがタイヤをプッシュし過ぎてグリップ低下を感じた場合、ストレートの走行で十分にタイヤパフォーマンスをリカバーできる。これはわれわれにとって実に良い兆候だ」

オーバーヒートの影響が減ることでドライバーたちのバトルが促進されると期待できる一方、今季の各チームは全体的なデグラデーションの低下を報告している。テスト中、一部のチームはソフトコンパウンド1セットのみでレース距離を走破できると主張しており、全てのマシンが1ストップを選ぶことで戦略の多様性が失われるのではないかとの懸念がある。

「デグラデーションがゼロに近いときに、もちろんそういったことは起こる。ラップタイムの異なる3種のコンパウンドがある一方で、デグラデーションがゼロに近ければ、誰もが1ラップを除く全周回で最も柔らかいコンパウンドを使用するだろう。しかし、リクエストは異なるデグラデーションを持たせることであって、デグラデーションゼロではない」

© Mark Sutton/Sutton Images
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「オーバーヒートについては明確な要求だった。他のマシンの後ろについてグリップを失うとき、タイヤの表面がオーバーヒートして再び戦うことができなくなるため、ドライバーたちはオーバーヒートを望んでいない。それがターゲットであり、この方向におけるフィードバックはポジティブだ。完全にオーバーヒートがゼロというわけではないかもしれないが、昨年に比べて大きく進歩した」

「デグラデーションはゼロにすべきではない。そうでなければ、クロスオーバーがなくなってしまうからだ。われわれにはデグラデーションが必要であり、ラップタイムのデルタが異なる戦略を可能にする。そうすることで、ショーを維持できるのだ」

「今季のマシンでは大幅な開発が進められることを考慮しなくてはならないため、特にシーズン終盤にはデグラデーションの数値を見直す必要がある。鈴鹿ではより多くのパフォーマンスとパワーがあるのに加え、通常の開発がマシンに施されるため、サーキットの苛酷さによって今ここで見られるのとは異なるデグラデーションになり、ハード、ミディアム、ソフトを使うことになるだろう。テクニカルレギュレーションにこういった大きな変更があった初年度は、そうでない時に比べて開発ペースがかなり大きくなるのは分かっている」

開幕戦オーストラリアGPでピレリのレンジから最も柔らかい3種のコンパウンドが使用された後、中国GPとバーレーンGPにはスーパーソフト、ソフト、ミディアムが持ち込まれる予定だ。気温の上昇により、複数の戦略が混在する傍ら、ホイール・トゥ・ホイールの戦いを制限しないようなデグラデーション状況になることが期待されている。そうでない場合は、イソラが言及するようにシーズンが進む中でマシン開発が戦略のバリエーション増加のカギとなるだろう。

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