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  • アブダビGP - 決勝

ハミルトンがラストを勝利で飾るもロズベルグが初戴冠!

Jim
2016年11月27日
© Martini/Sutton
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夕日がまぶしく輝き、夜の帳が下りようとするヤス・マリーナ・サーキットで27日(日)、2016年FIA F1世界選手権第21戦アブダビGP決勝レースが開催され、メルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウインを飾った。ドライバーズ選手権タイトルは2位でゴールしたニコ・ロズベルグが獲得している。

タイトル決定戦を前にした予選では安定して好調を維持していたハミルトンがポールポジションを獲得し、0.3秒差のタイムを刻んだ僚友ロズベルグがフロントロー、2列目にレッドブルのダニエル・リカルドとフェラーリのキミ・ライコネンが並んだ。

週末を通して快晴に恵まれたヤス・マリーナ・サーキットは全長5.554kmを誇り、トワイライトからナイトレースへと移行するため、コース上は人工照明が灯される。レースは55周で争われ、スタート時は気温26度、路面温度29度、湿度59%のドライコンディションだった。今季のピレリは各レースに3種類のドライタイヤを持ち込んでおり、チームはドライバー1人につき全13セットが与えられる中で10セットを自由に選択している。アブダビにはソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトが用意され、ソフトとスーパーソフトの1セットがレース用タイヤとして指定された。

シグナルが消灯と共に決戦がスタートすると、メルセデスの2台は好発進でターン1を通過。レッドブルとフェラーリが激しくポジションを争い、3番手スタートのリカルドをフェラーリのキミ・ライコネンが追い抜くと、もう1台のレッドブルを駆るマックス・フェルスタッペンがスピンを喫して最後尾に後退してしまう。ただ、フェルスタッペンは走行に影響がなかったようで、次々にオーバーテイクを仕掛けてポジションを取り戻した。

スタート直後にフロントウイングを破損したルノーのケビン・マグヌッセンは緊急ピットストップでノーズを交換してレースを続けるも、6周目にチームから再度のピットインが指示され、そのままマシンをガレージに収めることになった。

メルセデスは7周が終わる頃にハミルトンにピットインするよう伝え、同時ピットインしたライコネンもソフトタイヤに履き替えている。翌周にはロズベルグとベッテルもタイヤ交換を済ませたが、ベッテルのピットインのタイミングとロズベルグのピットアウトが重なってしまい、ロズベルグは数秒待機を強いられた。それでも、ライコネンの前でコースに復帰することには成功。

第1スティントを長くとったフェルスタッペンがハミルトンとロズベルグの間で粘り、タイヤ戦略が異なるものの、オーバーテイクを仕掛けるロズベルグに対して道を譲らず、何度も攻撃を受けながらも必死にポジションを死守した。

一方、フォース・インディアのセルジオ・ペレスと8番手を争っていたマクラーレンのジェンソン・バトンをサスペンショントラブルが襲う。コースを飛び出し、「ステアリングがおかしい」と訴えるも、右フロントサスペンションが破損したのを確認してピットに向かい、レースを終えた。グランドスタンドからは大きな拍手と声援が送られている。

さらに、週末を通してトラブルが相次ぐトロ・ロッソにまたも問題が発生。ダニール・クビアトがコース上にマシンを止めてしまった。

先頭のハミルトンが順調にペースを維持していく中、フェルスタッペンを抜けずに手こずっていたロズベルグに対し、メルセデスから「オーバーテイクせよ」との無線連絡が入る。これを聞いたロズベルグは一気にペースを上げてフェルスタッペンにプレッシャーを与え、ターン11からの立ち上がりでレッドブルマシンを置き去りに。3番手に下がったフェルスタッペンは予選から履き続けるスーパーソフトタイヤが寿命に近づいていたようで、最初のピットストップを行い、ソフトタイヤに履き替えてコースに戻った。

前が開けたロズベルグはファステストラップを刻みながらハミルトンを追いかけ、この辺りから3番手以下のドライバーが上位2台に離されていく。ライコネンと競っていたリカルドは先にピットに入ってタイヤを交換。レッドブルの動きを見てフェラーリも次の26周目にライコネンをピットに呼び入れるが、コースに戻るとすでにリカルドは通過した後。レッドブルがアンダーカットに成功する。2人の前にはフォース・インディアのセルジオ・ペレスがおり、リカルドが引っかかる形でライコネンの接近を許したが、オーバーテイクでペレスを料理して先行。結局、ペレスはその後すぐにピットインしたため、ライコネンも大きなロスなくレースを続けている。

メルセデスは29周目にハミルトン、次のラップでロズベルグのタイヤ交換を済ませ、どちらもスムーズなピット作業でドライバーをコースへと送り出した。

タイヤ戦略の異なるベッテルがラップリーダーとして君臨するも、コンマ数秒速いペースを刻むメルセデス勢が追い上げていき、その差が3秒ほどに縮まった38周目にベッテルが2度目のピットストップを実施。スーパーソフトタイヤに交換して隊列に加わり、この時点でトップ5のライコネンから5.5秒後ろだったが、フレッシュタイヤと柔らかいコンパウンドの利点を生かして42周目には相棒の前に出ている。さらに、4周を経てリカルドも料理したベッテルは残り3周を切ってフェルスタッペンに追いつき、3番手の座を確保すると、すぐ前にいるメルセデスコンビにもプレッシャーをかけていった。

また、トロ・ロッソのカルロス・サインツとルノーのジョリオン・パーマーが接触し、パーマーに事故を引き起こしたとして5秒のタイムペナルティが科せられる。周回遅れにされた直後、サインツの真後ろでブレーキングが遅れたパーマーが突っ込んでしまったのだ。トロ・ロッソの不運はまだ終わらない。リアにダメージを負ったサインツがギアボックスにも問題を抱えてしまう。サインツもリタイアを喫し、トロ・ロッソは最終戦で2台ともチェッカーを受けられなかった。

ラスト3周はメルセデスコンビとベッテル、フェルスタッペンが1秒差以内の間隔で連なる超接近戦が繰り広げられ、チェッカーが振られるその瞬間までハラハラの展開に・・・。ベッテルの追い上げを振り切りたいロズベルグはペースを上げたがったものの、先頭のハミルトンがマイペースを崩さず、板挟み状態になる。それでも、ハミルトンがトップチェッカーを受け、2位でゴールしたロズベルグが初めてのタイトル獲得を決めた。終盤に猛チャージを見せたベッテルは3位表彰台に上っている。

4位以下、フェルスタッペン、リカルド、ライコネン、ヒュルケンベルグ、ペレス、マッサ、アロンソがポイントを獲得。マッサは現役最後のレースで入賞を果たした。

史上最長の21レースが行われた2016年シーズンに別れを告げたF1サーカス。2017年シーズンは3月にオーストラリアで開幕することになっている。

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