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  • シンガポールGP - 決勝

激闘のナイトレースを制すはロズベルグ!

Jim
2016年9月18日
© Mark Sutton/Sutton Images
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夜の帳が下りたマリーナ・ベイの市街地サーキットを舞台に、2016年FIA F1世界選手権第15戦シンガポールGP決勝レースが開催され、メルセデスのニコ・ロズベルグがポール・トゥ・ウインを飾った。

セーフティカー導入率が高いとはいえ、スタート位置がカギを握るレースとあって、いつも以上に集中力が求められた予選では今週末が200戦目の記念レースとなるロズベルグが1分42秒584の最速タイムを刻み、ポールポジションを獲得。2番手にはレッドブルのダニエル・リカルドが食い込み、チャンピオンシップリーダーのルイス・ハミルトンはストリートコースを思うように攻略できずに3番手にとどまった。

ライバルのメルセデスやレッドブルに引き離されたくないフェラーリだが、予選でセバスチャン・ベッテルをリアサスペンショントラブルが襲い、最下位の22番手に沈んでいる。フェラーリはベッテルのギアボックスを新品と交換することを決め、さらに5基目の内燃機関(ICE)、ターボチャージャー、MGU-Hも投入。ギアボックス交換では5グリッド降格処分を受けたが、スターティングポジションが最後尾のため、事実上、ペナルティの影響はない。

また、予選Q2でウオールにぶつかるインシデントを起こしたハースF1のロマン・グロージャンもギアボックスを交換してレースに挑んだため、5グリッド降格ペナルティを科せられた。グロージャンは接続に不具合が生じたとのことでピットに迎えずピットレーンスタートとなったが、結局、ブレーキ・バイ・ワイヤの問題によりレースが始まる前にマシンを降りている。

そのグロージャンのクラッシュが発生した現場ではダブルイエローフラッグが振られ、さらにマクラーレンのジェンソン・バトンがエスケープゾーンにマシンを止める間にもシングルのイエローフラッグが掲示されていたが、この間に十分な減速をせず、最速タイムをマークしたフォース・インディアのセルジオ・ペレスが2件のルール違反で合計8グリッド降格処分を受けた。

シンガポール市街地サーキットの全長は5.065km。人口照明が灯された決勝レースは61周で争われ、気温30度、路面温度35度、湿度70%のドライコンディションでスタート時刻を迎える。ピレリがシンガポールの一戦に用意したタイヤはソフト、スーパーソフト、ウルトラソフトの3種類。今季のレギュレーションでは各ドライバーに週末を通して13セットのドライタイヤが与えられ、うち10セットを自由に選択できるシステムだ。

シグナルが消えた後、好発進を決めたロズベルグが先頭をキープする中、フォース・インディアのニコ・ヒュルケンベルグが前にいたカルロス・サインツ(トロ・ロッソ)を追い抜こうとしたところ接触してしまい、ヒュルケンベルグはスピンを喫して進行方向とは逆を向いてウオールに激突。他車が巻き込まれて事故に発生することはなかったが、ウィリアムズのバルテリ・ボッタスがパンクチャー、マクラーレンのジェンソン・バトンがフロントウイングにダメージを負っている。レースコントロールはすぐさまセーフティカー出動を決め、オープニングラップはピットレーンを通過して終わりを迎えた。ホームストレートにデブリが散らばっており、その清掃をスムーズに行うための措置だ。ボッタスとバトンはこのタイミングでタイヤ交換をすませている。

2周目の終了と共にセーフティカーが解除され、リードを保っていたロズベルグが一気に加速。リカルド、ハミルトン、ライコネンに次ぐ5番手にはスタート後の混乱をうまく利用してポジションを上げたマクラーレンのフェルナンド・アロンソが並んだ。アロンソは上位4台に差を広げられていったが、後続車のプレッシャーをうまく退けながらポジションを死守。チームメイトのダニール・クビアトを挟んで7番手につけていたサインツが8周目に最初のピットストップを行っている。

各車の間隔はそれほど開かないものの、追い抜きが難しいシンガポールではコース上でのオーバーテイクが難しく、特に上位勢はなかなか動きが見られない。14周目にはレッドブルがフェルスタッペンのタイヤ交換を行い、次のラップではアロンソがウルトラソフトからスーパーソフトのタイヤセットに履き替えた。さらにリカルド、ハミルトン、ロズベルグ、ライコネンの順で最初のピットストップを完了。メルセデスは2台ともにソフトタイヤを選んでいる。リカルドやライコネンをはじめ、大半のドライバーは第2スティントをスーパーソフトタイヤのセットでスタートさせた。

アロンソの攻略に手こずっていたクビアトを見てフェルスタッペンが追い抜きを仕掛けるも、以前は自らのものだったレッドブルのレースシートに座るフェルスタッペンに対してクビアトが必死の防御を見せ、フェルスタッペンがブレーキング勝負に打って出た際もしっかりと対応してポジションを守っている。その間、アロンソはマイペースにラップタイムを刻み、前との差を縮めつつ、後続との距離を広げていった。

第1スティントにソフトタイヤを選択したベッテルは6番手までポジションを上げた25周目にタイヤ交換。ウルトラソフトコンパウンドに履き替えてコースに戻ると、フレッシュタイヤの利点を生かしてさらなる追い抜きを披露した。

シンガポールで本調子が出ない様子のハミルトンは週末を通してブレーキングに苦戦しており、レースが折り返し地点を迎える頃にはライコネンから激しくプレッシャーを受けるようになる。ターン10への飛び込みでタイヤロックアップさせた33周目、ライコネンがそのチャンスを逃すはずはなくオーバーテイクを成功させた。直後にラップリーダーのロズベルグが2度目のタイヤ交換を完了し、ライコネンもソフトタイヤに履き替えている。リカルドは1周前にピットストップをすませており、トップ4のメンバーではハミルトンが最後にピット作業を行って新品のソフトタイヤを装着した。

そのままチェッカーを目指すかと思われたが、46周目にハミルトンがピットインしたのをきっかけに、フェラーリもライコネンをピットに呼び入れてユーズドのウルトラソフトを履かせてコースに送り出す。しかしながら、先に動いたハミルトンが猛プッシュを見せて逆転。一度は奪われたポジションを取り戻した。2番手のリカルドも3回目のタイヤ交換を実行し、ロズベルグも同様の動きを見せたものの、メルセデスはステイアウトを指示。ただ、この時点でロズベルグとリカルドのラップタイムは3秒近い差があり、周回を重ねるごとにロズベルグのリードが失われていった。

残り周回数が少なくなるとリカルドのペースも落ち始めたが、周回遅れのマシンが前を塞いだこともあり、ファイナルラップに入った時点で両者のギャップは1.7秒に。それでも、懸命に、かつ、慎重にマシンをコントロールしたロズベルグがチームの期待に応える好パフォーマンスでポジションを守り抜き、トップでチェカーを受けている。200戦目を優勝で飾ると共に、ベルギーGPとイタリアGPにつづいて3連勝を果たした。さらに、ドライバーズ選手権ではハミルトンを上回って首位に返り咲き。8点のリードを築いて次の舞台に移動することになった。

猛烈な追い上げを見せたリカルドが2位、ハミルトンが3位で表彰台に上り、4位以下、入賞したのはライコネン、ベッテル、フェルスタッペン、アロンソ、ペレス、クビアト、マグヌッセンだ。ベッテルは最後尾スタートながらトップ5フィニッシュを果たす大活躍を見せた。

熱く激しいナイトレースを戦い抜いたF1サーカスが次に向かうのはマレーシア。これまでシーズン序盤戦に組まれることが多かったマレーシアGPは今年のカレンダーで16戦目のグランプリを主催する。初回セッションとなる金曜フリー走行1回目は30日(金)日本時間11時から行われる予定だ。

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